タケル・アサガミ戦役 その1
どうもはじめましてツルツル泥団子です。
この作品が初投稿になります。
ジャンルでいうと近未来SF日常ヒューマンストーリーといった感じのごちゃごちゃしたものになってます。笑
そして、がっつりシリアス路線で行きます。
彼女逹のエデン、そしてその終わりを見守って頂けたらなと思っています。
宇宙歴117年、人類は未知の外敵との戦争をかれこれ100年以上も続けている。
人類軍は戦争で偉大な功績を残した伝説の8人のウィッチをアーキタイプとしたクローンを生み出し主戦力とした。
しかし、戦争は年々激化するばかりで終わる気配が全くない。
人類軍がクローン兵を投入しだして100年近く経とうとしていたある日のこと。
退役したクローン逹は…
快適な部屋でシューティングゲームに興じていた!!!?
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軍が管理している寮の129号室、その広いリビングの壁に100インチを超える超大型テレビがはめ込まれている。
その前には、これまた大きなL字型のソファーがあり、3人の少女がそこに座ってシューティングゲームをしていた。
一番右にいる艶やかな黒髪をショートカットにしている少女は、ソファーにどかっと座り、背もたれに腕をかけ、脚を組んでいる。
とにかく態度がデカいこの少女、名をミシェルという。
彼女はこの部屋、129号室の主だ。
その隣には、腰まで伸びる鮮やかな赤い髪をポニーテールにした少女が、ソファーに浅く座り、右膝に右肘を乗せて頬杖をついて気だるそうにテレビを眺めている。
彼女の名前はラスト。
129号室の右隣の130号室に住んでいる。
一番左には、雪のように白い髪を胸辺りまで伸ばし、前髪をくくっておでこを出している少女がいる。
彼女はソファーのLの角の部分の背もたれに座り、カチャカチャと必死にコントローラーを動かしている。
名はシロという。
彼女は129号室の左隣の128号室に住んでいる。
この3人は同じ露型のクローンで1年前に軍を退役して、それから今まで毎日遊んで、楽しく暮らしている。
「いやー、あたしらがこんなにぐーたらした生活を送り始めて早くも一年が経とうとしてるね、諸君」と、ミシェルがやけに大仰に言った。
「何言ってんのミシェル。私たちが頑張って手にした、私たちの平和な生活なんだから、誰にもぐーたらなんて言われる筋合いないのよ。ねぇ?シロ」と、ラストがシロに話しかける。
「…………………………………」
「ダメだわ、この子シューティングゲームしてると一切喋らないんだった」
やれやれと呆れるラスト。
「あーもー!ラストが喋りかけるから負けちゃったじゃん!!」
シロはコントローラーを持ったままソファーにダイブし、ぐったりした。
「シロざこーい。あたしに貸してみ?今日こそラストの記録塗り替えてやるんだから!」
ミシェルに言われて「は~い」と渋々コントローラーを渡す。
新しいゲームが始まり、ミシェルはふんふん言いながら着々とステージを進めていく。
チャララン!
背景の色とBGMが変わりボス戦に突入した。
「ふん、どうせ今日も無理よ、ミ・シェ・ル」
ラストがミシェルを挑発する。
「何をー!!!見てなさいよ……」
バチバチと二人の間で火花が散っているようにシロには見えた。
大見得切った手前、負けるわけにはいかないミシェルが底力を見せてガツガツとボスのゲージを削っていく!
「ここまで、来た…の、はッ、初めてよ…このまま、ラストの、記録…をっ…!」
次の瞬間、ボスの全力攻撃がミシェルの機体を襲う!
画面全体を覆う弾幕攻撃を食らい残機を使い果たしたミシェルは、コントローラーを持ったままGAME OVERと表示される画面を焦点の合わない瞳で見つめていた。
「ま、負けた………」
「あそこで一機以上残してないと勝てないのよ。ま、ミシェルの実力じゃ今のが限界だったみたいだけど」
オーッホッホと笑いだすラストにミシェルが飛び掛かる。
「うるせー!コンチクショー!お前のその指へし折ってやる!!」
二人の掴み合いの喧嘩にあわあわとシロが止めに入る。
「二人ともやめなよ~たかがゲームなんだから~」
ピシッ
シロは空気に亀裂が入る音を感じた。
(あ…地雷、踏んじゃった?)
「たかが?」 「ゲーム?」
「ひーー!!!ごめんなさーーい!!」
逃げ出すシロを二人が追いかけ回していると、ガチャリと部屋のドアが開いた。
「129号室ッ!今日も元気に生きてるなッ!」
「「「掃除屋さん!」」」
灰色の作業服を着て、同じく灰色の帽子を深く被った掃除屋と呼ばれる男が玄関に立っていた。
「後2年もあるんだから、まだまだ死にませんよーだ!」とミシェル。
「そりゃ結構だ。ところで今日は何をしてたんだ?」
そう言いながら掃除屋はリビングへと入ってきた。
「シューティングゲームよ。ね、ミシェル?」と意地悪そうにラストが言う。
ぐぬぬ、と唸るミシェル。
「そ、掃除屋さんはシューティングゲーム得意ですか?」と場を繕うようにシロが聞くと。
「シューティングゲームかー。昔ちょこっとやったくらいだな…よし、俺も混ぜてくれよ!」
と乗り気だったので四人でゲームをすることになった。
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掃除屋さんはシロよりは上手かったが後の二人には勝てなかった。
四人はひとしきりゲームで遊んだ後、夕食を食べ、談笑した。
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「んじゃ、俺そろそろ帰るわ」
「ばいばーい、またいつでも来てね!いっぱい負かしてあ・げ・る・か・ら!」とミシェル。
「見てろ?次はミシェルより強くなってるからな!」
「そういえば、仕事は大丈夫だったの?」とラスト。
「ここに来るときはいつも他の仕事終わらせてんだよ」
「ふーん。じゃ、またね」
「おう」
「今日は楽しかったです!次は掃除屋さんに負けませんから…!」とシロ。
「はははっ、楽しみにしてるよ。シロ。じゃ、また来るわ」
ガシガシとシロの頭を撫でて掃除屋は部屋から出ていった。
「シロ、撫でられてた」一言そう言い残してラストは部屋から飛び出していった。
「なんじゃアイツ。ラストもいなくなっちゃったし今日はもうお開きにしちゃうか!」
「そう…だね。私も部屋に戻るよ…」
ミシェルに言われてシロもとぼとぼと部屋を出ていった。
帰っていった二人のことを考えながらテレビでロボットアニメを見ていると、同居人のアリスが帰ってきた。
アリスは生まれてから一年しか経っていないのでアカデミーに通っている。
「お帰りー!ねぇアリス~」
「A-2:123、正式名称アリス型第二世代百二十三番です。何度も言わせないで下さい」
アリスはツンツンしている。
「長いよっ!?そんな事より聞いて!さっきさ~」とミシェルがさっきの出来事を話し始めた。
「そんな事って…はぁ」と言いつつもアリスはミシェルの言葉に耳を傾ける、根は優しい子なのだ。
ミシェルは一通り話し終えた。
「うーん、それは『恋』という奴じゃないですかね。アリスも名前くらいは聞いたことがあります。イマイチ良くわかりませんが」
「あ、自分でアリスって言った」
揚げ足を取ってニヤリとするミシェル。
「アリスが言う分には良いんです!」とアリスは顔を真っ赤にして反論する。
(こういうところが可愛いんだよなぁ……)と、ミシェルお姉ちゃんは思うのであった。
「それにしても。恋かぁ、あのラストがねぇ。よっしゃ今度いじってやろう。ニッシッシ」
気持ち悪い笑い声を出しながらミシェルはキッチンへ消えていった。
(言わない方が良いと思うなぁ。それにシロさんの方も…)なんて思うアリスであった。
「アリスー!ご飯まだだよね?」
「はい、まだです」
「なんか作るからアニメでも見て待っててね~」
「いえ、アリスも手伝います」
「ほんと?ありがと~!お姉ちゃん嬉しい!」
「誰がお姉ちゃんですか」
二人でキッチンに立ちワイワイ喋りながら料理をした。
作りすぎたからラストとシロを呼びに行こうとミシェルが言うのをアリスは必死に止めた。
そりゃもう必死に。
結局、二人で夜ご飯を食べて少しお喋りをした後、一緒にお風呂に入りそれぞれ自室に戻って寝た。
アリスは食べ過ぎで寝つけなかった。
ミシェルは食べ過ぎで少し太った。
読了ありがとうございました。
この作品は文学賞に応募する作品を書く合間に書くと思うので全然進まないかもしれません。笑
そして息抜きに書くので趣味全開です。
さらに、かなりシリアスにしようと思ってます。
キャラクターの説明も次回より始まるので楽しみにしてて下さい。
感想頂けると凄く嬉しいです。
ここもっと良い表現あるんじゃない?的なこともどんどん吸収させて頂くのでどしどし送って来ていただけると幸いです。
それではまた会う日まで、さようなら。
10/20 大幅に加筆修正を加えました。