表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/17

閑話:その頃、奈緒たちは。

 ーーロゼルト皇国、西の草原。


「そっち行ったよ!」


 露草の言葉に奈緒、いや《キサラ》は杖を構えた。


「ピューネ! 風を起こして!」


 キサラの言葉に、ふわふわと宙に浮いていた風の精霊が力を発動する。

 襲いかかろうとしていた草原狼は突風にあおられ、たたらを踏んだ。

 そこへ、トオルのハンマーが重い一撃を与え。


「行きますよ! 【ファイヤーボール】!」


 ユノがとどめとばかりに魔法を放った。



 戦闘が無事に終了し、キサラ達は休憩をとっていた。

 キサラは嬉しそうに自分の精霊、ピューネを見る。


「ピューネ、よくいうことをきいてくれたね、えらい!」


 小さな丸い球の形をした精霊は、話を聞いているのかどうか、ただふよふよと宙を漂っている。

 その姿を眺め、トオルは炭酸を飲みながら言った。


「最近はけっこう命令を聞くようになってきたな」

「そうなんですよ! 最初の頃は全然いうこときいてくれなかったのに、今はきいてくれるんです!」


 嬉しい、とキサラは笑顔を浮かべる。

 エレメンタラー《精霊使い》を目指すキサラがゲットした、初めての精霊ピューネ。

 当初は全く命令を聞かず苦労したものである。


「やっぱり友好度が関係してるんじゃないかなと思うんですよね。一緒に戦闘したり、話しかけたりとか。なので、まだ皆さんには迷惑かけちゃうかも知れないですけど、これからも一緒させてくださいね」


 キサラの言葉に露草がうなずく。


「そんなの当たり前だよー。ね、ユノ」

「はい、もちろん。……ですが」


 ユノは頰を膨らませてキサラを見た。


「やっぱり敬語はやめにしませんか? わたしとキャラが被りますー」

「えー。それはちょっと、って言ってるじゃないですか。皆さんはお姉ちゃんがお世話になった方達なんだし、リアルではあたしが一番年下なんですから!」


 キサラは笑って手を振ると、トオルへと目を向けた。


「そういえばトオルさんは高三なんですよね? 受験は大丈夫なんですか?」

「ん? ああ、エスカレーター式だからな。問題ない」

「そうなんですか。いいなあー」

「まあ、成績が悪いと外部受験を薦められるけどな」

「へえー」


 他愛ない会話をしながら、のんびりと過ごし。

 ふと、ユノが呟いた。


「リンちゃん、今頃どうしてるかなー」


 とたんに、皆心配そうな顔になる。


「……あいつのことだから、また妙なことしてるかもな」

「ああー、わかる気がしますー」

「あはは。そうですね」


 トオルやユノの言葉に頷き、だがキサラは笑って言った。


「でも、意外と楽しそうですよ。この間なんて、妖精に会ったって嬉しそうに言ってました」

「へえ、妖精に? さすがリンちゃん!」

「はい、後ですねー」


 ここにはいない大切な仲間。

 彼女のことを思って皆は会話を弾ませる。


 再会までは、まだ遠い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ