昏睡魔法
ども!
前回の投稿で、少し評価をいただけてうれしい夜月でございます!
今回のお話も、楽しんでいただけたら幸いです!
マナミが床に崩れ落ちる。
俺は急いで手を伸ばす。
「何をしたんですか!!」
何をしたかは分かっている。きっと洗脳系の魔法の一種だろう。マナミは昏睡状態に陥っている。
しかし魔法をためらいもなく使うなんて。
アルカナの国民は時たま、魔力を持って産まれてくる。俺もその一人だ。
だが、魔力を持ったものも、永遠に魔法を使い続けることはできないと言われている。
魔力は産まれた時から、その者の中に備わっているものだ。だから決して増えるものではない。持っている魔力を使い切ったら、もう魔法は使えなくなる。
だから魔法を使えるものも、普段から魔法を使うことはない。いざというときにとって置くのだ。
しかし、世の中には例外というものが必ずある。
王族と一部の上流貴族だ。彼らはどういう訳か、魔法を永遠と使い続けることが出来る。
そして先ほど彼は何のためらいもなく、魔法を使った。
きっと、かなりくらいの高い貴族か何かなんだろう。
「この小娘が五月蠅かったから、黙らせただけだ。」
「おいおい、流石にやりすぎだろう?なんせ彼女は大切なお客様だ。」
「だがじきにすることだ。いつやっても同じだろう。」
「それもそうだね。あぁ、ルーカス様!お騒がせしてすみません!お話の続きでも始めましょうか。」
この二人には逆らってはいけない。俺の本能がそう告げている。
「彼女を布団に寝かしてきてもかまわないでしょうか?」
「いえ、その必要はございませんよ!理由は、じきに分かります!」
俺は彼らが何を考えているのかよくわからない。
とりあえずマナミは椅子に座らせ、机にふせる形で寝かしておいた。
「もう御察しでしょうが、あなたのパートナーはそこの少女、マナミ様でございます!」
そう言って彼らが話し出した話は、あまりにも知らない事、理解できない事が多すぎて、俺は終始、黙って聞いていた。
まず、人がパートナーとして選ばれるということは、前代未聞の出来事らしい。
理由も全く見当がつかず、分かっているのは、それが初めてだということだけだという。
政府は国民のパートナーを知る何らかの方法を持っており、俺のパートナーに人が選ばれたということが分かり、ここまで確認しに来たようだ。
しかし、彼らの目的はそれだけではないらしい。
この国には軍隊という仕組みがある。いたって平和な国だが、もしも戦争が起こった時のための組織だ。
その組織は国民の中のアタリのパートナーを持っているものから、特に強力なものを持つものへの所属の義務で出来ているらしい。
俺にとっては全く関係のない話だと思っていたが、そうでもないという。
俺は先日政府側の手違いで、パートナーが大剣だと思われていた。その影響で、俺は軍に入る義務があるらしい。
しかし、実際は強力な武器でもなんでもなかったから、その義務はなくなるということだ。
だが、義務をなくすためには政府に出向いて、その手続きを行わなければいけないらしい。
それを伝えるために彼らはここまで来たと言っている。
「これからよろしければ私たちと一緒に政府に来ていただきたいのですが。」
俺はかまわない。しかし、マナミはどうしよう。
そう思って俺がマナミを見ていると役人が教えてくれた。
「手続きにはパートナーも必要なので彼女もいっしょに連れていきましょう。」
俺は今、彼らが乗ってきた馬車に揺られている。
マナミは彼らのうちの一人が、魔法を使い馬車へと運んでくれた。少しのことにこうやって魔法を使えるのは羨ましい。
「もうじきつきますよ。」
思ったより早い到着だった。いくら馬車とはいえ、少し早すぎるくらいだ。
馬車の窓にはカーテンがかかっていて、外の様子が見えない。天井には電気がついているが、それでも少し不気味な雰囲気はぬぐえていない。
馬車の速度が遅くなる。そろそろついたのだろうか。
「この辺でよさそうですね。」
どうやらついたようだ。
音は何も聞こえない。首都には何度か来たことがあったが、こんなに静かなものだっただろうか。
しかし、その疑問はすぐに解決されることとなった。
「さあ、降りてください、ルーカス様!」
そう言って、扉が開けられる。
しかしそこは決して首都ではなかった。一面の花畑だ。もしこれが何かの観光旅行だったら、とても幻想的だ。
「騙してしまってすみませんね!ですが、これはしょうがないことなのです!決してわたくしたちだって、やりたくてやっているわけではないのです!こちらとしては、あなた達の存在はとても許されないのです。パートナーに人が選ばれるなんて!!それにこれは、あなた達のためでもあるのです!きっとこのことが知られたら、あなた達は命を狙われてしまうでしょうから!」
そうか。そういうことだったのか。
彼らは最初から、俺らを首都に連れて行く気がなかったのだ。
『眠れ。』
先ほどと同じ声が聞こえた。
その瞬間気が遠くなっていく。
あぁ、くそ、はめられたんだ。無性に腹が立ってくる。
それにマナミはどうしよう。彼女は家に帰してやりたい。
「そうだ、ルーク様!お父様には、ちゃんと伝えておきますから!心配しないでくださいね。」
父さんか。そうだな、心配しちまうだろうな。
それが最後に、俺が聞いた言葉だった。
魔法がある世界に生まれられたら良かったですよね。
ところでなんですが、文章中の数字って、漢数字と算用数字、どちらが読みやすいのでしょう...。
教えていただけると嬉しいです!
それでは!
明日の20時に、前書きで待ってますよ!




