知らないこと
こんばんわ!本日も開いて頂き、ありがとううございます!
本日、英語のテストがあり、言語の難しさを思い知った夜月です。
そして文章を書いていても思うんですよね、言語って難しい!
それではお楽しみください!
「緑茶とほうじ茶どっちがいいかの。」
「緑茶でお願いします。」
俺が返答すると、村長は湯呑にお茶を注いでくれる。
そうだ。マナミのことについて聞かなければならない。村長ならきっと知っているだろう。
「村長さん、この村に黒髪の少女が訪れてきたと聞いたのですが。なにか、ご存じのことはありませんか?」
「お主、あの少女と知り合いだったのかい。若いもんが運んできたんでが、目を覚まさないもので困っていたものでな。その少女なら、2階におるぞ。話はその後でも構わぬ。」
良かった。やはりソフィーについてきて正解であった。
「ありがとうございます。」
「何、構わぬよ。ソフィー、案内してやれ。客人用の間に寝かせてある。」
ソフィーは、はーいと返事をして、階段へと走っていった。
俺は、こっちこっちと言うソフィーを追いかけて、2階へと上がっていった。
ソフィーについて入った部屋は、宿のような簡素な作りの部屋であった。
その部屋のベッドにはマナミが寝ていて、わきには男の人が座っていた。
「なんだ?兄ちゃんは彼女の知り合いか?」
「はい、そうです。」
「そうか。それは良かった。彼女、雪見草の上で寝ていたらしい。気を付けてやんな。」
雪見草?そうか、あの花畑の花は、雪見草という名前だったのか。
しかし、気を付けるとはどういうことだ。
「すみません、気を付けるとは何をですか?」
「兄ちゃん、月見草のこと知らないのか?都会っ子だな!月見草は、日中は雪みたいな白い花を咲かせる野草だ。だが、夜になると一遍変わって、根を張る土の上にいるものの、魔力を吸い取っちまうんだ!魔法が使えないような奴がそこにいたら、あっという間に生きんのに必要な魔力までなくなっちゃうぜ。」
あのきれいな花畑はそんな恐ろしいものだったのか。今後は気を付けなければいけないな。
しかし、あいつらは分かってて月見草の上に降ろしたんだろうか。どこまでも腐ったやつらだな。
「すみません、もう少し彼女の様子を見ていただいても構いませんか?」
「あぁ、かまわんよ!」
俺はマナミを頼んで、部屋をでる。
寝てはいるが、問題は無さそうで安心した。魔法によるものだから、じきに目は覚めるだろう。
ソフィーは、おねえちゃんのかみキレイー!と言って騒いでいた。
「村長さん、戻りました。」
「おぉ、もう戻ってきたのか。もう少し、一緒にいてやらなくて良かったのか?」
「えぇ。せかっく入れてくださった、お茶が冷めてしまうので。」
そう話しながら、俺は村長の向いに座る。
「そう焦らんでも、話は逃げんよ。さて、ここがどこか、という話だったはずじゃな? そうだの。ここがお主の言うように、アルカナである事に間違いはない。そしてここは、お主らが貧民街と呼ぶ場所だ。だが、わしらは決して貧乏な暮らしをしているわけじゃ無い。」
貧民街?まさか。俺は貧民街には行ったことは無いが、住宅地区の端から見たことはある。
以前友人と貧民街に入ろうとしたことがあった。本来は貧民街への立ち入りは禁止されているが、子供心に入ってみたいと思ったのだ。
しかし、貧民街に近づいた時だった。
俺たちは得体の知れない恐怖を感じた。
目の前にあるのはただのスラム街のような町。でもそこからは、とてつもなく恐ろしい何かを感じた。
近づこうと思えば、近づけたかもしれない。しかし、俺たちは気づいたら内側へと走っていた。
それ以降、誰1人として貧民街の事に触れることは無かった。
だが、その時に俺が見た貧民街は、決してこんな平和な場所ではなかった。
「お主らがなぜ今、こちら側にいるかは知らない。だが、内側の人間は本来、こちらに来ることは出来ない。それはアルカナが貧民街とそれ以外で、壁に隔てられているからじゃ。」
壁?そんなもの見たことも無いぞ。
それに、この地と住宅地区を隔てる理由がわからない。
「壁なんて、俺は見たことないぞ。」
「あぁ、そうじゃろうな。壁は内側のものには、魔法で見えないようになっているからの。それに、壁に近づくことも出来ないはずじゃ。そして壁の外側には、雪見草が植えてある。だから、内側と外側の国民は、同じアルカナという国に住んでいながら、交わることが出来ないのじゃ。」
そんな。俺は今まで15年アルカナという国に住んでいながら、何ひとつも国のことを知らないじゃなか。
軍隊の義務のこと、貧民街のこと、この1日で沢山の知らないことを知った。
しかし、国民の多くは、この事実を知らずにアルカナで生き、死んでいく。
俺はアルカナという国に恐怖を抱いた。まだ、何か俺の知らない大きなものを隠しているのではないか、と。
「そうじゃ、まだ日も暮れん。見た事がないなら、壁でも見に行くのじゃ。話の続きは道中でしてやろう。」
そうして俺は村長の言う『壁』を見に行くことになった。
そこで俺はさらに、アルカナの知らないことを知ることになった。
最後まで読んでいただけて嬉しいです!
それでは、また明日の前書きで!
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