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第五話

 拝啓お母さんお父さん、それから奈緒。

 私はもう駄目かも知れません。

 ううう。



 とりあえず街周辺の調査とレベル上げを兼ねて街を出て数十分程度、その間に私のスキルやステータスはめきめきと成長していた。

 主に、逃げ隠れのモノばかりだけど。


「なんでトカゲが二足歩行しているの。岩が火をふくの。兎がムキムキマッチョで棍棒を振り回しているの……」

「ピィ……」


 街の外は、人外魔境の世界でした。



「ここまで隠れて来たのは良いけど……どうやって街に帰ろう」


 木陰で休みながら、私は悩んでいた。

 そろそろログアウトの時間なので、街に帰りたいのだけど、街までの道は障害物のあまりない開けた場所が続いていて、モンスターがうろついている。

 来る時は意外と何とかなったけど、帰りは厳しいだろう。

 行きはよいよい帰りは怖い。

 まるで通りゃんせだ。


 まあ、最悪死に戻りもあるけど……所持金半分になってしまうので、出来れば取りたくない手段だ。

 なにか方法はないだろうかと、私は自分のステータスを見た。

 私には隠蔽スキルである【かくれんぼ】がある。

 ただし、スキルレベルは二。

 本当はレベル一に戻っていたんだけど、ここで一レベルアップした。


「でも、レベル二でごまかされてくれないっぽいよねえ」

「ピィ」


 うなずくレヴィの頭を撫でながら、街に続く道を観察する。

 一本道のそこには、二足歩行のトカゲが二匹うろついている。

 一匹が道の真ん中に陣取ってさえいなければ、何とかなりそうなんだけど……。


「何かで注意を逸らすことが出来たらなあ」


 悩んでも、いい方法は思いつかない。

 イチかバチかでやってみることにした。


 まず、手頃な石を拾います。

 その石を、投擲スキル【狙い撃ち】でトカゲたちのいる道の端にある木に投げつける!

 木は思ったとおり揺れて、トカゲたちの視線を集めた。


「キュギィ!?」


 驚いて木に近寄るトカゲたち。

 ーー今だ!


 私はステータスの中で素早さが一番高い。

 鍛えに鍛えたおかげか、【ダッシュ】のスキルも持っていた。


 スキル【ダッシュ】

 取得条件:一定以上の素早さがあり、ダッシュを百回以上繰り返す。

 効果:ダッシュする時、補正がかかる。


「とにかく急いで通り過ぎる!」


 単純だけど、他の方法を思いつかないんだから仕方ない。

 私は木陰から飛び出して、街へと向かった。


「ギィイイイ!」


 当然、すぐにトカゲたちに見つかり、追いかけられる。

 でも、私の方がちょっとだけ速い!


「もう少し!」


 あの曲がり角さえ抜ければーー。

 そう考えたのが悪かったのか。なんと、曲がり角から棍棒を持った兎が飛び出して来た。

 慌てて足を止めて兎との激突は免れたけど……絶対絶命のピンチだ。

 後ろからは二匹のトカゲ、前には何故かいきり立っている棍棒兎。

 ……これは死に戻り確定かな。

 諦めた私に、三匹が襲いかかる。


「おっと。危ないぜ、お嬢ちゃん」


 渋い男性の声が聞こえた次の瞬間、銃声が響いた。

 曲がり角から二人の男性がゆっくりと歩いてくる。

 二人とも若く、似たような服を着ていてーーそして、手にはなんと銃をもっていた。


「じゃん。アクアディーネ警備隊、登場ーーってね」


 金髪に茶色い帽子を被っている男性が軽い調子でそう言って、片目を閉じた。

 その様子にもう一人の、黒髪の青年が溜め息をつく。


 アクアディーネ警備隊……?


 戸惑う私の前で彼らは再び銃を構え、あっという間にモンスターを倒したのだった。


 

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