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メランコリック

作者: 昼月キオリ

〜はじめに〜

特別辛いことがあって死にたいわけじゃない。

でも、この先も生きていきたいかと聞かれたら私はきっと首を傾げる。

とは言えいつもこんな感情を持っているわけでもない。

本当に時々、このような感情が芽生える事がある。

たったそれだけ。

けれど、現状。たったそれだけのことが酷く私を混乱させていた。

頭の中がぐちゃぐちゃになり収集がつかない。

これはあれだ、あそこに行くしかない。

私が落ち込んだ時にいつも決まって行く場所がある。

それは海。

晴れた日に海を見ると気分がすっきりすると最近知った。

崖の上にある灯台を目指して吊り橋を渡っていく。

この日はほとんど人がおらず、いるのは私と数人だけだった。

吊り橋が潮風で揺られる度に体が浮いたように感じ、擬似的に死んだ気分になる。

綿密な設計の元、安全な作りをされているとはいえ100%の保証はない。

それは無論、日常生活においても言えることだけれど。

いつもは怖いと思う吊り橋が今日だけはほんの少し死ぬかもしれないという感覚が妙に心地良く感じた。


〜水無月(27)〜

地味でさえない会社員


〜死にたい君(年齢不詳)〜

黒いローブを来た正体不明の男の子




〜君は誰?〜

吊り橋を渡り終わり、灯台に向かって歩く。

灯台のすぐ近くには崖が見える。

道筋は安全の為に縄でガードされてはいるものの、乗り越えようと思えば簡単にできるし、子どもの背の高さならしゃがめばくぐり抜けることもできる。

周りに人はいない、と思ったのもつかの間。

少し離れた場所から小さい子どもの姿が見えた。

7〜8歳くらいだろうか。

その子どもは縄をくぐり抜けようとしていた。

水無月「だ、だめ!!」

水無月はその子の元に慌てて駆け寄り、手を引っ張って引き戻した。

しかし、その子は特に驚く様子もなく平然としている。

「お姉さん誰?」

水無月「わ、私?私は・・・って違う!君ね、ふざけてそんなことしたら危ないでしょう?遊ぶならもっと安全な場所でしよう?」

「?僕はふざけてないよ」

水無月「え?」

数秒、沈黙が訪れる。

男の子の表情は分からなかったが、声色から本気で飛び降りようとしていたのだと直感的に分かった。

水無月「と、とにかく死んじゃだめだよ!」

「どうして?」

水無月「どうしてって・・・」

周りの人が悲しむから?周りの人に迷惑がかかるから?

うーん、今それを言うのはこの子を更に傷付ける言葉な気がする。

「僕が子どもだから?」

水無月「そういうわけじゃないけど・・・と、とにかく!お姉さんが話でもなんでも聞くからとにかく死ぬのは待って?ね?」

「・・・うん、分かった」

水無月「ほっ・・・」

男の子があっさり承諾してくれてほっとしたのもつかの間。


水無月のマンションの部屋。

どうしてこうなった・・・。

これじゃまるで私誘拐犯じゃん・・・。

この子のお父さんお母さんに黙って自分の部屋まで連れてきて・・・この状況、非常にまずいのでは?

さっきは不用意に両親のこと聞くのは止めたけどさすがにこのままにしておく訳には・・・。

水無月「何飲む?」

私は動揺している心を押し殺し、笑顔を作り、優しい口調を心がけた。

正直、子どもは苦手なのだけど・・・。

「ホットココア」

水無月「分かった、今用意するから少し待っててね」

ココア好きなのかな。

それにしても変わったファッションだな。

膝下まである長い黒いローブを頭まで被って表情は分からない。

まるで死に神の子どもみたいな・・・いやいや、そんなこと言ったらこの子に失礼でしょ!なんかごめん・・・。

心の中で自問自答しながらポットでお湯を沸かし、マグカップにココアの粉を入れる。

マドラー、なんて便利なものはこの部屋にはないのでスプーンで混ぜる。

クルクルと混ぜ、粉が溶けて全体に行き渡ったのを確認した後、男の子の目の前に置く。

自分の分も用意し、ラグが引いてあるローテーブルの向かい側に座った。

クッションは一つしかないので男の子に使うように伝えた。

水無月「暑いから気をつけてね」

「ありがとう」

意外にも素直に言われたありがとうという言葉に一瞬驚きつつもいいこ子だなと思った。

・・・。

水無月「ところで、君の名前聞いてもいいかな?」

水無月は沈黙に耐えられずに男の子に質問した。

「僕には名前なんてないよ」

水無月「え?」

本日、二回目の「え?」である。

この子、ふざけて・・・なわけないか、真面目に言っているんだよね?

「ちなみに、僕にはお父さんもお母さんも友達も恋人もいないよ」

水無月「ギクッ、わ、私が考えてること気付いてたの?」

「うん、だってお姉さん顔に書いてあるもの」

ココアの熱さが落ち着き、男の子がちびちび飲み始める。

私と同じく猫舌らしい。

水無月「そ、そう・・・」

この子、本当に子どもなのかな?何この落ち着き具合は・・・。

「僕を傷付けない為に、あえて聞かないでいてくれたんだよね?」

水無月「え?うん、まぁね・・・」

「ありがとう、お姉さん、優しい人だね」

そう言って再度ココアを飲み、マグカップから少し口を離すと僅かに口角が上がっているように見えた。

ココアを飲む時に少しだけ顔が上向きになり、その時にチラッと見えたまん丸い目には両目とも大きなクマがあった。顔は青白い。眠れてないのかな?

いや、待て待て、話はそこじゃない。

水無月「じゃ、じゃあ君はどこから来たの?」

「空から落ちてきた」

水無月「そ、それは冗談?・・・」

「うん、冗談」

そ、それは冗談なのか・・・この子・・・何考えてるのかさっぱり分からない。

「お姉さんは?」

水無月「え?」

「どうして死にたいの?」

全てを見透かされたような気がした。相手はまだ幼い子どもだというのに。

水無月「な、何でそれを知って・・・はっ、いやいや、どうしてそう思うのかな?」

水無月は必死で平静を装う。

「顔に書いてある」

水無月「か・・・」

今までこんなに内面を見透かされたことないのに・・・。こんな子どもに言われるって私ってそんな分かりやすいの・・・?

というかこの子一体何者なの?

「ちなみに、僕は死にたいよ」

いや、そんなココア飲みながらまったりと言われましても・・・。

水無月「君はどうして死にたいの?」

「分からない、でも、ひとつだけ確かなのは僕の心の中には死にたいって感情しかないってことかな」

ま、まじか・・・この子、ひょっとしなくても私より重症なのでは?

水無月「そ、そう・・お姉さんは何となくかな」

「じゃあ一緒だね」

全然違うと思うけど・・・。一緒と言われたことで心のどこかでホッとしている自分がいた。

味方が現れたような気がした。

水無月「でも、君が死ななくて良かったよ」

「どうして?」

水無月「どうしてって・・・」

「僕みたいに周りに誰もいなくて死んでも悲しむ人が一人もいなかったら死んでもいいんじゃない?」

水無月「そ、そんなことは・・・ごめん、私は生きていたらいいことあるとかそんな無責任なこと言えない

あの時は体が勝手に動いてて・・・」

しんみりとした空気が流れる。

水無月が困っていると男の子が口を開いた。

「僕、今日からここに住むから」

水無月「え!?いやいや、急に言われても困るよそんなの!」

暗い空気が男の子の"ここに住む"という一言で一変する。

「だって僕、帰る場所ないし」

水無月「お姉さんも警察に一緒に相談しに行くから、ね?」

「いいけど、無駄だと思うよ?」


1時間後。

「ね?だから言ったでしょ無駄だって」

水無月「あ、ありえない・・・」


30分前。

水無月「この子、記憶喪失になってるかもしれなくて、この子のこと保護して下さい」

警察「え?この子って・・・?」


水無月「君、ひょっとして幽霊なの?」

「さぁ、僕にも分からない」

私にしか見えない幽霊?

でも、透けてるわけでもないし、ココアも普通に飲んでるんだよね・・・。

これからどうしたらいいの!

「でも、ぶつけたりすると血出るしちゃんと痛いから生きてはいるんじゃない?」

水無月「えぇ!?血って、今は大丈夫なの?」

「うん、大丈夫だと思う」

男の子は黒いローブから腕を出し、服をまくった。

そこからは血が滲んでいる。

水無月は両手で自分の両頬をノー!!と言わんばかりに押さえた。

水無月「全然大丈夫じゃないって!もう、どうして言ってくれなかったの!今手当てするからちょっと待ってて!」

水無月はさっきまでとは打って変わり、ドタバタし始めた。

「ちょっと転んだだけだよ」

水無月「ちょっとって、血が出てたらちょっとじゃないでしょう?これからはちゃんと言わなきゃダメよ?」

「うん、じゃあその言い付けは守るからここにいていい?」

水無月「わ、分かったよ・・・」_| ̄|○

水無月、人生で初めて子どもに敗北。




〜死にたい君〜

水無月「名前、決めよう!」

「急だね」

水無月「だって一緒に暮らしていくなら、ずっと君、君じゃ呼びにくいよ」

「じゃあ、死にたい君でいいんじゃない?」(てきと〜)

水無月「な、なんと安易な・・・それはさすがに・・・」

「じゃあ死に神君」

水無月「それもちょっと・・・」

「僕もお姉さんって呼んでるしいいんじゃない?」

水無月「そ、そう?じゃあ死に神はさすがに縁起悪いから死にたい君って呼ぶよ」

「うん」


それからというもの、私は死にたい君との謎の共同生活を送ることになった。

死にたい君はほぼ一日中寝ている。

クマがあるから心配してたが寝れていないわけではなさそうだ。

食事は夕飯だけ一緒に食べている。準備するの楽なのはありがたいけど死にたい君の体が心配だ。

そして死にたい君はその名の通り、隙あらば死にたいと呟く。

その度に私は死にたい君の頭を撫でたり、抱きしめたりしている。

死にたい君は拒否することなくじっとしたままそれを受け入れている。

死にたい君「お姉さんって優しい人だね」

水無月「そ、そう??」

死にたい君「うん、だって僕の為に服を買ってきたり、ご飯を僕の分まで作ってくれたり」

水無月「死にたい君が来るまではコンビニ弁当とカップラーメンばっかりだったんだけどね・・・」

死にたい君「それだけじゃないよ、ほとんど毎日のように僕は死にたいって言ってるのに、その度に頭撫でたり、抱き締めたりしてくれるから」

水無月「そ、それは体が勝手に動いてて」

死にたい君「ねぇ、お姉さん」

水無月「なーに?」

死にたい君「僕にはこんなに優しいのに、どうしてお姉さんは自分には優しくしないの?」

水無月「え」

ハッとさせられた。核心をつかれて一瞬、時が止まる。

死にたい君「ご飯だって、僕の体を気遣って作ってくれてるんでしょ?」

水無月「だって死にたい君まだ子どもだし・・・」

死にたい君「そこに大人、子ども、他人、自分なんて関係ないよ、

自殺がダメって言う理由に子どもも大人も他人も自分も関係ないように

体や心を気遣うのだって関係ないよ」

水無月「!」

死にたい君「お姉さんが僕の死にたい気持ちを否定しないのも僕の気持ちを尊重してくれているからだ

なのに、どうして自分にはそんなに厳しくするの?」

水無月「そ、それは・・・」

死にたい君「お姉さんには自分に対しても優しくなって欲しいな」

水無月「それは難しいよ・・・」

死にたい君「どうして?」

水無月「だって私、自分のこと好きじゃないから・・・」

水無月は自分の腕をぎゅっと掴んだ。

死にたい君「分かった、お姉さんが自分に優しくしないんだったら・・・」

水無月「?」

死にたい君は台所にとことこと歩いて行き、棚からナイフを取り出した。

水無月「え、ちょっ、何する気!?」

死にたい君「今すぐ自殺する」

やばい、マジだ。

水無月「ま、待って!!分かった!分かったから!自分に優しくするから!

ナイフしまおう?ね?」

死にたい君「分かった」(あっさり〜)

こ、この子、放っておいたら本当に死んじゃう!

でも、どうして死にたい君は私に自分に優しくしてなんて言ったんだろう・・・。

こんなナイフまで取り出して・・・。

分からないことだらけだ。




〜再び〜

二週間後、私は食事を改善したことにより体が軽くなり、自分に優しく声をかけるようになったことで心が楽になっていた。

そして、仕事から自宅に帰ると、死にたい君の姿はなかった。

私は心配になり、探し回ったけど結局見つからなかった。

なんせ、私以外に姿は見えないのだから、目撃情報もない。

その日から、私は死にたい君がいない生活にあっさり戻った。

水無月「はぁ、なんだか寂しいな・・・いやいや、これで良かったんだよね、今までと同じ生活に戻るだけなんだから」

何日か過ぎると、私はまた料理を作らなくなり、自分に優しい言葉をかけなくなった。


そうしているうちにあっという間に一か月が経ち、私はまた心が落ち込んでいた。

駅のプラットホーム。

はぁ、仕事疲れたな・・・明日も行かなきゃ、あー、このまま電車に飛び込んだら楽に・・・。

水無月「!?」

なんて事を考えていた水無月の真横に電車に飛び込もうとする子どもがいた。

その子が助走をつけて走り出す。

水無月は走った。

その子のつま先がホームから出かけたところでなんとか捕まえ、水無月は自分の方にその子をグイッと引き寄せた。

その衝撃で二人とも後ろに転んでしまった。

電車が勢いよく目の前を通り過ぎていく。

水無月「いたた・・・」

死にたい君「いたい」

「あんた、大丈夫か!?」

近くにいた人に声をかけられる。

水無月「は、はい、すみません、大丈夫です」

水無月は立ち上がる。

「そうかい?なら良かったけど、何でいきなり後ろに飛んだんだい?」

水無月「足を滑らせて焦ってしまって・・・ははは」

死にたい君は水無月の腕の中にすっぽりと収まっている。

水無月「はぁ・・・」

深いため息がもれた。


水無月の部屋。

水無月「もう、びっくりしたよ、いなくなったと思ったら急にあんな場所現れて電車に飛び込もうとするんだから・・・

今までどこに行ってたの?」

死にたい君「僕にも分からない」

ほんっとこの子は分からないことだらけだな・・・。

水無月「まぁ、とりあえずこれで一安心か・・・ん?」

死にたい君がじっと見つめる先にカップラーメンの山が。

水無月「あ!こ、これはその・・・」

無言で台所に向かおうとする死にたい君の腕をガシッと捕まえ必死で止める。

水無月「た、たんま!たんま!これは非常食だから!

このカップラーメン達はこうして棚に仕舞って無いないするから!」

死にたい君「・・・」

水無月「よし、お姉さん、今からとびっきり美味しいハンバーグ作っちゃう!だから座って!ね?」

死にたい君「うん、楽しみにしてる」

死にたい君の口から楽しみにという言葉を聞き、思わず嬉しくなり、とりあえず今は細かいことを考えるのを辞めようと決めた。

その日、ハンバーグ作りが楽しく感じたのは、死にたい君が一緒にいてくれたからだと思う。




〜これからもずっと〜

水無月「ねぇ死にたい君、死にたいって感情あるのって大変だよねぇ」

死にたい君「平常運転」(さらり)

水無月「死にたい感情が無くなる方法があったらいいのにね」

死にたい君「あるよ」

水無月「え、ほんとに??」

死にたい君「うん」

水無月「教えてよ、あれ?でもそれならどうして死にたい君はそれをしないの?」

死にたい君「僕の死にたい気持ちを消す為には僕が死ぬしかないから」

水無月「え、じゃあ私も死んだら無くなるって意味で言ったの?」

死にたい君「違うよ、お姉さんの中から死にたい感情を無くすには僕の死が必須条件なんだ」

水無月「え?待ってどういうこと・・・?」

死にたい君「僕はお姉さんの心の中の死にたいっていう感情の塊なんだ」

急に明かされた真実。

水無月「な、え?待ってそんなことある?」

死にたい君「現に、僕が現れている間はお姉さん、死にたい気持ちなかったでしょ?お姉さんが元気な時は僕消えてたし」

水無月「言われてみれば確かに・・・でも、えぇ!?」

死にたい君「僕が死ねばお姉さんは永久に死にたい感情から解放される、だからその感情が嫌だったら僕を殺していいよ」

水無月「こ、殺すって・・・」

死にたい君「僕の話、信じられない?」

水無月「信じられないとかじゃないけど・・・」

死にたい君は台所からナイフを取り出した。

死にたい君「試してみたら分かるよ、はい」

死にたい君は水無月にナイフを渡した。

死にたい君が言ってることはたぶん本当。

だってそうだとすれば今までの出来事の全てのつじつまが合う。

水無月のナイフを持つ手に力が入る。

死にたい君を殺せば、私は一生死にたい気持ちに悩まされることはなくなる。でも・・・。

水無月「その話が本当だとしても私は死にたい君を殺せないよ」

死にたい君「どうして?見た目が子どもだから?だったら姿変えて虫にでもなったら」

水無月「違うよ、だって死にたい君は私の大事な友達だから」

死にたい君「とも、だち・・・?」

水無月「そうだよ、友達は殺せないよ」

死にたい君「僕を殺さないとこれからも定期的にお姉さんの元へ来るよ?それでもいいの?」

水無月「うん」

死にたい君「・・・」

死にたい君は一瞬切なそうな顔をすると水無月にぎゅっと抱き付いた。

水無月「大丈夫、これからもずっと一緒にいるよ」

水無月は死にたい君を抱き締め返した。

死にたい君「うん」

水無月は死にたい君を腕の中から解いて向き直る。

水無月「いつでも待ってるから、また遊びにおいで」

その言葉を聞いた死にたい君はふわっと優しい笑顔を浮かべ、目の前でパシュッと消えた。




〜それから〜

水無月「はぁ・・・」

仕事から帰って来て机に突っ伏す水無月。

死にたい君「どうしたの?」

水無月「今日ねー、仕事でミスして怒られたの」

死にたい君の見た目が子どもだから愚痴れないという大人心ををすっかり忘れ、最近では自分まで子どもになっている。

無論、他の誰にも見せていない姿なのだけど。

死にたい君「あー、それは死にたいね、一緒に死ぬ?」

ココアを飲みながらさらりと言い放つ死にたい君。

水無月「まだ死にたくないよー」

水無月はウジウジしている。

死にたい君「じゃあお姉さんの気が向いたら一緒に死のうね」

水無月「死にたい君は死んじゃだめー」

死にたい君「お姉さんって意外とわがままだね」

水無月「え!?」


それからというもの、死にたい君が現れない時期が長いとちょっとだけ寂しくなったりならなかったり。

こうして私と死にたい君の生活はこれからも続いていくのでした。


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