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生け贄の神子と華劇を  作者: 犀島慧一
第一章のおまけ
35/71

NG集もどき(7-9)

*注意事項*

※前回に続きシリアスをお求めの方は、即刻退避をお願いします。

※うp主の気晴らし。シリアス漫画の表紙裏にあるようなもの、小話を目指して。

※これは本編とは全く関係がありません。

※これまでの雰囲気を壊したくない方は即刻退避を!


7(疲労の果て、血迷ったネタを送る令嬢がいた)

 ウィルは、約束を違えることなく私と兄上の分の手紙を約二週間に一通のペースで送ってきていた。

 私達も同じペースでやり取りしているけれど、国を跨ぐこのやり取りは往復の時間も鑑みると大分忙しない気がする。


 ……その疲れが溜まっていたのか、私は手紙を書く手を止めて、ふとサミに聞いてみた。


カ「実は私、第三次成長期を迎えて全身筋肉痛なの、とか言ったらどんな反応が返ってくるのかしら」

サ「色々と意味が分からないのですが、面白そうですね。やってみましょう」

カ「話が早くて助かるわ」


 この時、サミも疲れていたんだと思う。

 かくして、返ってきた神子殿ご返事にはこう記されていた。


『…申し訳ありません。

私の国の医学は発展途上でありまして。カレン様が抱えている第三次成長期についての文献は見当たらず、お力になれそうにありません。

ただ、他国の学者様に聞いたところによると、筋肉痛は“にゅうさんきん”なるもののせいだそうです。

恐らく医学も進んでいるのでしょう、そちらの国で一度調べてみるのも良いかもしれません。あと、痛みが酷いときは、一度冷やし、痛みが治まってから温めマッサージをすると良いそうです。

何卒、ご自愛下さいますよう(以下略)…』


カ「なるほど。ものすごい罪悪感が芽生えたわ」

 私は頭を抱えた。

 彼はわざわざ偶然訪れた学者に聞き、文献を漁り、くだらない嘘で奔走してしまったようだ。

サ「……取り敢えず、共に謝罪文を書くことといたしましょう」

カ「走らせた挙句、嘘だったと」

サ「……それも、そうなのですが」


 嘘を貫こうが、真実を告げようが、

 結局兄上経由で事実を知るウィルなのである。



8(会場で、うっかり出会った二人がいた)

 具合が悪くなり、私は華やかな舞踏会の雰囲気から足早に退場した。

 より外周に近いところから眺めると、オレンジの明かりに照らされた会場は、数刻前に自分もいたとは思えない程非現実の世界に思える。活気があって、華やかで、友人と軽いジョークを飛ばしたりして。婚約者と楽しく踊っちゃったりして。

 見回せば私同様に人混みから逃れた民の中に、知った顔があったが、私は無視を決め込んだ。


 ……けれど、無視しているというのに、そいつは追ってくる。


?「おい、無視するな。こっちは必死なんだ」

カ「いやぁだってね? 兄上の言いつけ通りあなたと会うと、話がすすまないのよ。

――シノノメ家のご長男殿」

 私は具合が悪い体のまま会場を渡り歩く。紳士淑女の間を行ったり来たり。

 わざと男性が割り込み辛い道を選んでいるというのに、彼は華麗な足裁きで全てのトラップを交わし距離を詰めてきた。


シ「妹と弟が失踪したんだ。あいつら人見知りだけど、お前のことは知ってる。頼む協力してくれ」

カ「その足ならどこへだって探しに行けるでしょ。こっちは今の内に果たさなければならないイベントがあるんですのよ。

――全くもって、やりたくないイベだけど!」

シ「やりたくなけりゃ、やらなければいいだろ」

シノノメ氏の呟きはごもっともなのだが、頷きづらい。

カ「そもそも、なんで弟妹がこの場にいるのよ。記憶では、まだ適正年齢に達していないはずなのだけど」

シ「だから家来も油断していたんだ。まさか事前に馬車に仕掛けがされていたと思わないだろう。食欲の権化とも言われるあいつらを会場で野放しにしたら、酒抜きメニューがあぶない」

カ「な、なんですと?」

 それはいけない。踊れない舞踏会の華といったら飯、おしゃべりの満足より満腹、それなのに――その権利を奪うのは許さない!

カ「イベ後のストレス発散のためにも、食料は確保させてもらうわ!」

シ「こっそりお持ち帰りの予定だったが変更だ、捕まえたら即刻説教を喰らわす」


 かくして、

 私とシノノメは無事に弟妹を探し出し、家に送り返すことに成功し、

 ――その後で、私はちゃっかり第二王子殿との遭遇も果たしたのだった。


※名前だけの出演シノノメさん。ちゃんと本編でも出す予定だったけど、長くなりすぎたため出演辞退。



9(社交会後。ウィルからの手紙、泣きながら読んだら読めなくなった)

カ「なによ……これ……」

 私はウィルからの手紙を握り占め、震える指先でその雫を拭った。

カ「全く読めないわ」

サ「涙染みですね。どうします?」

カ「くぅぅ。……何でよりにもよってまだ読んでいない下の方なのよ」

 私は自分の涙腺が緩いことを、このとき本気で後悔したのだった。


『…

私はあのとき、その役目から逃げようとしていました。ずっと「可哀相な子」として見られてきたから。それにより、成り代わることが恐ろしい事だと思ってたからです。

でもあのとき、あなたは私の…』


 ……この先が虫食いみたいに読めない。


カ「序文の感じからして、絶対読み飛ばしてはいけない類の奴じゃない。ぬかったわー。

もう一度送ってもらうのは無理かしら」

サ「……二度カミングアウトをしていただくのは、いかがなものかと」

 ですよねー。


 玄関横の窓から見える空はとても青く澄んでいる。日差しに当てたら文字が戻るなんて、


 あったらいいのになー。


 現実逃避を図る私の背後で扉を叩く音がした。振り返ると兄上が染み一つ無い自分宛の手紙をひらひらと振っている。


ニ「ウィルから国に来ないかって誘いが来ているが――」

カ「行くわ、行く行く。私も同じ事考えていたのよ」


 誤魔化す前に、真実を告げる前に、

 結局兄上経由で事実を知る私たちなのである。



10は元々ふざけていたので割愛、

シノノメは、セシリア同様名前しか出していないキャラ。二章から出せたらなぁ。

でもそろそろガールズトークしたい。気づいたら女子キャラほとんどいなかったんだもの。


本編ex、も随時更新中

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