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ある雨の日に  作者: tomo
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第4章~日常編~

次の日の朝、夢だと信じたくない日々が始まった。



やはり、周りを見ても祖母は居ない。

私は昨日泣き疲れて寝てしまったらしい。

なぜか私の上には毛布が掛けられていた。


自分で掛けた覚えは全くないし、鍵は閉めたはずもう一度周りを見るやはり誰も居ない。

祖母は死んでも私の事を心配してくれたと信じたいけど、それはきっとないと思った。



基本的に幽霊や怪奇現象は信じたことはないから。

変なことは良く起きるけど。



まぁ、それはともかくとして何か食べないとと思い台所へ向かった。

その途中で祖母が書いてくれたレシピがあったことを思い出した。



そのレシピを持って台所に戻った。

包丁の使い方や炒め方は祖母や母に教わったことがある。

取りあえず祖母の書いたレシピを見て作ってみる。



(…炒め物ってこんなに難しかったっけ?)



練習すればなんとか良いものにはなるだろうと続けた。

なんとか焦げない程度にお皿に乗せるそして、味噌汁を作って食べた。



「…お婆ちゃんのご飯の方が全然美味しいや」


私は思わず声に出した。

最近、独り言が多い気がするけど、それはそれでいいやと思った。

あの頃はなんとなく食べてたけど、やっぱり祖母の味には勝てないなと思った。



学校の先生には「零さんの気が楽になってからで良いですよ、だけどいつか学校に来てくださいね」と言われた。



先生も私に気を使ってくれたのかもしれない。

それに私だっていつまでもこうしている訳にはいかないと思う。

でも、辛いものは辛い。

いつか慣れると思うけど。

迷っている時間なんて無い。

曜日を見てみる今日は土曜日で学校は休みの日だった。



何すればいいのか思いつかずにぼんやりとしていたらインターホンが鳴った。



「こんにちは」


外は雨のはずなのにと思いながら、玄関に向かうそしたら、この前の少年が微笑んで立っていた。

この前はよく分からなくなっていて彼が傘を差してくれたのに逃げてしまった事を思い出す。

私と目が合った時に一瞬彼は驚いたような顔をした。



でも、彼は怒っていないように見えた。

ずっと玄関に居てもらうわけにはいかないから取りあえず家に入ってもらった。



「どうぞ、部屋の中に入って下さい」


小さめの声で言って黙って台所に向かった。



「あ、うん。お邪魔します」


彼は周りを見渡しながら部屋に入っていった。



「お茶…入れますね」静かに告げると、彼は「そんなの気にしなくていいよ」と言った。


「…いえ、一様お客さんなので入れさせて下さい」


私はそう言いその後は無言でお茶を入れた。



「あ、ありがとう。…本当に良いのにな」


彼は遠慮がちに答えた。



(そう言えばあの時は頭の中がぐちゃぐちゃで…あんなことしか言えなかったし、名前聞いてみようかな?)



「…あの~唐突ですけど、貴方のお名前…聞いてなかったんですけど聞いても宜しいですか?」


さりげなく彼に聞いてみた。



「あ、そうだった。僕の名前は雨雲あまぐも れんって言う。えっと、君の名前は?」


彼、蓮はそう言って私の方を向いて聞いてきた。



「…私は白桜零って言います。」


私は静かに伝えた。



「そうなんだ。…零。零か」


(彼女と同じ名前だ。下の名前しか知らなかったけどそれに…)


蓮が考えながら答えた後、話すことが無くなってしばらく沈黙が続いた。



「えっと、この間はすいませんでした」


私は沈黙に耐えきれずこの間の事を謝った。



「この間?ああ、あの時か」


思い出したように蓮は微笑んだ。

困った顔のようにも見えた。

なんとなくそういうところがあの少年に似てる気がした。



その後は私に蓮は蓮の過去のことなどを沢山聞かせてくれた。

それ過去の事は後に書くことになる。

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