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異世界に来てしまったらしい




いつものように高校が終わり、双子は急いで帰宅をし銭湯を開ける準備をしているとものすごい揺れに見舞われた。



男の子のような見た目の女の子が銭湯から出てくるとびっくりしている。それもそうだ、この女の子は本当は東京にいたのに森にいるのだから。

「わーぉ、森だ。かなちゃーん!私達異世界来ちゃったみたーい!」

「え?かなくん?何いってん、の?!……俺達東京にいたよね?何で森の中?」



この女の子のような見た目の子は男の子で、かなくんと呼ばれた女の子と一卵性双生児だ。かなくんと呼ばれたのが女の子で、かなちゃんと呼ばれたのが男の子。しかも女の子の見た目は男の子みたいで、女の子みたいな見た目は男の子というちぐはぐさがある。

かなくんと呼ばれたのは星輝奏、かなちゃんと呼ばれたのが星輝彼方である。2人は18歳の高校生で親に捨てられてしまった為、2人だけで東京で暮らしていた。



「かなちゃん、ここどこだと思う?さっき私異世界って言ったけど、本当に異世界だと思う?東京だったりしないかな?」

「東京というか、地球じゃないでしょ。だって、地球上にあんな生き物いないでしょ」

彼方が指さした方向にはでっかいカマキリみたいなのが上空を飛んでいる。奏は「ひっ」と驚いて彼方の袖を引っ張った。



「と、とりあえず!!私達のお店に入ろう!!」

双子はお店基、銭湯に入った。彼方と奏はこれからどうするか困惑しているように見える。



「彼方、どうする?」

「奏、まずはさ普通に銭湯を経営しよ?ここに来るお客さんに話を色々聞けば分かると思うんだ」

彼方と奏は真剣な話をする時は、呼び方はちゃん付けなのではなくそのままで呼ぶのだ。


彼方は奏の兄らしくオロオロしないよう気を張ってはいるが、彼方も内心ではものすごくオロオロしている。奏は見た目男の子みたいだが、中身は女の子らしい一面が多く意外とビビりなのだ。それを分かっている彼方は兄なので、怖がっている妹を見た目とは裏腹に漢気を見せようとしている。



「私達って本当に運が無いね……クソ親に捨てられるわ……おじいちゃんとおばあちゃんが事故で亡くすわ、異世界に飛ばさられるわ」


彼方と奏の母親は高校3年生で産んでいて、その父親も母親と一緒の年齢だった。彼方と奏を産む為母親は高校を中退、父親も家族で生活をしていく為高校を中退した。最初は仲良く家族4人で暮らしていたが、双子の両親はまだまだ若く遊びたい欲が凄く子どもを置いて家を出て行ってしまった。この時双子は6歳で両親に捨てられたと何となく気づいていた。

双子は1年も両親がいない中2人だけで生活をしていたが、様子を見に来た祖父母に助けられ今の銭湯に来た。


その祖父母も双子が高校入学をして少し経った後交通事故で亡くなってしまった。


「うーん……俺はそうは思わないかな。だって……俺達離れ離れになっても可笑しくなかったし、死んじゃっても可笑しくない状況だったんだからさ。そう考えると運はいいじゃないかな」

「かなちゃんはポジティブだね」

「かな君はネガティブに考えすぎだよ!前向きに明るく考えよ!大丈夫!俺達は2人でいれば最強なんだからさ!家訓でしょ前向きに平和的に解決って」

星輝家の家訓は困っている人がいたら助ける、そして前向きに平和的に解決なのだ。彼方と奏はそれを忠実に守っている。


双子会議が終わり、いつものように銭湯を開店する準備を始めた。


彼方と奏はそれぞれ男女で別れて荷物置き用のロッカー掃除、床掃除、湯船の掃除、湯をはるを終わらせた。


「そういやさ、こんな森の中でお客さんって来るのかな?」

「うーん……来ない、かも。だけど俺達はいつもどうり営業しよう。きっといつかは来るよ!」



結局その日は誰もお客は来なかった。




そして、次の日の朝事件は起こった。


ある1人の男の人が怪我だらけで銭湯の入口で倒れていたのだ。傷跡は誰かに刀で切りつけられたような傷跡に見える。






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