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神に会った冒険者シリーズ

竜と人魚姫

作者: 島弘

自分の作品の連載小説「神に会った冒険者」の中で語られた話の抜粋です。

本編をお読みの方は二度読みに成る事と思います。

本編に年齢制限が掛けられている為に、短編にし解除して十五歳未満の方でも読める様に配慮した物です。

「太古の昔、竜と人魚は海に居たそうです。

 夕日の様に真っ赤な竜は、魚が大好きで海を()け回り食べていました。

 でも人魚だけは食べませんでした。

 なぜなら、竜は人魚の姫の美しい歌声が大好きだったのです。


 嵐が来て困っている人魚を見れば竜は天に(のぼ)り雲を()らしたそうです。

 人魚の姫は竜の元へ赴い(おもむ)ては歌を歌いました。

 人魚の姫は竜の(たの)もしい強さが大好きだったのです。


 ある日、月の光の様な金色の髪と、空と海の様な青い目をした人魚の姫が、嵐の中イカの化け物クラーケンに襲われ、それを竜が助けました。

 ですが竜は深手を追い海に沈んで行ったそうです。

 姫は竜を海の中から引き上げ陸まで運んだそうです。

 看病をしたいが陸では何も出来ず、魚を取って竜の近くに運ぶ事しか出来ませんでした。

 姫は人間の気配がしたので海に(かく)れ、次に来た時には人間も竜も姿は見えませんでした。


 竜は人間の気配で目が覚め、何故か近くに有った魚を食べ。人間は『私が助けた』と言うも、竜は話も聞かず魚のおかげで(わず)かに戻った力を使い、傷を(いや)すと言われる霊峰(れいほう)に向かいました。


 竜を探す為に人魚姫は美しかった声を捧げ、代わりに足を授かり竜が傷ついたなら霊峰へ向かった可能性があると聞かされました。

 竜が大好きだった魚を持って、授かったばかで言う事を聞かない足を引きずり、竜が居るか居ないかも分らないのに、険しい霊峰を登ったそうです。


 霊峰にて竜は徐々に傷はふさがるが、鱗は(うろこ)輝きを失っていくのでした。

 姫が辿(たど)り着き竜の大好きだった魚を渡すと、美味しそうに食べ僅かながら鱗が輝いたそうです、輝きを失った鱗と魚を食べた時の一瞬の輝きを見て、姫はまだ不自由な足で何度も何度も霊峰と海を往復し魚を運んだそうです。


 竜の鱗も徐々に輝きを取り戻すも人魚姫は一言も話してはくれませんでした。

 美しい声で歌う事は有りませんでした。


 ある日、人間の王女が訪ねて来て竜に『助けたのは私だ』と言います。

『海から助け魚も与えた』と言います。

 いつも魚を届けてくれる姫は何も言いません。

 人間は竜に一緒に城へ来て欲しいと言い出します。

 それでも姫は何も言いません。

 困った竜は自分の命とも言える、竜の宝玉と自分の逆鱗(げきりん)を、死の痛みに耐え剥がし、人間に与えました。

『それを持って清らかに願えばどんな望みも叶う』と『私の力の全てだ』と言う。

 竜はその言葉が本当であるかの様に力を失い人の姿に成りました。

 人間の王女はそれを見て何故か竜ではなく宝玉と逆鱗を手に城へ戻りました。


 姫は何も言わず力を失った竜を見ても今まで通り霊峰と海を往復し、魚を何度も竜に届けたました。その甲斐(かい)有って竜の傷は完全に癒え失った力も僅かばかり回復しました。

 竜は力を失うも姫のお陰で僅かに回復した力で姫をいつまでも(まも)り続けました。


 二人は、力も歌声も失いましたが、幸せに暮らしたそうです」

本編より、そのままに抜粋した為、語り口調で読み難い所も有った事をお詫び申し上げます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] どんな障害が立ちふさがろうが、お互いを想う二人の邪魔はできなかったんですね。好きだったはずのところがなくなっても傍に居続けたとは、二人の愛は本物だったんだなと思いました。
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