表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/17

第八話

お久しぶりです!

「郵便でーす!」


 私、リンは今日もギルドの仕事に精を出していた。

 先日、ロゼルト皇国に向かう隊商の話を聞いたばかりだからね、頑張らなきゃ!

 足取りも軽く、手紙や小包を配り終えた頃だ。


「獣人のお姉さん」


 私を呼び止めたのは、水色のミニドレス姿の女の子ーーリーズちゃんだった。


「リーズちゃん! 久しぶり、元気だった?」

「ええ、それなりに。お姉さんも元気そうでよかったわ」


 微笑むリーズちゃんは相変わらず年の割に大人びている。

 少しだけ白い髪の少年を思い浮かべながら、私はリーズちゃんに問いかけた。


「これからどこかに行くの?」

「いいえ、帰るところ。でも、その前にせっかくお姉さんに会えたのだし、この前のお礼をさせてもらえない?」

「お礼?」


 はて? と首をかしげる私に、リーズちゃんは大通りを指さす。


「クレープのお礼。好きなものを選んで。今日はわたしがご馳走してあげる」

「ええ?」


 そ、それはどうだろう?

 大人びているとはいえ、見た目十歳前後の女の子におごられるのはちょっと……。


「……ダメ?」


 断ろう、と考えたのがわかったのか、リーズちゃんがしょんぼりと肩を落とした。

 可愛い女の子が落ち込む姿は、まさに雨にうたれたお花のようで……うう。負けた。


 結局、リーズちゃんの奢りでワッフルをご馳走になったのだった。

 し、仕方ないよね、うん。


「ありがとうリーズちゃん」

「どういたしまして。ふふ」


 ご機嫌なリーズちゃんが可愛いので、まあいいことにしとこう。


 二人で広場の隅に置いてある石造りのベンチに腰掛け、ワッフルをのんびりほおばる。

 ところで、リーズちゃんって良いところのお嬢様な気がするんだけど、一人で歩いていていいんだろうか。

 さりげなく話をしたところ、いつもは大人の人と一緒らしい。


「今日はたまたまなの。だから安心して、お姉さん」

「うーん」


 安心して、と言われても……。

 なんだかフラグが立ってるような。イキイキしているような。


「……うん、私が送ったげるよ。どこいくの?」


 こんな可愛い子が一人で歩いていると思うと心配でしょうがない。

 私が提案するとリーズちゃんは大丈夫、とやんわり拒否してきたが、こっちが引かないとわかると、じゃあ、と頷いた。


「南通りの教会まで」

「教会?」

「ええ。今そちらにごやっかいになっているの」

「へえ」


 教会、かあ。

 一度も行ったことの無い場所だなあ、と思いながら、私はリーズちゃんと一緒に歩き出した。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ