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第4話 ゴッデスブートキャンプその2 もふもふと無双

こちらも更新っと。久々ですね

 二日酔いでグランドに行くと、ティリアが「情けないわね」っと言いながら、回復をしてくれた。便利だなっと思いながら「なに、ツンデレ?」とか言ったらなんか顔を真っ赤にして否定してた。完全にそうです、ごちそう様。そう思ったら、今日の負荷を昨日の倍にされた。ちょっと後悔した。

 いつも通りグランドを走ってると、宿舎の方から『ドドドドドドーーーーッ!!!』って感じの土煙が見える。アリュアスが今日も走ってきたかと思ってそちらを見ていたら、銀色の毛をした犬……いや狼が俺めがけて一直線に走ってくる。俺はやばい狩られるっと思い、必死で走って逃げた。なぜかグランドを周回して逃げた。狼は俺に付いて走ってくる。くそう、無理に走りすぎた。だんだん足が重くなり速度が落ちる。このままでは狩られる。やばい、今日はそういう訓練なのか…ひどいぞそれ。

 やがて俺は完全に足が止まり、狼に押し倒された。狼の呼吸が俺の顔にかかる。狼の口が俺に近づいてくる。

 やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい。

 俺の顔は狼の舌で猛烈になめられた。いやん、もうお嫁にいけない。っていうかおもいっきり尻尾を振って俺をなめてる。これってアレか、俺になついてるのか?

 俺は「よーしよしよし」っと言いながら狼の頭を撫でると、気持ちよさそうに目を細める。コレは行ける。地球時代に隣の犬を籠絡させたテクを見せてやるぜ。俺は狼をなでまくる。気持ちいいのかやがて、腹を見せて横になる。完全に俺に服従してやがる。どういうこった。

 しかし、この毛並みともふもふ感といいものすごく素晴らしい。俺は犬派である、だから同じイヌ科である狼をもふれるなんて至福である。犬飼いたかったなぁ。近所のホームセンターで子犬を見て癒やされたり、友人宅の犬で犬分を補給してたなぁ。


「どうやら気に入られたようだのぉ」


 弓を持ったねーちゃんな女神が俺と狼を見てなにやら嬉しそうに言った。えーとたしかこの女神は狩猟と動物の女神レテーシャだったか。狩猟の神とかいいつつ今にも胸とか見えそうな感じの薄衣なのは神様だからだろうなっと勝手に納得する。


「この狼はレテーシャが?」

「そうじゃよ。お主の眷属にどうかとおもってのぉ。眷属というか従魔か、人間のスキル的には。こやつは神狼じゃ。銀色のいい毛並みじゃろう?モッフモフじゃぞ。お主のことをずいぶん気に入ったようじゃが、どうじゃ?」

「いいっすね。かっこいいしもふもふだし。こいつは実にいい」

「じゃろう?お主とは仲良くできそうじゃ。名前をつけてやってくれぬか?」

「そうだな…安直だけど、銀色――シルバー…シルバでどうだ?」


 神狼――シルバは尻尾をブンブンと振って喜んでいるから気に入ったのだろう。俺はよしよしっと更に頭を撫でる。


「名前をつけることで契約はなされた。神狼シルバよ、お主はこれからスグルの従魔じゃ。しっかりと尽くすようにの」

「オン!!」

「よろしくな、シルバ」

「オン!!オン!!」


 俺はこのあと再び日課のランニングを始める。シルバも嬉しそうに俺の後ろを付いて走る。いいね、これはいい。昔から自分の愛犬がほしいと思ってたんだ。いや愛犬じゃなくて愛狼になるのか、この場合。フリスビーとかあったら一緒に遊べるよなぁ……。そんなことを思いながらランニングを終わらせる。


 食事を取ったあとはアリュアスの武術講座だった。いろいろな武器の使い方を1日かけて仕込まれる。案外教え方が上手いのかはては俺の才能なのか基本的な持ち方や動き方が様になってくる。ここから4日くらい同じことを繰り返す。その間、シルバはレテーシャにいろいろ従魔としての訓練を受けているそうだ。


「そろそろ俺との模擬戦も飽きてきただろ?実戦行ってみるか!!」


 そして5日目、アリュアスがそんなことをいう。そして、長剣を1本渡される。それなりに業物っぽいけど、普通の剣だ。そして実戦ってなんだ?


「いまから、俺達が作り出したフィールドに行って魔物を狩りまくれ。1時間でできるだけ狩れ、今日からはそれで実戦訓練だ」

「は?」

「じゃ、いってこい」


 俺の目の前の空間が円形に開かれると、そこに向かってアリュアスに蹴り入れられる。その先はタダの荒野。そして目の前にバカみたいな数のゴブリンがいた。俺が入ってきたゲートが閉じられると、ゴブリン達は俺に向かって突進してくる。


「いきなり実戦とかふざけんなっ!!」


 そう言いながら長剣でゴブリンを切り伏せる。アリュアスとの訓練でそれなりに腕が上がっているのか、1撃1殺くらいの勢いでゴブリンを派手に駆逐する。なんていうかこれ、無双ゲームみたいな感じだよね。


「100体撃破っ!!なかなかやるなっ!!」


 アリュアスの声がフィールドに響く。


「1000体撃破っ!! 一騎当千の強者かっ!!相手ゴブリンだけど」


 無双ゲーかよ、本当に……。っていうか一言多いわ!!だんだんとゴブリン斬るのが作業になってくる。っていうかどんだけいるんだ。無限湧きかよ。倒したゴブリンがゲームみたく消えるし。


「はい、時間終了!!」


 強制的に修練場に戻された。1時間剣を振り続けて戦闘していた割には思ったほどつかれていない。不思議に思ってアリュアスに聞いてみた。


「ここでの訓練での成果っていうのはね、だいたい人間の世界での訓練の100倍くらいの効率があるんだよ。だから少ない日数で、武器の基本動作や体力とかつけてるわけ。そうじゃないとお前を代行者として送り出すのに何年かかるとおもってるんだよ」


 って言われた。たしかに納得だ。ここにきて数日で、俺の体は劇的に変わっている。20年以上つきまとっていた前にこれでもかっというほど出た腹の贅肉などは綺麗になくなっており、腹は腹筋で割れている。こないだ鏡をみたら誰だよこれって感じの別人がいた。昔、運良くできだ彼女に「スグル先輩って痩せればかっこ良くなるとおもうんですけどね」って言われたのが本当だったらしく、それなりにイケメンに見える(あくまでそれなりに)


「はい、次は槍ね」


 俺は別の武器を持たされて、またあの空間に放置された。今日だけでどんだけゴブリン相手に無双するのだろう?


 翌日は相手が変わっただけで同じことを繰り返した。とにかく実戦経験を積ませたいらしい。あと、俺にあったメインウエポンを決めるつもりだとか。結局、1週間いろいろな種類の魔物と戦わせた結果、俺の希望もあって刀をメインに使うことにした。やっぱ日本人だから刀だろっ!!って言ってたとこにアマテラスちゃんが来て『でも草薙の剣は日本刀じゃないもん』とか言われたがキニシナーイ。

 この後は、シルバとの連携訓練なども行った。やってることは同じで一人と一匹で無双する簡単な訓練です。もうこれ飽きた。

 そんなことを言ってたら、アマテラスちゃんが弟をつれてきた。スサノオノミコトさんですよ。マジなんていうかワイルドイケメン。そして模擬戦でギッタギタにされる。勝てるかーっ!!ついでについてきたタケミカヅチさんとも模擬戦をやる。なぜか相撲で。あ、あのひと相撲で国取りみたいな神話あったわー。雷の神的なイメージ強いけどあったわー。勝てるかぁ!!

 魔物相手に無双していい気になってた俺への戒めですか、そうですか。まぁいいんだけど。


「はぁ、なんか魔物相手でいい気になってたけど、神様には全然かなわないなぁ」

「それでも、スグルさんも大分強くなりましたよ。とりあえず生をどうぞ」

「ありがとうございます…えっと、いまさらですけど、料理の神様でいいんですか?」

「あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私もセイルーンの主神の1柱である破壊と再生の神テュトスです。ティリアの兄にあたります」

「は?料理の神ではなく?なんで食堂で料理してるんです?」

「料理ってのは、材料を破壊して、調理という作業を経て料理へと再生することですから、私の趣味です。」


 食堂の神様は主神の1柱でした。





お読みいただきありがとうございます

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