閑話:おとぼけの姉をもつ妹は心配中
短いですが、閑話ですので御容赦ください。
ログアウトした私を待っていたのは、可愛い顔を引き締めて怒りモードの妹、奈緒だった。
「お姉ちゃん、そこに座って」
そこ、と示されたソファーに座ろうとすると、違う、と首を振られる。
「正座!」
……どうやら、そうとうお怒りらしい。
「お姉ちゃん、あたしは怒っています」
私がソファーの上でおとなしく正座すると、奈緒は重々しく話し出した。
「なんで怒ってるかわかる?」
「えっと。ゲームで待ち合わせしてたのに、すっぽかしたから?」
「それもあるよ。トオルさんに話を聞くまで、すごく心配したし!」
「うっ、ごめん」
「でもそれだけじゃないです」
奈緒は腕を組むと、むう、と眉を寄せる。
怒ってても、うちの妹は可愛いいなあ。
「聞いてる? お姉ちゃん」
「はい、すみません」
奈緒は溜め息をつくと、拳を握り締めた。
「せっかくお姉ちゃんと一緒にゲームをプレイできると思ってたのに! すっごく楽しみにしてたのに! お姉ちゃんと合流できるのがいつになるのかわからないなんて……悔しいよ! 残念だよ! もどかしいよー!!」
「ごご、ごめん! だけど、レヴィが!」
「レヴィちゃんは可愛いけど! お姉ちゃんはあたしとレヴィちゃんのどっちが好きなのー!?」
「ええー!?」
しばらくの間ぷんぷか怒られて、なんとかなだめる。
奈緒がこんなに楽しみにしてくれてたなんて……。
悪いことしたなあ。
いや、でも決意に変わりは無いけど。
「むう。まあ、いいよ。お姉ちゃんは昔から、こうと決めたらひかないもんね」
「うん、ごめん」
「……うん。あたしも怒っちゃって、ごめんね」
奈緒は落ち着いたのか、ようやくいつもの笑顔を見せてくれた。
それから、奈緒とお互いの状況を話し合った。
「トオルさんも、露草さんやユノさんも優しくしてくれて、助かってるよー」
「そっか。トオル達に奈緒の事を頼んでおいてよかった。私の方もなんとか金策には目処がついたとこだよ」
「うん? どういうこと?」
「あのねーー」
私がアクアディーネ警備隊の二人のことを話すと、奈緒はゆっくりと前屈みになり、テーブルに肘をつくと両手を組み合わせた。
「お姉ちゃん」
「うん? なに?」
「第三十六回神月家姉妹会議を開きます」
「ええっ! なんで!?」
「いくらNPCとはいえ、男の人にほいほいついてっちゃ駄目!」
「えええっ!?」
NPCなのに!?
ーーその後、もっとしっかりするべきだと懇々と説教されてしまい、なんだか納得いかない私だった。




