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紅い月の下で  作者: 黒猫館長
第一章「偽」
2/5

2、土竜だって名前だけならドラゴンだい!

 ゲームの世界はいつだってにぎやかだ。勇者も魔王も魔物も冒険者も、いいやつも悪いやつもいる。そんな中、一際賑やかな男がいた。最早ゲームにすべてを捧げているといってもいい男、桑田清志だ。

「おっシャー!やるぞああああ!」

「あはは…。いつも以上のハイテンション…。」

「…ノーコメントです。」

 とても痛いやつを見るように彼を見守る皆夫と洋子。二人の目は死んでいた。テンションが高すぎてついてゆけないのだ。

「行くぞ二人とも!デイリークエストだ!」

「はーい、わかったのですー。」

「はいはーい。」

 今日一日この馬鹿についていけるか心配になりながら、まずはいつもの日課が始まった。


 デイリークエスト、決まった曜日にのみ受けられるクエストで、貴重な素材が多数ドロップする。人によってはやりたがらないものもいるが、清志は必ずこなしている。

「「よし、宝玉ゲット!」」

「いや清ちゃん、それ紅玉。」

「「な、り、リンゴだと!?」」

「「はぁ。そのテンションの労力をほかのことに使えれば、できることも多いでしょうに…。」

「ってか二人とも、声が二重になってない?」

 先ほどからチャットボイスに違和感を感じる。サーバーの故障ではないだろうが…。

「「…あぁ、ちょっと近いのです清志。90mほど離れてください。」」

「「いや、90m離れたら内から飛び出ちゃうんですけど?ツーかここ俺の家なんですけど!?」」

「あー、なるほど。」

 つまり洋子は清志の家でゲームをしているのだ。マイクが近すぎて声が二重になってしまっているのだろう。

「仲いいねー。」

「何のことです皆夫?」

 そういえば、二人は幼馴染らしい。皆夫としては「〇探偵〇ナン」のような相思相愛を期待しなくもないのだが、思春期の二人にそれを言えば真っ向から否定されてしまうだろう。

「何でもない。声も大丈夫になったし、これからどうしようか?」

「そりゃ予定通り…。」

「八ッロローン!」

 その時目の前に光が現れ、一つの形を成した。そこに現れたのは前回貴重なアイテムを横取りしていった聖魔女「アイ」だ。

「あ、本当に来た。ハッロローン。」

 平然と挨拶を返す皆夫に対し、清志は非常に動揺している。

「何故ここに!?」

「何故って、昨日言ったろ?また遊ぼうって。なので来ました。」

「ええー。」

 清志は明らかに嫌そうだ。

「初めましてアイ。」

「初めまして。えーっと君のこれなんて読むの?」

「アカツキです。日の出る前の朝のことです。」

 「暁」洋子のプレイヤーネームだ。ちなみに、洋子のジョブは「バーサーカー」副ジョブは「パラディン」メインジョブの超高火力とサブジョブの守りの硬さから、出会ったものはつぎの日の出を見れないなどして「常闇の暁」などと巷では言われていたりする。

「なるほどー。私はアイ。宜しくなー。」

「よろしくです。」

「じゃ、いこっか清ちゃん。」

「へーい。」

 言葉ではいやそうでも、内心バランスのいいパーティーになったと喜んでいたりする清志だった。


 デビファンはかっこいいモンスターやきれいな風景などで定評があるが、中には変なクエストも存在する。今行っている「土竜の試練」もその一つだ。

「てい!やっ!」

「よっ-と。」

「「…。」」

 簡単に言えばモグラたたきだ。穴の中にいてたまに出てくるモグラを討伐するクエスト。経験値と報酬が無駄にいいので三人以上集まった時には必ずいっている。なぜ三人以上が必要なのか、それはモグラのノルマが100匹だから。三人ならまだしも一人二人のときはやりたくない。今回は四人なので一人頭25匹なのだが…。

「「…。」」

 清と洋子は黙々とモグラを狩り続ける。清氏のジョブ「ミラーナイト」のクイック攻撃はこのクエストには最適だ。また、洋子の「バーサーカー」は同時に複数のモグラを狩れるので効率がいい。会話の一つもなくモグラを狩る二人の集中力は少し怖い。

「ほいほいほい。」

 皆夫はというと刀で器用にモグラを突き殺してゆく。リアルで考えるとなんだか恐ろしい。最後にアイだが…。

「てーい!あれ?おりゃー!あー。」

 面白いくらいに攻撃が当たっていない。最早モグラがアイで遊んでいるようだ。

「頑張れーアイちゃーん。」

「「………。」」

「ありがとう!あと、そんな冷たい目で見るなよ二人とも!」

 ゲームキャラが冷たい目などできるはずないというのに、なぜわかるのだろう?もしかしたらアイはプレイヤーの心を読むエスパーなのかもしれない。

「いや、お前どうやってそこまでレベル上げたの?って思って。」

 アイは結構な高レベルだ。モンスターの一つも倒せないでなれるものではないはずだが…。

「私のジョブは「プリースト」と「ロイヤルガード」なんだって!大体のクエストじゃ引っ張りだこだし、パーティ組めばすぐにレベル上がったから。」

 つまりこいつはもともと面倒な戦いはほかの奴に任せて、いいところだけもらうスタイルだったわけだ。畜生!自分もまんまとその策にはまってしまった。

「あっそ。まぁそいつらくらいさっさと片付けるんだな。」

 こいつには痛い目にあってほしい。今まで怠慢に生きてきた報復が来たのだ。ここで十分苦しんでもらおう。

「うぬぬ…。、いいさ、私には最近手に入れたとっておきの切り札があるんだ!」

「切り札ですか?」

「それって…。」

「まさか…。」

 アイは一つのアイテムを取り出した。燃えるような紅色の指輪。

「これこそ伝説級のアイテム!「災炎竜の指輪」!その能力は災炎竜への変身!」

 指輪が光を発し、アイの体が炎に包まれる。そして消えた。だが消えたのは炎だけで、アイは変身も何もしていないが。

「あ、あれ?」

「…えーっとね、アイちゃん。すっごく言いづらいんだけど、ここにいるモグラって魔力を感知すると活性化するんだよね。思ったより強いからこのクエストって基本魔法は使っちゃダメなんだ。」

 指輪は魔法道具であり、発動しようとすれば失敗しても成功しても魔力が感知される。よって…。

「「………」」

「え、えーっと…。」

 アイの近くには25匹の活性化したモグラが悪魔の形相でみょんみょん揺れていた。


「いいいいいいいいいっやああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 先ほどとは打って変わって突撃してくるモグラから必死に逃げるアイ。まるで遊ばれているかのようだ。アイが。洋子はかわいそうな彼女に向かって鎮魂歌をうたう。

「せまるーモッグラー悪魔の軍団ー。われらをねらーう黒い影ー♬」

「なぁ、皆夫。」

「何?」

「モグラってさ、元の顔ってきもいけど、活性化したときの顔は幾分かましな気がするんだよね。動きは数倍きもいけど。」

「そだねー。どっちがいいかっていうと何とも言えないや( ´艸`)」

「気持ち悪い!みょんみょんが気持ち悪い!みょんみょんやめて!っていうか早く助けてえええええええええええええええええええええええ!!!」

 その後三人で頑張って倒した。


 セイ一行がレベルアップした。

投稿は不定期なので気長に待ってくださいね。大丈夫最後まで書く予定はあるから。

                                 黒猫館長

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