策動の太平洋 第13章 追憶
みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れさまです。
ニューブリテン島で連合軍と大日本帝国陸海軍、陸海空自衛隊との激戦が終わった後、聯合艦隊旗艦兼第1艦隊旗艦戦艦[大和]はラバウル要港部に錨を降ろした。
要港部には近海防備と哨戒のために、哨戒艇と水雷艇が、それぞれ1個隊停泊しており、さらに周辺海域と周辺空域の警戒と哨戒のために水上機と大型飛行艇が配備されている。
沿海駆逐艦や沿海潜水艦はトラック諸島とニューブリテン島との中間に位置する島を軍港と補給機能を整備した軍港に配備している。
ちなみにその島には陸海軍と航空予備軍の通信基地があり、通信傍受から本国への直通通信まで可能だ。
ラバウル要港部管理の内火艇が差し向けられて、[大和]に乗艦する山本以下一部の幕僚が乗り込んだ。
幕僚の中には石垣、メリッサ、側瀬の3人もいる。
激戦が行われたばかりなので、山本以下随行員たちは大日本帝国海軍陸戦服と防弾衣を着込んでいる。
石垣と側瀬は、青を基調したデジタル迷彩服に黒色の鉄帽と黒色の防弾チョッキを装備している。
メリッサは、UCPと呼ばれているデジタル迷彩服と同迷彩の同じ防弾装備姿である。
大日本帝国海軍の護衛要員とその他の上陸者たちは、大日本帝国軍及びその他の準軍事組織等に配備された壱式自動拳銃を携帯している。
壱式自動拳銃は、陸上自衛隊の前身である警察予備隊時代からアメリカ軍に供与された11.4ミリ拳銃の後継として開発された国産拳銃のM57Aをそのまま名称を変えて調達した自動拳銃だ。
M57Aは11.4ミリ拳銃の後継拳銃になるはずだったが、P220をライセンス生産した9ミリ拳銃に敗れた。
しかし、M57Aのデータと試作品等はまだ存在し、それを大日本帝国の軍及び警察機関等に提供し、壱式自動拳銃として採用された。
石垣と側瀬は、どちらも護衛艦付立入検査隊と海援隊の資格を有するため、装備は9ミリ拳銃、警棒等の装備と9ミリ機関拳銃を肩にかけている。
「しかし、会戦も終わったと言うのに、ここまでの警護態勢を敷く必要があるのか?」
山本が護衛要員たちの武装を見て、言った。
彼らは第1艦隊に配備されている、64式7.62ミリ小銃改Ⅰ型で武装している。
「長官。いくら戦いが終わっても、ここは最前線です。長官にもしもの事があってはなりません」
石垣が発言した。
「石垣君の意見は聞くところはあるが、これはかなり大袈裟ではないか?」
山本は、どうしてもこのような警護態勢が納得いかないようだ。
史実でも山本五十六は、前線視察や軍病院に搬送された傷病兵たちの見舞いに行った際も護衛戦闘機や警護要員は申し訳程度であり、まるで自分が戦死した際に他に類が及ばないようにしたと思われる警護又は護衛態勢だった。
「提督。このぐらいが丁度いいのです。将兵たちの労を労う際に命を落とされては全軍の士気にかかわります。すでに戦争状態である以上、軍の最高幹部が任期以外で、戦死であれ負傷であれ、この世から去ったり、長期間軍部に復帰できなければ全軍の士気に影響するだけでは無く、一時的にその職務が機能停止します。いかに交代要員がしっかりしていてもその隙を敵は絶対に見逃しません。不快に思うかもしれませんが、今はこのような対応する事をご理解ください」
メリッサが助け舟を出した。
「そ、そうか、ならば仕方ない・・・」
山本はしぶしぶうなずいた。
石垣はメリッサと歩調を合わせて、小声で尋ねた。
「ケッツアーヘル少尉。どうやって山本長官を納得させられたのですか?」
「簡単な事よ。提督は将兵たちが危険な戦場にいるのに自分は、安全なところからその奮闘する姿を見る事しかできない。だから、自分が出向く時に自分だけ安全が保障されるのに抵抗を感じているのよ。それなら、正論による説明では無く、下の立場から私的な意見で具申すれば納得していただけるわ」
メリッサは簡単に説明した。
山本以下視察団は、陸海軍と菊水総隊陸上自衛隊第1戦闘団の指揮官と幕僚たちが作戦から訓練等の会議を行う地下合同会議所に出向き、これまでの戦闘報告と被害状況、新防衛戦術についての成果報告がされた。
その後、山本の判断で連合軍と陸海軍、陸上自衛隊が激戦を行った地域で、戦死した連合軍将兵たちを、一緒に弔ってほしいと、メリッサに頼んだ。
彼女は2つ返事で承諾した。
アメリカ海兵隊の将兵、オーストラリア陸軍の将兵、ニュージーランド陸軍の将兵たちが遺体袋に収容され、1人1人が丁重に埋葬されていた。
連合軍将兵たちを埋葬している地区は激戦地からかなり離れた後方であり、激戦地周辺では現在も陸軍のニューブリテン島警備団、海軍のニューブリテン島陸戦隊、菊水総隊陸上自衛隊第1戦闘団が完全装備で退却できずに、どこかに潜んでいる連合軍の残存将兵の捜索を行っている。
そのため、この地区の警備態勢は申し訳程度にしか行われていない。
だから、1人のアメリカ海兵隊の兵士が近くに潜んでいる事に、気づけなかった。
「く・・・スペース・アグレッサーめ、今に見ていろよ」
彼が言ったスペース・アグレッサーとは、自衛隊の存在を初めて認識したフィリピン方面での戦いで名付けられた名称だ。
彼らの軍装は簡単に見分けがつくため、日本軍なのか、スペース・アグレッサーなのかはわかる。
スペース・アグレッサーと確実に認識できる日本人にしては、背が高い青を基調した海に溶け込むような服装をした男が彼の視界に入った。
「兄貴、みんな、必ず仇をとってやるからな」
彼が所属していた小隊は、スペース・アグレッサーの重戦車部隊の攻撃で全滅した。
さらにその前には、彼の兄は空母[エンタープライズ]の機関士であり、恐るべき超兵器とも言える謎のロケット弾攻撃で撃沈され、兄は艦と共に沈んだ。
必ず、殺してやる!彼は心の中でそう叫び、腰に携帯していた銃剣を抜いた。
彼が装備していたM1[ガーラント]は戦闘中にどこかに落としてしまった。
だから、彼の武器はM1[ガーラント]の銃口に装着する銃剣しかない。
愚かにもその男は、ゆっくりとこちらに歩いてくる。
(焦るな、焦るな・・・今だ!)
その男がある程度まで近づいた時、彼は最後の力を振り絞って、隠れ場所から飛び出した。
「え!?」
青を基調した軍服を着た、スペース・アグレッサー兵は驚いた。
石垣は意味も無く、辺りを動き回り、人の背丈ぐらいはある茂みの前まで移動すると、突然、1人のアメリカ兵がナイフを持って現れた。
「え!?」
突然の攻撃に、石垣はまったく反応できなかった。
そして、愚かにも9ミリ機関拳銃の安全装置を解除し、襲撃者に向けた。
近接戦闘では、銃よりもナイフや格闘戦の方が有利である。
至近距離での射撃は、ナイフ等の刃物を持った熟練者にはリスクが高すぎる。
突発的であり、もっとも殺傷力のある刃物が目に入ったため、石垣は9ミリ機関拳銃の引き金を引き、発砲した。
しかし、このような場合、実戦経験の無い者では、命中させるのは不可能だし、この時、石垣は気づいていないが、自分を襲ってきたアメリカ海兵隊の兵士は恐慌状態であり、たとえ、命中しても急所に弾丸を撃ち込まない限り、自己の安全は確保できない。
石垣が発砲した9ミリ機関拳銃は至近距離でもあったにもかかわらず、命中せず、ナイフを持った海兵の攻撃をまともに食らった。
銃を構えている兵士程無防備な兵士はいない。
アフリカの某地域でアメリカ軍やNATO軍等と現在でも戦っているテログループが新兵教育をする際に教えているスローガンである。
石垣は、自分と同じ背丈のアメリカ海兵に体当たりをまともに受けて地面に倒れ、その兵士はのしかかると、ナイフを両手で握り、振り下ろした。
ナイフの刃先が、石垣の首元を貫こうとする寸前に男は突然吹っ飛ばされた。
「え?」
石垣は状況がつかめず、ただ、その場で倒れたままだった。
もっとも屈強で、もっとも過酷な訓練を行う、アメリカ海兵隊の兵士を吹っ飛ばしたのはメリッサだった。
突然の攻撃に誰も対応できなかった、側瀬を含む護衛の海軍陸戦隊の兵士たちより先に身体が反射的に動き、彼女の骨髄まで身に付いた事が当たり前のようにアメリカ海兵隊の兵士を吹き飛ばした。
だが、吹き飛ばされたアメリカ海兵はまるで痛みを感じていないのか、すぐに立ち上がり、今度はメリッサに襲い掛かる。
だが、彼女はアメリカ海兵の目を見逃さなかった。
海兵がナイフによる攻撃を行うが、メリッサはそれらの攻撃をぎりぎりで簡単にかわした。
そして、足払いをかけ、ナイフを持った海兵の動きを止めると、強烈な蹴りを海兵の胸部に直撃させ、絶命させた。
メリッサは、石垣に振り返った。
「まだ、生きているわね」
「あ、ああ」
石垣は身体を起こし、弱い口調でつぶやいた。
すると、メリッサはきっとした目つきで側瀬と護衛の海軍陸戦隊の兵士たちを睨んだ。
「そんなところで傍観していないで、さっさと自分の仕事をしなさい!もし、今の状況が山本提督だったら、どうする訳!?ここは安全な場所だと報告を受けたから、敵兵がいると思わず、対応できなかった。とでも言うつもりなの!!」
メリッサに怒鳴られて、側瀬や護衛の海軍陸戦隊の兵士たちは慌てて、襲撃者に備えた態勢をとった。
夕刻。
夕食の後、[やまと]の喫煙室で石垣は1人ボンヤリしていた。
ここは、利用者がほとんどいないので、考え事をするにはもってこいなのだ。
埋葬地での襲撃の後、新しい遺体袋を前に石垣は呆然としたまま動けなかった。
襲撃してきたアメリカ兵の凄まじい殺気に、金縛りにされたようだった。
「ふう~」
「だから、何度も言っているだろう。ため息をつくと運が逃げると」
「うぎゃあぁぁぁぁ!!!」
「お約束のように、毎回驚くな。君は」
やれやれという感じで、御堂が立っていた。
「毎回、心臓に悪い登場をしないでください」
思わず、文句を言った。
「ボケッとしている君に、問題があると思うが?」
御堂の正論に、反論を封じられた。
「・・・・・・」
「まあいい。それより災難だったが、メリィには礼を言ったのか?」
「あ・・・」
「だと思った。今からでも、ちゃんと礼を言いに行ってこい」
「・・・・・・」
確かにそれはそうだ。
「ケッツァーヘル少尉は、どこですか?」
「多分、女性居住区の談話室だろうな」
「・・・私に営倉に入れと?」
規則で男性は女性の居住区に立ち入る事はできない。
[大和]の艦内は、とにかく広い。
うっかり迷子になった新兵が、女性居住区に迷い込み、そのまま営倉に直行したのを見たことがある。
「安心しろ。艦長と宇垣参謀長には、キチンと許可を取ってある。また叱られる事はない」
「またって何ですか、またって?叱られた覚えはありませんが?」
「山本長官は君にとっては優しい祖父のつもりらしい。宇垣参謀長と黒島大佐は出来の悪い孫を厳しく教育する祖父になるつもりらしい。本当は君の実の祖父にあたる陸軍中尉に喝を入れさせようと思ったそうだが、君と年齢が同じでは無理という結論が出たらしい」
「・・・・・・」
何か、自分の知らない所で勝手に変な事になっているらしい。
いつの間にか、祖父(実、及び自称)の人数が増えているのは気のせいか?
石垣は、考えない事にした。
「さあ、行くぞ」
「わわわ!引っ張らないでください」
ほとんど、引きずられるように石垣は女性居住区へ連行された。
女性居住区の談話室では、側瀬と数人の帝国海軍の女性士官候補生がお喋りをしていた。
「側瀬少尉、専守防衛とはどう解釈すればよろしいのでしょうか?」
「う~んと、簡単に言えばドカンと攻撃されたら、ボカンと反撃するって事」
いや、意味は間違っていないが、簡単にし過ぎだろう。
それに、ドカンとかボカンとか擬音は必要ないだろう。
石垣は心の中で突っ込みを入れた。
「あっ、御堂1佐。石垣2尉まで」
2人に気がついた、側瀬が慌てて立ち上がり敬礼する。
士官候補生たちも続くように、敬礼する。
「今はプライベートだ、堅苦しくならないでいい」
答礼しながら、御堂はそう告げた。
「ところで、どうして石垣2尉がここにいるのですか?ま・・・まさか・・・夜這い?」
「「「きゃあぁぁぁ!!」」」
妙に楽しそうな、悲鳴をあげる候補生たち。
「違う!!!断じて違う!!!」
なぜか条件反射で、全力否定してしまう石垣。
「な~んて、ね」
ペロッと舌を出して、笑う側瀬に石垣は心の中で、グーパンチを握り締める。
クスクスと笑っている士官候補生の様子から、皆で石垣をからかったのだろう。
ただ、側瀬にせよ士官候補生にせよ、初めての実戦を経験したのだ。
その緊張感は、直接実戦に参加しなかったとしても、計り知れないものがある。
軽い悪ふざけも精神安定に必要かも知れない。
「それより、メェメェに会いに来たんじゃないのですか?昼間の事で・・・」
因みにメェメェとは、側瀬が私的な場でメリッサをそう呼んでいるのだ。
当のメリッサは、この呼称に「私はヤギ?」と苦言を述べていたが、特に訂正はしなかった。
初対面の時に、男顔負けの大喧嘩をやらかした2人だが、女性でも喧嘩の後に友情が芽生えるのか、少なくとも石垣よりは仲が良い。
メリッサも側瀬の事を「ミユキ」と呼んでいる。
それはさておき。
「私が許可するから、メリィの部屋に行ってこい」
「はあ・・・」
御堂に促されたものの、今一つ腰の引けている石垣に、側瀬が声援を送る。
「石垣2尉、メェメェにヘンな事しちゃダメですよ」
「・・・俺に死ねと?」
士官候補生たちも、期待の眼差しを石垣に送る(何を期待しているかは不明)。
げに、恐ろしきは女の園である。
[大和]型戦艦の居住性は、他の戦艦等に比べれば、かなり余裕があるが指揮官クラスを除けば、個室は無い。
もっとも、それは自衛隊の護衛艦でも同じだが。
「ケッツァーヘル少尉、石垣です」
ドアをノックして声をかける。
「どうぞ」
「失礼します」
メリッサの声に、ドアを開けた。
男性居住区と同じように、いくつかの2段ベットが並んでいるのが目に入った。
その1つに腰掛けたメリッサは、手の持ったファイルに視線を落としたままだった。
「何か用?」
「・・・昼間は、ありがとうございました」
「そんなところに立っていないで中に入ったら?」
「いや、女性の部屋に入るのは・・・」
完全に入り口で固まっている、石垣を見てメリッサはため息をついて立ち上がった。
「あっ」
ファイルに挟まっていたらしい1枚の紙片が石垣の側に落ちた。
「!?」
拾い上げようと腰を屈めた石垣の目に、紙片に書かれた文字が飛び込んできた。
『人殺し、私の息子を返せ』
それには、手書きでそう書かれていた。
「人の私物を見るなんて、良い趣味ね」
強い口調で言いながら、メリッサは乱暴に紙片を拾い上げた。
「す・・・すみません」
「・・・出て行って」
「・・・あの・・・」
「出て行ってと、言っているでしょう!!」
強い口調でそう言いながら、メリッサは石垣を押しだし、バタンとドアを閉めた。
「・・・・・・」
石垣は無言で、閉じられたドアを眺めるしかできなかった。
「・・・わざとではないのですが、申し訳ありません」
ドアに向かって、石垣は頭を下げた。
ガチャッという音とともにドアが開けられたが、タイミングが悪かった。
ガンッ!!という音とともに、目の前に火花が散った。
「・・・!・・・!!・・・!!」
声にならない声を出して、石垣は頭を押さえてうずくまった。
「・・・・・・」
まさかの出来事に、メリッサも呆気にとられていた。
「徹底的にジョークには手を抜かない人ね。貴方って・・・」
「・・・冗談に見えますか・・・?」
涙目になりながら、石垣はメリッサを見上げた。
「・・・私も少し大人気なかったわ。ごめんなさい」
謝りながら、メリッサは手を差し出して、石垣が立ち上がるのを助けた。
「昼間、貴方を襲った兵士の目を見た時に、思い出したの・・・私が士官学校を卒業してすぐに、配属されたレンジャー部隊での初任務の事を・・・私が小隊長を務めた小隊は、ある戦場で民間人の救出作戦を実行していたわ。その時交戦状態になった武装勢力の兵士が、あの兵士と同じ目をしていた・・・」
「・・・・・・」
「さっきの手紙は、その時の戦闘で戦死した私の部下の母親のものよ。作戦は成功して、私たちは、民間人を安全な場所に移送する事ができた」
「何人の人を救えたのですか?」
「18人よ」
「え?」
意外に少ない。そう思った。
「・・・この作戦で、戦死した部下の人数と私の指揮下に入った現地民兵。上層部は最小の犠牲で、最大の成果を上げたと発表したけど、どこが?私は、部下を助けられなかった・・・それなのに・・・」
「どのくらいの敵の攻撃を受けたのですか?」
「敵勢力は300人以上、対する私たちは、34人のレンジャー兵と現地民兵22名で小火器のみの武装、まあ、携帯式対装甲車両火器があったぐらいよ。戦車から携帯式対戦車ロケット、おまけに対空高射砲まであるから、航空支援は却下されたわ」
「ですが、それだけの攻勢を受けて、航空支援も無い状況下なら、味方に犠牲が出ない戦闘は不可能では?」
「貴方は本当にわかっていない。指揮官の任務は、1人でも多くの部下を家族の元に返す事よ。それが出来なかった私は、罵倒されても仕方がない。と言っても、今の貴方にはわからないわね。コンピューターを相手に、仮想の敵としか戦った事がないのでしょう。現実の戦場に立てば、私の言う意味がわかるわ。昨日まで部下たちが遠い外国の戦地から、祖国に帰る話を毎日聞いて、今日の戦場で命を落とす」
「・・・・・・」
メリッサの言葉に、石垣は何も答えることができなかった。
「1つ付け加えておくわ。その手紙を送った母親の息子は戦死した日の翌日に帰国し、除隊するはずだったの。除隊後は軍の補償金で大学に入学し、教師になるはずだったのよ。大学の入学試験も優秀な成績で合格していたわ」
想像もつかない、戦場の現実に石垣は言葉を失った。
策動の太平洋 第13章をお読みいただきありがとうございます。
誤字脱字があったと思いますがご了承ください。
ちょっとした操作ミスにより、79話が1日早く投稿されてしまいました。そのため、残りの3話も投稿します。申し訳ありませんでした。
4話お読みいただきお疲れさまでした。なぜ、4話になったかと言いますと本来はこの全話が第10章でした。しかし、とんでもなく長くなりまして、可能な限り縮めしましたが、それでも4話分になりました。
次回は策動の太平洋の終章、番外編、閑話になります。投稿予定日は7月12日を予定しています。




