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閑話 2

 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。

 ハワイ諸島オアフ島菊水総隊航空自衛隊ヒッカム航空基地のエプロンでは、航空自衛隊第10航空団第205飛行隊に所属する高居(たかい)(なお)()1等空尉と喜村義彦(きむらよしひこ)1等空尉の2人は部下2人と共にACM(空中戦闘機動)訓練を終えて、F-15J改を基地に着陸させ、地上に降りた。


 高居と喜村の乗るF-15J改は、定期検査のために定期検査専用の格納庫に収容され、機体の精密検査と電子機器等を取り外し、今までの検査以上に念入りに検査が行われる。


 そのため、1週間ぐらいは2人のF-15J改はこの格納庫から出る事は無い。


「はぁ~」


 高居は大きくため息をついた。


「どうしたの?」


 喜村が聞く。


「まったく、あいつらが十分に使えるようになったかと思ったら、また俺たちは新人の教育かよ」


 高居の愚痴に喜村は肩を竦める。


 親友の愚痴は、第10航空団第10飛行群司令の丑代(うしよ)蒼樹(あおき)1等空佐から2人が担当した経験の浅い2人のF-15J改[イーグル]ドライバーをそれなりのレベルに上げた事を認められると、今度はF-15J改隊である第205飛行隊24機編成をさらに増やし、30機編成にする話を聞かされた。


 配属される6人のパイロットのうち4人は、F-15DJからようやく1人でF-15J改を操縦できるようになったレベルの新米パイロットだ。


 タイムスリップ前まで飛行幹部候補生だったそうだ。


 不測の事態に備えて航空自衛隊でも予備部隊は存在する。


「お、来た、来た」


 喜村が高居の愚痴を軽く流し、F-15J改のジェットエンジン音が響き、顔を上げた。


 高居も顔を上げると、6機のF-15J改が着陸コースを取っていた。


 そのまま、1機ずつ着陸する。


「最初の2機は問題ないな。予備飛行隊の連中だから、経験者も操縦技術は心配だったが、これなら整備員として、毎日ヒヤヒヤしなくていい」


 第10航空団第10整備群のF-15J改のベテラン整備員である整備士歴25年の空曹長が油の臭いを出しながら、つぶやいた。


 高居と喜村は元教導飛行隊のパイロットとして、新米が操縦するF-15J改の着陸をしっかり見る。


「まあ、合格点は出せるね」


「アメリカ軍が本気でこの島を奪還しに来ればここは激戦地になる。短い時間であいつらを第一線でも戦えるようにしなくてはならない」


 喜村と高居は指導係らしく新入りたちを評価するのとある程度の訓練プログラムを考える。


 灰色の作業服を着た空自の誘導員たちに誘導され、6機のF-15J改がエプロンに駐機した。


 6機のF-15J改のキャノピーが上がり、パイロットたちが姿を現した。


「新入りが到着か?」


 高居や喜村以外の同僚たち数人が集まり、1人の2等空尉がつぶやく。


「「「!」」」


 高居や喜村を含めて集まったパイロットたちは新入りを見て驚いた。


 6人中2人は女性だった。


「たしか空自は2018年に戦闘機と偵察機のパイロットに女性を受け入れる話はあったけど、菊水総隊航空自衛隊の戦闘機部隊に女性パイロットがいるなんて聞いてないぞ」


 2尉が驚いた口調でつぶやいた。


「直哉。聞いていたか?」


 喜村が聞く。


「いや、俺も驚いている」


 高居もつぶやく。


 2等空尉の階級章をつけた、セミロングの髪のフライトスーツを着た、女性の平均身長よりも高い(高居より5センチぐらい背が高い)女性自衛官が5人のパイロットを整列させて挙手の敬礼をした。


中川(なかがわ)リン2等空尉以下5名、菊水総隊航空自衛隊航空予備混成団第0航空団第01飛行隊より、第10航空団第205飛行隊に異動する辞令を受け、本日着任しました」


 高居と喜村たち第205飛行隊の一部パイロットたちも答礼する。


「菊水総隊航空自衛隊第10航空団第205飛行隊の高居直哉1等空尉だ。ようこそ、ヒッカム航空基地へ」


「航空団司令と飛行群司令は司令部だ。着任の挨拶の後、パイロット待機室に顔を見せてくれ」


 喜村が手を下ろしながら、告げた。


「はい。え~と」


 中川はキョロキョロ首を回す。


「司令部はあっちだ」


 喜村が司令部庁舎を指差す。


「ありがとうございます」


 中川が新入りたちを連れて、司令部庁舎に向かう。


「さて、俺たちもパイロット待機室でくつろぐか」


 集まった面々がそう言いながら、踵を返す。


 高居も喜村も同じく同僚たちの後を追う。


「あ、あの!」


 背後から声をかけられた。


「?」


 高居が振り返ると、フライトスーツを着たもう1人の女性自衛官が立っていた。


「どうした?」


「航空自衛隊アグレッサー部隊のパイロットだった高居直哉1尉ですよね」


 自分より少し背が低い彼女が尋ねた。


「元アグレッサー部隊のパイロットだ」


「やっぱり、そうでしたか、あっ!」


 彼女は挙手の敬礼をした。


「失礼しました。伊倉名波(いくらななみ)3等空尉。貴方の熱心な励ましのおかげでF-15J改[イーグル]ドライバーになれました。あの時はお世話になりました」


「???」


 そんな事あったか?答礼しながら、高居は首を傾げていた。


 結局、伊倉の事を思い出すのはしばらく経ってからだった。

 閑話2お読みいただき、ありがとうございます。

 誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。

 次回から第5部に入りますが、その前に第5部の予告としてプロローグを本日の20時に投稿いたします。

 第5部の序章の投稿は7月19日を予定しています。

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