第十三話
カララン、とドアベルの音が私を送り出す。
武器屋を後にして、私はほくほく顔で歩いていた。
私の手には、新しく購入したばかりの武器が握られている。
【パラライズ・ダガー】
ATCK:21 SPEED:9 DEX:10
備考:麻痺。時折、相手を麻痺状態にする。
私はスキル【見習い毒使い】を持っている。このスキルの効果は、状態異常を与えやすくなる、だ。
そんなに強い効果では無いけど、でも持っている以上活用したいわけで。
最近狩りを頑張っていたからね。
小金が貯まったので、こうして状態異常を与えることの出来る武器を買いに来たのだった。
「ピィ、ピィ」
「うんうん、いいのが買えてよかった。値段も手ごろだったしね」
ポケットの中からこっそり頭を出し、よかったね、と鳴くレヴィに笑みを浮かべる。
いい子だなあ、レヴィは。
「さて、後はポーションを少し買い足しておこうかな」
以前はポーションを自作していたけど、今はスキルが一に戻っているのでやっていない。
そのうち、とは思っているけど、のんびりでいいかな。
ようやく一人でも都の外に行けるようになった程度のステータスだから、薬草採取とかも出来てないしね。
なんてことを考えながら、魔法屋さんに足を踏み入れる。
「いらっしゃい」
店主はいつもにこにこと穏やかに微笑んでいる、小柄なおばあさんだ。
魔女なのか黒いフード姿だけど怪しげなところはない。
膝の上に白猫を乗せて、今日も優しく微笑んでいる。
ぺこりと会釈して、私は壁に並んでいる棚を眺めた。
HPポーション、MPポーションの他に色々なアイテムが置いてある。
それらを見るだけでも【鑑定】スキルが上がっていくので、買い物の度に見ることにしているのだ。
いくつかの品を眺めていると、突然レヴィがぴょこんと頭を出した。
「ピィ!」
「え? ……これが気になるの?」
レヴィが目で訴えたのは、小さな銀色のリングだった。
【ガードリング】
DEF:+2
備考:攻撃を無効化するバリアを張ることが出来る。一度使用すると一分間使用不可。
リングの効果を見て私は目を瞠った。
攻撃を無効化って……これ、すごくいい物なんじゃないかな。
「あの、すみません。このリングおいくらでしょうか?」
とりあえず値段を確かめてみると。
「はいはい。それは一万五千Cですね」
「う」
やはりお高い……。そりゃそうだよねえ。
今の手持ちは一万とちょっと。
足りないなあ、と残念な気持ちで見つめていると、おばあさんが話し掛けてきた。
「それが欲しいの?」
「あ、はい。でも、少し足りなくて。残念ですけど」
また今度、と言おうとした私に、おばあさんはじゃあ、と提案してきた。
「わたしの頼みをきいてくれたら、おまけしてあげるわよ?」
ーークエスト《魔法屋店主のお願い》が発生しました。
選択可能です。受けますか?
クエストだ!
私は久しぶりのクエスト発生に目を輝かせた。
おばあさんの頼みは品薄になっている薬草を採取してきて欲しい、というものだった。
「やります!」
場所は南門の向こう側に広がる《小さな森》。
今の私なら、まあ行けないことはない、という感じだ。
おばあさんの頼み(クエスト)を引き受けて、私は意気揚々と南門に向かったのだった。




