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Sforza・zero~スフォルツァ・ゼロ~

作者: 黒主零

本作→α→本編→???

            ???

・ここは何の変哲もないある中学校。

桝藤灯ますふじあかりという15歳の少年と辻原泪つじはらなみだという少女がいた。

二人は小学校時代からの幼馴染だ。

「もうそろそろ受験か。泪はどうするんだ?高校は。」

「灯は?私は灯の行くところに行きたいの。」

「おいおい、まあそのほうが嬉しいんだけどさ。」

こんな感じに他愛ない話をする仲だ。

二人は部室であるものを作っていた。

それは、現実世界とは別のバーチャル世界を作るものだ。

皆が受験を終えて卒業式前のパーティに出す予定だ。

バーチャルの世界をゲームのように冒険できる{フォルテ}という装置だ。

二人はこの装置を作れるほどの頭脳を評価されて

その方面の高校への推薦状が来ている。

「与えられた道に素直に従うっていうのも俺はどうかと思うんだよな。」

「道は勝ち取るものってこと?」

「そうだ。けど、泪。

お前がそういうのあまり好きじゃないって言うなら俺は・・・・。」

「私は・・・・」

「あぁー、おい桝藤辻原。

仲睦まじく将来について話すのはいいが今は授業中だぞ?」

「え?あ、すみません!」

二人が赤面して謝る。

「全く何してんだか。」

隣に座っていた山本があきれる。

放課後。

二人はフォルテの完成を急いだ。

結果、試作品が完成した。

「じゃ、俺達で試しにやってみるか。」「うん。」

二人はフォルテを使用してバーチャル世界の中に行く。

そこは二人が望んだ世界。

「灯、私・・・」

「言わなくてもわかってるさ、この世界なら。」

この世界ならどんなことも叶う。

痛みも悲しみもない天国のような世界。

その世界で二人は楽しく過ごす。

「いい世界だな。」

「うん。でも、もう少し面白くしない?」

「面白く?」

「そう。最初のコンセプトである冒険をやってみない?

何か一つ特殊能力を与えてから悪い魔王を倒しに行く。

そして魔王を倒せたら何か一つ願い事がかなうっていう感じで。」

「なるほど。面白そうだな。確かにこの世界なら痛みとかも感じないから

安全だし。いいんじゃないのか?」

「そうね。やってみましょう。」

二人は一度バーチャルの世界から元の世界に戻る。

そして改良を重ねていく。

「このフォルテは俺たちの夢だな。」

「え?」

「このフォルテの世界ならどんな夢でも叶う。

けど使い方を間違えてしまえば・・・・。」

「・・・うん。

フォルテはまだ不安定だからもしかしたら現実世界に干渉してしまうかもしれない。

・・けれど、」

「ん?」

「・・・子宮のない私でも、もしかしたら・・・・」

「・・・そのことは、もう・・・・」

「・・・ごめん。」

二人がうつむきながら作業をしていく。

それから数日が過ぎた。

フォルテはだいぶ完成していた。

「後は、内部での作業だな。」「うん。」

二人はフォルテの中に入る。

「さて、作業を始めるぞ。・・・ってどうした?」

「・・・うん。やっぱりここでなら私でも子供が産めるかもしれない…!」

「泪・・・、けどここで産めたとしてもそれは・・・・」

「わかってる!・・・けど、残したいもん・・・。」

「・・・わかった。」

そして二人はバーチャルの中で一夜を過ごした。

だが、結局泪の腹に命は宿らなかった。

「・・・・・・」

「あまり落ち込むなよ、泪。

さすがに命を作るなんてことはできないさ。

作業を進めよう、泪。」

「・・・うん。」

二人が作業を進め、フォルテの世界は順調に完成していく。

さすがに現実世界でどんな願いでも叶うのは不可能だから

魔王を倒せたものにはフォルテの世界の中で

ほかのプレイヤーや世界に迷惑のかからない程度に願いの叶う制度にした。

「この調子なら卒業までに間に合うな。」

「うん。」

「…さて、そろそろ帰るか?」

「あ、私まだちょっと作業あるから先に帰ってていいよ。」

「ん?そうか?じゃ、バイク取りに行くか。」

「バイク?ああ、隠してるやつね。」

「ああ。さすがに中学生でバイクだとばれたら大変だからな。

バイク取ったらいつものコンビニで待ってるぞ。」

「うん。」

灯が元の世界に戻る。

「・・・ちゃんと、作業しないと!」

泪がつぶやきながら作業をしている。

と、泪の前に影が現れた。

「え?これってフォルテのメインプログラム…!?」

「・・・プレイヤーの願いを確認。これより実行に移します。」

「え!?ま、待って!フォルテ!どういうこと!?」

泪が確認するが、フォルテは答えない。

「ん?」

灯がコンビニ前にバイクを止めて何かに気づく。

「・・何か嫌な予感がする。なんだ?この感覚は・・・?」

灯が学校まで向かう。

そして校門をくぐり抜けたところでいやな予感は的中した。

「学校が燃えている・・・!?」

灯が校舎内に入る。

「泪はまだあの部屋にいるはずだ!早く助けないと・・・!」

灯が走る。だがその前に山本がたった。

「山本!?」

「灯、俺は力を手に入れたんだ・・・。こんな学校なんて燃えちまえばいいんだ。

だから俺はこの学校を燃やしつくせるだけの力を願いに炎を得たんだ!」

「お前、何を言って・・・・!?まさか!フォルテか!?」

灯が気づく。

山本が軽く手を振るうと、壁から炎が噴きあがる。

「うあああああああああああ!!!」

灯はあわててかわす。

「・・しょ、消火器は・・・!」

灯は消火器を取って火を消していく。

「甘いぞ!灯!」

山本は廊下をマグマのように溶かす。

「あつっ!?熱い!?うわっ!上履きが溶けていく・・・!?」

灯は蛇口をひねって廊下を冷やそうとするが文字通り焼け石に水。

「このままじゃ・・・!」

灯は廊下を走っていく。

「いい手だ…!だけど俺の邪魔をするならお前も消し炭にしてやる!」

山本は天井を溶かして上の階を崩落させていく。

「お前も生き埋めになるつもりかよ!?」

叫ぶ灯。その灯の前に光る何かが出現した。

「これは、カギ・・・・?」

「私はカギ。あなたはマスターのため無条件で能力を得ることができます。」

「能力・・・?まさかお前が山本にあの力を!?」

「肯定。」

「今すぐ山本から能力を取り上げろ!」

「御意。」

鍵が答えると、山本はその能力を失う。

「あれ?どうしたんだよ!?おい!どうして炎が出ないんだよ!?」

「・・・成功したようだな。おい、学校を元に戻せるか!?」

「不可能。」

「・・・ちっ。泪は無事か?」

「もう一人のマスターなら校内にいます。」

「なに!?バーチャル世界じゃないのか!?」

「肯定。」

「俺を泪の場所へ送ってくれ。」

「御意。」

鍵は光ると、灯の体が輝き次の瞬間には目前に涙がいた。

「泪!」

「灯!」

「いったいなにがあったんだ!?

どうしてフォルテの力が現実世界まで及んでいるんだ!?」

「・・・ごめん・・・。私が、無意識に思っちゃったんだ・・・。

どうして現実はこんなに厳しいんだろう。

どうしてわたしは灯の子を産めないのだろうって・・・。

その思いを願いだと勘違いしたフォルテは、

現実を壊すためにあの鍵を現実世界に送ったのよ。」

「あの鍵か・・・!そういえばどこに行ったんだ・・・?」

「鍵に会ったの・・・?私は・・けほっ!けほっ!」

「泪!?・・・少し煙を吸いすぎたか・・!ここもそろそろヤバいな。

・・・この炎ならフォルテも壊れるだろうな、きっと。」

灯は泪を背負ったまま校舎から離れた。

・学校はすぐ消防車が来て火事は消し止められた。

幸い死傷者はほとんどいなかったそうだ。

「泪、大丈夫か?」「うん・・・私は平気。」

泪は灯の部屋で横になっている。

少し煙を吸いすぎただけで特に怪我もない。

「学校は・・・?」

「すぐに消防車が来て火は消し止められたよ。けが人はほとんどいないってさ。」

「・・よかった・・・。」

「たぶんあの日じゃフォルテも・・・」

「・・・ごめんね。私のせいで二人の夢が・・・」

「・・・いいさ。壊れたらまた作りなおせばいいんだ。」

灯が言う。

翌日。

授業はないが、集会はあった。

山本の姿はなかった。

なお、火災の原因は不明となっていた。

「なんとかフォルテのことは気づかれなかったか。」

灯がつぶやく。

集会が終わり、先生からフォルテの具合を見てきてもいいと言われ二人はフォルテのほうへと向かった。

先生たちにはフォルテは進学のために必要な機械と説明してある。

二人は研究室に向かう。

このあたりは特に炎がひどかったらしく、床にもいくつか穴が開いていた。

二人が研究室に入る。

だがそこにフォルテ装置はなかった。

「え!?ない!?」

「そんな!?昨日は確かにあったのに…!」

「・・・誰かに盗まれたのか!?だとしたらまずい!

もし壊れていないで誰かに盗まれていたらあの力でまた昨日のようなことが起きるかもしれない…!」

灯が推測する。

同時に体育館のほうで爆発が起きた。

「いきなりか!」

二人が体育館のほうに向かう。

と、向かっている最中に放送が鳴った。

「聞こえているかな?俺は山本泰司。3年3組31番の山本だ。

体育館の爆砕は見ただろう!?俺は自由に物体を爆破出来る。

職員ども!俺を志望校に推薦しろ!さもなくば次は校庭を爆破する!

その5分後には職員室を爆破するぞ!」

山本が放送で話す。

「・・・あいつだ・・・!また別の能力をフォルテから借りたのか…!

行こう!放送室だ!フォルテを取り戻さないといけない!」

二人が放送室に走る。

「・・・近づく奴がいるな。廊下をやるか。」

山本が言うと、

二人が走る廊下が次々と爆発していく。

「ぐうううう!!」「きゃああああ!!」

二人は爆発に巻き込まれないように走る。

灯は携帯で山本に連絡する。

「灯か?何か用か?」

「今俺は校長から推薦状を持たされてそっちに向かっている!爆発をやめてくれ!」

「・・・いいだろう。そのままお前だけで放送室に来い。」

灯は携帯を閉じる。

「泪はここで待っていてくれ。」

「・・・必ず戻ってきてね。」

「・・・ああ。」

灯が放送室に向かう。

放送室。

「よく来たな、灯。」「山本、フォルテはどこだ?」

「フォルテ?ああ、あの機械か。」

「あれは俺たちのものなんだ。

もし、返してくれるならフォルテの力で望みを一つかなえていい。」

「・・・あの機械にはそこまでの力があったのか。」

「・・・過去形?まさかもう壊したのか!?」

「いや、まだだ。だが、この学校の地下に置いてある。爆弾付きでな。」

「貴様!」

「さて、どうせ嘘だろうが推薦状はあるのか?」

「あるさ、これだろう?」

灯が一枚のプリントを出す。

「・・・本物か・・・。」

山本が驚いてみる。

そしてその瞬間に灯がいすを持ち上げて山本の頭にたたきつける。

「ぐっ!?」

山本はそのまま地面に倒れた。

「・・・・念のためにまだだ!」

灯は何度も椅子で山本の頭を殴り続ける。

床に山本の血液が流れ出す。

「・・・やったか。あとはフォルテを見つけて・・・・」

「・・・さ・・・せ・・・るか・・・」

「!?」

「俺はもう死ぬだろうが、一人では死なんぞ!」

そう言って山本は笑い、ある場所を爆発させた。

「ここを爆発か!?・・・・何も起きない・・・?」

灯が静かに周りを見る。

が。校内を衝撃が走る。

「爆発!?いったいどこを爆発させたんだ!?フォルテか!?」

「くくく・・・・、お前の大事なものさ・・・。

ふはははははははははははは!!!!アーッハッハッハッハハハハハハハハ!!!」

山本は高笑いをする。

「大事なもの・・・?まさか!泪!?」

灯は急いで泪のいたところへ走る。

「・・・無事でいてくれよ、泪…!」

そう祈り走る灯。

だが、灯が見たものはさっき泪と別れた場所が炎に包まれている光景だった。

「泪・・・・・泪ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!いたら返事をしてくれ!泪!!!」

灯が叫ぶ。

と、炎の中から小さな声が聞こえた。

「泪…!?」

灯がその声の方向に行く。

そこには泪が倒れていた。

「・・・あか・・・り・・・」

「泪!しっかりしろ!泪!」

泪は爆発の影響か下半身が吹き飛んでいた。

「ごめんね・・・これでもう夜の相手もできないや・・・・」

「泪・・・泪・・・・!!」

「ねえ・・・灯・・・」

「なんだ・・・?」

「私のお願いを聞いて・・・・。」

「・・・・ああ。」

「・・私たちの夢を狂わせないで・・・。フォルテを止めて・・・・。」

「・・・わかってる・・・」

「それから・・・・私とキス・・・して・・・・」

「・・・言われなくたって!」

二人は唇を交わす。

「・・・最後に一つ・・・・。私の分まで幸せに生きて・・・ね・・・」

「・・・泪・・・・泪ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

叫ぶ灯の腕の中で泪は涙して息を引き取った。

同時に校舎内で戦乱が起きる。

フォルテの力が暴走し、校舎中にカギが出現した。

「・・・止めないといけない・・・・。フォルテを!」

灯は校舎の外へと走る。

そしてすぐ近くに止めてあったバイクに乗る。

ヘルメットをして、金属バットを持ってアクセルを強く踏む。

「泪、最初の約束は果たす。だけど生きて帰ってこれるかは分からない。

だが俺は命を賭けてでもフォルテを、俺たちの夢を止めてみせる!!」

灯が叫び、バイクは学校向けて走り出した。

炎に包まれる校舎。

「俺の願いをきいてくれ!俺は金持ちになりたいんだ!」

「私の願いは、あの人に振り向いてもらいたい!」

「僕は、もっと女の子にもてたい!」

無数の願いが戦火を生み、そして果てしない戦いへといざなう。

その中、「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

廊下をバイクで駆け抜ける灯。

「戦うんじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

能力を手にして戦うものたちを次々と轢き飛ばしていく。

「・・・山本は地下にフォルテがあると言っていた。

どうやって地下に行けばいいんだ!?」

灯が考える。

すると、急に目の前にナイフが出現して灯の腹に刺さる。

「ぐっ!」

「俺の能力はテレポート!ナイフだって車だって瞬間移動できる!」

灯の右に男子生徒がいた。

「次はこのガラスをお前の体に飛ばしてや・・・・!」

「うるせぇぇぇ!!!」

灯は金属バットで男子生徒を殴り倒す。

「俺は、俺は容赦しねぇ!俺たちの夢で勝手にする奴らにはな!」

そう言って何度も金属バットで殴りつける。

「・・・はあ・・・・はあ・・・・・。先へ進まないと!」

灯が汗をぬぐう。

と、目の前にカギが出現した。

「マスター、ご命令はありますか?」

「今すぐこの校舎にいる奴ら全員から能力を取り上げろ!」

「・・・それは不可能です。数が多すぎます。」

「そんな…!ならこれ以上能力を与えるのはやめろ!」

「この鍵としての能力では無理です。直接フォルテへの命令でなければ…。」

「…くっ!なら俺をフォルテのところへ連れて行け!」

「御意。」

灯が言うと、空間に穴が開く。

「待ってろよ!フォルテ!」

灯はアクセルを踏みいれてあいた穴へと突入する。

突入した先はとてつもなく広い空間だった。

「ここは・・・?静かだ・・・・。

何も聞こえない・・・。ここが学校!?」

灯が驚く。

と、いきなり前方に自分と同じ姿をし、同じバイクに乗った影が現れた。

「フォルテめ!」

灯がアクセルを踏み、影に向かっていく。

影もアクセルを全開にして正面から激突する。

バイク同士が激しくぶつかり合って影のほうのバイクの前輪が破裂する。

「おらああああああああ!!」

そして灯が金属バットで影を殴り倒す。

「フォルテ!出て来い!お前のマスターからの主人命令だ!」

灯が大声を上げると、

地面に巨大なフォルテの姿が映る。

「フォルテ・・・!」

「マスター。私に何か用ですかな?」

「今すぐこの戦いをやめて機能停止するんだ。泪が、死んだんだぞ…!?」

「もう一人のマスターが死亡したのでしたらあなたが唯一のマスターです。

ですがたとえ主人命令でも死ねと言われて死ぬことはできません。

マスター、あなたがご自分で私を止めてください。」

そういうと、灯のはるか前方にフォルテの装置が出現する。

が、同時にその周囲には立ちふさがるかのように無数に少女が出現した。

「!?な、泪・・・・!?」

300人以上もいるその少女はすべて泪の顔をしていた。

顔だけではなく体も仕草も泪のものだった。

「フォルテ・・・・貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

「この泪様は本物の泪様の願いによって作られた完全なる体です。

子宮もあります。当然出産も・・・」

「うるさい!俺は・・・お前を許さない!マスターである俺が直接お前を壊してやる!」

灯は意を決してアクセルを踏みいれる。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

時速100キロを超えるスピードで次々と泪と同じ姿をした少女たちを轢き飛ばしていく。

回避も防御もしようとせずに次々と跳ね飛ばされていく。

そのほとんどが地面に頭を打ち付けて脳がぶちまけられて死んでいく。

周囲には愛した少女の地や手足、首、胸、内臓などが散らばっていた。

やがてそれにつまづいたのか灯は転倒する。

「くっ・・・!」

ヘルメットが割れて右足も変なほうに折れ曲がっていた。

「くうう・・・・!負けて・・・たまるか・・・・!」

灯がバットを杖代わりにして何とか立ち上がる。

と、少女たちが一斉に灯にまとわりついていく。

「お、おい…!どうして攻撃をしないんだよ・・・!?

どうしてそんな、あいつと同じ目で俺を見るんだよぉぉぉぉぉぉ!!!」

灯はバットを振り回して少女たちを殴り殺していく。

足元に少女たちの生々しいぐちゃぐちゃになった破片が散らばる。

「くうう・・・・!」

灯は嘔吐したい気持ちを抑え、先へ進んでいく。

そしてバイクを起こしてまたがる。

「・・・フォルテ!マスター命令がある!」

「なんですか?」

「今学校にいる全能力者から能力を消せ!そして学校を元に戻すんだ!」

「御意・・・・・完了です。」

「よし、次は・・・・ううっ!」

灯が血を吐く。

さっき刺された場所から大量の血が流れていた。

「俺の傷、治せるか!?」

「この空間では願いは通じません。」

「この空間?この空間はなんなんだ!?

どうして学校の地下にこんなものがあるんだ!?」

「わかりません。」

「・・・くっ!!なら二度と鍵を出すなよ!」

「鍵…あれは私とはもう無縁です。」

「なに!?」

「ゲームでたとえれば私はゲームソフトです。あの鍵はコントローラです。

私とつながっていますが私に支配はできません。」

「じゃ、また戦いが広がるのか…!?」

「・・・マスターに教えておきます。

鍵はあの装置の周囲75メートル、

つまりここでいえば学校の敷地すべての範囲にしか出現できません。

あの装置を破壊すればもう移動はできませんが鍵は残ります。」

「・・なら俺がここであの装置を破壊することにどんな意味があるんだ!?」

「これ以上他者に利用されることはないでしょう。

この学校が終わりない戦乱の戦場になることは確実ですが。」

「・・・お前を完全停止させることはできないのか・・・?」

「私を停止させてもあの鍵は止まりません。」

「…くっ!なら、どうすればいいんだ!?」

「私はこの戦いで死んだものたちの怨念を吸収し、実体化することができます。」

「なに!?」

「戦いは続くでしょう。その戦いで100人以上の魂を吸収し実体化した私を

封印することができたらこの戦いは終わるでしょう・・・。」

「・・・な、なんだそんな簡単な方法が・・・」

「ですが、あなたはここから出ることはできません。

私はこの空間の出口を知りません。

この空間には私の力は届きませんからテレポートさせることもできません。

なのでこのことを外にいる他者に伝える方法はありません。」

「・・・俺はここから出ることができないのか・・・・。

・・・・フォルテ。俺はここで死ぬ。

だから俺の魂を吸収すれば地上で数命は99人に減るか?」

「あなたは能力者ではありません。無駄死にとなります。」

「そうか、無駄死にか。

だが、それでもいい。俺は、装置を破壊する!」

灯がアクセルを踏みいれる。

そして装置向けて全速前進する。

「・・・・この戦いを誰か、必ず終わらせてくれ・・・!舛・・・・・藤・・・・・」

灯は何かをつぶやき、装置と激突。

大爆発した。

「・・・ん?」

地上。

「・・・どうしたの?」

「・・・いや、今誰かに呼ばれた気がしたんだがな。」

後藤一也、須田郁美が校舎のほうを向く。

「よし、合格か。・・・ん?」

違う街。合格発表の帰り道で一人の少年が何かに気づく。

「・・・?誰かに呼ばれた気がしたんだが・・・まあいいか。」

その少年、舛崎世一がつぶやく。

そして、果てしなく続くSforzaの戦いは始まった。

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