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第1話 神様に売られました

別作品連載してるのに連載始めた。反省はしてるけど後悔はしてない…たぶん

そんなわけで、軽い気持ちで適当にこっちは進めていこうと思ってますのでよろしくお願いします。

 ――知らない天井だ。

 某アニメで使われてからいろいろな作品でよく目にするセリフな気がしたが、目覚めた俺は素でそのセリフを言ってしまった。まさかこのセリフをいうことになるとは37年間生きていて思いもよらなかった。

 働き先である工場の遅番の仕事を終えて、コンビニで夜食を買って帰宅。風呂に入ったあとに夜食を食べながら、録画したアニメやテレビ番組を見ながらネットサーフィンをしてから眠くなったので就寝。翌日は休みなのでぐっすり寝ようと思って起きたら見知らぬ部屋のベッドの上にいるわけだ。ちなみに俺は布団派なのでベッドではなく布団に寝ていたはずだ。そもそも実家で割り当てられた部屋は和室だし。その半分はゴミ屋敷のような悲しい状況になっていたとしても。

 俺の名前は神代優。37歳男独身。地元の高校を卒業して、東京のゲーム系専門学校に在学中からゲーム制作の仕事をして、卒業時にバイト先だった小さな制作会社にそのまま準社員として採用された。でも、1年後にゲーム制作の仕事をやめ、実家に戻りそこからは、実家から車で25分くらいのところにあるそれなりに大きい会社の工場に勤めている。一応、給料もボーナスもちゃんと出るし、シフト管理されてるため残業もあまりない。休日出勤はたまにあるが、全然ブラックな感じはしない。だからもう10数年、それなりに真面目に勤務していた。趣味は調理と食べ歩き、あとTCGくらい。俗にいうオタクではあるが、そこまでディープな感じではないと自分では思っている。彼女はいないが別に魔法使いではない。一応、高校の時には後輩の彼女がいたからね。年齢=彼女いない歴でもないわけだ。おっさん、デブ、オタクとある意味三重苦を背負っているので結婚は望んではいなかったし、したいともあんまり思わなかった。ちょっと憧れてはいたけど。


 で、本当にここはどこなのだろうか?

 部屋はベッドと机が置かれているだけの質素なコンクリート造りのワンルームだ。っていうかほんとベッドと机しかない。和室の俺の部屋とは似ても似つかない。よく見ると、机の上にベルがおいてある。鳴らしていいのか?鳴らしたらメイドが来たりしちゃうんだろうか?まぁ、鳴らしてみるか。


チリンチリン


 ベルを鳴らすと、部屋の外からドドドドドドーーーッっという音が聞こえ、俺の部屋のドアの前で止まる。そしてドーン!!という音と共に部屋のドアが開けられ――


「私がぁぁぁっっ!!!来たっ!!」


銀髪に一房だけ金髪の緑と赤茶のオッドアイの巨乳のちょっとロリっぽい女の子が部屋に飛び込んで、ドヤ顔で胸を張った。大きな胸がたゆんって揺れた。


「なんだ、あんた?普通ノックくらいしねぇ?」


 俺はそう言いながら、少女の胸をガン見する。うん、ナイスおっぱい!!


「はいはいはい、私が超絶美少女でいい感じの大きさと形のおっぱいをしてるからって、おっぱいばかりに集中しないでスグル!!」

「俺の名前を知っているのか?ひょっとして俺を拉致監禁したのはお前か!?」

「そうよ、私よ!!」

「威張って言うなよ、この犯罪者!!」

「違うわよ、ちゃんと許可とったわよ!!」

「誰にだよ!?」

「えっと、アマテラスだっけ?キミの国の主神。その人に、『ウチの世界に適合する人材として神代優がほしいから頂戴』って言ったら『あ、日本にいても普通の人だからいいわ』ってポーンと許可くれたわよ」


 なに勝手に人を売り飛ばすかな、ウチの国の主神様は…っていうかどういうこと?


「そういえば、お前何者なんだ?」

「あ、自己紹介がまだだったわね。私はこの『セイルーン』世界で主神やってる生命と太陽の女神ティリアよ。アマテラスちゃんとは太陽神つながりでマブダチになった」


 お前、さっきアマテラスだっけ?とか言ってなかったか、そのマブダチを。


「で、その女神様が俺になんのようで俺の人生を無視して世界またいで拉致したんだ?」

「あなたにはセイルーンで私達神々の代行者をしてもらいたいなってことで召喚したのよ。

 流行ってるんでしょ、異世界トリップ?ちなみに拒否権はありません。日本におけるあなたの存在はなかったことになってます。なにかいいたいことは?」

「君のような女神に、ずっとそばにいてほしい」

「え?告白?やだなー確かに私は美人だしー巨乳だしーかわいいけどー」

「あ、ネタなんで本気にしないでくれる?」

「ひっどいわね、神罰与えるわよ!!」


 マヂコワイ目で睨みつける女神様。まったくギャグが通じないな。お約束だろう?

 しかし、神々の代行者として俺を召喚?しかし、なぜこの俺を?そもそもアラフォーのデブオタおっさん(ヘルニアと糖尿持ち)だぞ?自慢じゃないが運動不足で運動神経も悪いんだが?そりゃ、異世界召喚に憧れた時代も俺にはありました。しかし、マンガやゲーム、アニメの話だから現実に起こるなんて思うわけがない。


「なんで俺なんだ?」

「さっきも言ったよね。こっちの世界に適応できる異世界人ってのがキミだけだったんだ。まさかアラフォーの持病有りのおっさんだとは思わなかったけど、まぁそことのところはなんとかなると思ってるから」

「神の力でチート能力持たせて異世界転生?いやだぜ、前世の知識を持って赤ん坊とか何もできない時期に意識があるってのは多分けっこうな拷問だし」

「さすがに転生はさせないわよ。ある程度すぐに活動してもらいたいわけだし。チート能力は授けてあげるわ。あなたの努力次第だけど。まずはその厄介な持病から取り除きましょうか」


 女神さんは俺に手をかざす。温かい光が俺を包み込む。光が消えた後、ヘルニアの関係でしびれていた左足からしびれが取れる。癒やしの奇跡ってやつか、これ?


「とりあえずヘルニアと糖尿、あと大腸ガンのなりかけがあったから治しておいたわ」

「アンタまじ神様だな、ティリアちゃんマジ天使」

「褒められてるのはわかるけど、神様が天使ってなんかおかしくね?」

「俺もそう思う。っていうか大腸がんもなりかけてたんか…うわーちゃんと生活習慣病予防検診の結果で精密検査受けろっての受けときゃよかったわ、いまさらだけど」

「あんた、そーいうのはちゃんと受けなさないよ」

「めんどくさくて…ところで、チートってこの治療だけ?それだと俺、全然なにもできないただのデブオタおっさんなんだが?」

「はいはい、いろいろ説明するわよ。質問ある?」

「ここどこ?そのセイルーンって世界なん?それから、呼び方は女神様とかティリア様って言ったほうがいい?なんか流れで適当に呼んでたけど」

「呼び方は好きにするといいわ。ぶっちゃけ呼び捨てで構わないわよ。あなたは別にこの世界の住人でも信徒でもないんだし。神々の代行者って言っても部下ってわけでもないしね。で、ここはセイルーン世界の神界。私たち神が住む場所よ。」


 おう、神界でしたか。それなのにこの部屋はコンクリートむき出しの部屋かよ。ああ、よくある流れでここで依頼されて旅立つわけか。


「で、神々の代行者ってのはなにすればいいんだ?」

「んー地上での邪神――私達の敵対勢力ね――の教団関係の撲滅をしてもらいたいの。あとは一部の人物をあなたなりの方法で導いてほしいの。その他はあなたがやりたいことをしてもらえればいいわ。それに伴ってあなたに与える力は、不老不死の体。それから現状のままだといろいろアレだから20代前半くらいまで若返らせて上げる。その他にはこれからにかかるんだけど、いろいろな技能とアイテムなどを与えるわ」


 不老不死かよ、一生代行者しろってことかよ?ブラックかよ。


「期限は特に決めないけど、ある程度働いてくれたら御役目免除するわ。歴代の代行者もそんな感じだし。その後はセイルーンで暮らすもよし、不老不死を解除して人として死を迎えるもよし、好きにすればいいわ」

「報酬は?」

「力とアイテムを先渡し、あとは御役目免除したあとの生活の保証ってとこね」


 いまいち利点がわからん。とりあえずやらないって選択肢はなさそうなので、やることはやるか。異世界ってのも興味あるし。


「分かった。代行者はやる」

「物分かりがいいってのはいいわ。代行者をやるにあたって、セイルーンにおける知識なんかの学習とスキルを覚えるための特訓……あと、若返らせてもその体型とか身体能力じゃ全然ダメだから、体を鍛える地獄の特訓をいまから始めるわね」


 超笑顔でなんか不吉なことをいうティリア。


「なんか不吉なこと言わなったか?不安になったので、そのでかい胸に俺の顔をうずめて俺が満足するまでいじらせろ」

「却下(ゴミを見る目)」

「デ、デスヨネー」

「さ、私は部屋の外に出るからそこにあるジャージに着替えて食堂に来て。食堂は部屋を出て右に通路通りにいけば出るから、朝食と取ったあとに簡単な座学、そのあと特訓するわ」

「ああ、了解した」


 こうして、俺のなんだかよくわからない生活が始まるのであった。



お読みいただきありがとうございました。


まえがきでも言った通り、こちらはサブのつもりで更新していきます

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