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第九話

 南通りの小道。

 薄暗いそこを通るのが近道、ということでリーズちゃんに案内されながら歩いていた時だ。


「ーーいやあっ!!」


 聞こえてきた幼い子供の悲鳴に、私の耳がぱっと逆立った。


「今の!」

「リーズちゃんはここにいて!」


 私はダッシュを使って悲鳴が聞こえた場所へと走る。

 曲がり角を曲がった先には、顔を覆面で隠した男が二人。小さな女の子を麻袋に入れようとしていた。


「ちっ! 見られたか。消せ!」


 男の一人がナイフを片手にこちらに向かってくる。

 だけど、遅い!


「やっ!」


 私は素早さを活かして男のすねを蹴り飛ばし、痛みにひるんだ隙にショートソードを抜きはなつ。

 男のみぞおちに剣の柄を思い切り叩き込み、一人目クリア!

 さあもう一人! と意気込んで奥の男を見たのだが。


「おっと、動くんじゃねーぞ?」


 なんと男はぐったりしている女の子にナイフを近づけ、脅してきたのだった。

 ひ、卑怯だ!

 でも、言うとおりにしないとあの子が……。


「ーーやれ」


 男の言葉に、うずくまっていたもう一人が立ち上がり、私にナイフを向ける。

 うう……、イベント失敗か……。


 せめて女の子を助けたかった、と思う私に男がナイフを振りかざす。


 ーーピィー!!


 空気を切り裂いて高い笛の音が鳴り響いたのは、その瞬間だった。


「あっちよ! 悲鳴が聞こえたの!」

「リーズちゃん!?」


 なんと、アクアヴィーネ警備隊を引き連れてやってきたのはリーズちゃんだった。


「ちっ! ずらかるぞ!」


 男達は分が悪いと感じたのか、女の子を置いて逃げ出した。

 気が抜けてしゃがみ込んだ私に、リーズちゃんが駆けよってくる。


「お姉さん! 大丈夫!?」

「ああ、リーズちゃん……。うん、ありがとう」


 本当に感謝だ。

 あのままだったら、私は死に戻りくらいで済むけど、女の子は攫われてしまっていただろう。

 大きく息を吐いて、私は保護された女の子を見た。

 まだ意識が無いのかぐったりしたままだけど、無事でよかった。


 ーーでも、あいつらはいったい……。


 アクアヴィーネ警備隊はあの男達を追ったのだが、捕まえることは出来なかったらしい。

 後日、ザックやロイドから話を聞いたところによると、女の子は無事親元に帰れたらしいので、それはよかったけど……。


 なんだかすっきりしない終わり方だった。

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