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第49話 閑話 アリスの過去 猟奇の果て

僕の名前はアリス

と言っても、性別は男なんだが、女の子っぽい顔つきなので女装をしている。

正確に言えば、女装をさせられていた、のだが服がこれしかないし、面倒なので着続けている。

いや、ちゃんと毎日洗濯はしているし?


僕の母はかつて、カヌレ王国のエリーゼと言う王女の下で異端審問官をやっていた。

しかし、毎日毎日毎日毎日、拷問して、処刑して、拷問して、処刑して……

こんな事を繰り返しているうちに、拷問の魅力に取り憑かれ、常に誰かを拷問したくなり、近所の人を捕まえては拷問、虐殺をしていた。

そして、その所業が衛兵隊に見つかり、王都ガストラを追われ、命からがらサノバビッチの村にたどり着いたらしい。


サノバビッチの村

狂人ばかりが集まる、呪われた村

この村は選ばれた者しか入る事が出来ない。

選考の基準はただ一つ、狂っている事。

戦闘狂

殺人鬼

レイプ魔

ロリコン

ペドフィリア

ネクロフィリア

ショタコン

ハードゲイ

リアルゲイ

エノラゲイ

狂信者

狂魔術師

……

中には狂気の正義マニアとかもいるが……

ちなみに、こんな奴らが集まれば殺人は日常茶飯事、となるはずだが、そうはならない。

この村に選ばれ、入った者は皆、仲間として認識してしまう呪いを受ける。

仲間同士では殺せない強力な呪いに、制限されるため、この村の住民全てが狂っていても、村の中は平和だ。

しかも、外敵も入れないので、身の安全を確保できる。


あと、生産性のない奴等が集まっているから、稼ぎは大体、村の外での殺しや掠奪で済ませている。

なんか、この村の専門の殺し屋ギルドもあるらしい。


そんな村で、僕の母は生きていた。

その後、母は死神と出会い、僕が生まれた。

死神と言っても、そう言う仇名の人間……

ではない。

正真正銘の死神


ある日、母が邪教の館に訪れた所、偶々死神が召喚されていたらしい。

圧倒的な死の威圧感、既に召喚者は事切れ、邪教の館の主ですら失禁していた。

しかし、母は絶頂し、恋に堕ち、いつのまにか交神の儀を経て僕を身篭った。

こうして、拷問マニアの殺人鬼と死神のハーフとして僕は産まれ、この狂気の村で育った。

だから、僕が人を殺す事なんて、生理現象の様なもので、ごく自然な出来事だった。


最初に人を殺したのは、4歳の時、近所のペドロおじさんが僕にお菓子をくれた時だ。

僕はお菓子を食べると、ふわっと眠くなり……

気付くとペドロおじさんが血を流して倒れていた。

そして、僕の手元には血塗れのナイフがある。


ちなみに、この狂気の村では仲間を殺す事は出来ない。

あくまで、仲間ならだ。

僕は産まれつきココにいるから、この村の仲間という呪いを受けていない。

だから、僕はこの村の人を殺す事ができるのだ。

まぁ、逆にこの村の人も僕を殺す事ができるのだけど、そこは血筋のせいか誰よりも殺すのが上手だった。

とはいえ、別に僕は狂っていないから、誰かを殺したい訳ではないんだけどね。


ちなみに、この村で仲間と言うのは生きている人間だけに有効なので、死んじゃった人への復讐や罰はない。

だから、僕が誰を殺そうと誰も気にしない。

母さんに、「ペドロおじさん死んじゃった〜」と言っても、「あ、そう」と返事が来たくらいだったしね。


その後も、僕は時々うっかりと村の人達を殺してしまい、母さんを殺したのも8歳の時だった。

更に、10歳の時には村人をほとんど殺してしまい……

生活ができなくなった。

やはり、食料を調達する人間は殺さずに残しておくべきだったかなぁ。


それはともかく、僕は10歳で村を出て、一人で生きていかなければならなくなった。

だが、僕には殺し以外にスキルが無く、できる仕事なんて殺し屋か強盗くらいしかなかった。

そして、村を出てすぐに、偶々いた殺し屋ギルドの職員に拾われて、12歳になった今は殺し屋をやっている。


「おい、アリス。

新しい殺しの依頼がきたが、やれるか?」

殺し屋ギルドの職員、バズさんが聞いてくる。


「問題ない、相手は?」


「旦那を殺した相手を殺して欲しい、と言う依頼だ。

場所は西のフレーゼ村、相手は……

オークだな。

片耳のオークを殺して欲しいらしいが、いけるか?」


「りょ」

そう言って、僕はすぐに準備し、フレーゼ村に向かう。


ちなみに、殺し屋だからと言っても、殺す相手が常に人間とは限らない。

と言うか、むしろゴブリンやコボルト、オーク等の魔物の方が多い。

普通の冒険者ギルドよりも魔物を殺す金額は安いからなぁ……

それ故に、貧乏な所、とりわけ小さな村からの依頼はかなり多い。

この辺りはかなり中央から外れているし、魔物が多いから仕方ないんだけどね。


しかし、オークか……

前に誰がが冗談で、「アイツ豚みたいな顔してるし、美味いんじゃね?」とか言っていたな。

まぁでも、魔物の肉なんて例え美味くても、人間には食えないらしい。

魔物の肉には魔素が含まれており、食べれば魔素に蝕まれ、病気になって次第に死んでいく、らしい。

ただ、実際はマズイから食べる前に吐くって事だから、普通は食べないんだけどね。


ちなみに、死神のハーフのせいか、僕は普通の人よりも身体能力がかなり高い。

それに、3日くらいなら、食事なし、不眠不休で動き続ける事ができる。

だから、フレーゼ村には2日くらいで走って到着した。

のだけどね……

フレーゼ村からの連絡が殺し屋ギルドに届くのは、寄り合い馬車を使ってどんなに早くても5日かかる。

そして、僕が受けてここまで来るのに2日、つまり計7日かかっている。

はぐれのオークが居座っているなら、まぁ1匹倒せば済む依頼だから問題ないんだけど、実際はオークは滅多にはぐれない種族なので、集団でいる。

つまり、村人を1人見つければ、オークの集団がやって来るのが自然な流れだ。


やれやれ……

ここは外れか。

既にこの村は、オークに占拠されている。

男達はや子供を産めない者は全て殺されて、喰われている。

そして、初潮を迎えた女は全て犯され、種付けされている。

種付けされた女は、一か月くらいは生きるが、その後オークの子供が腹を食い破って出てくる。

そして、オークの子供に喰われて死ぬ。

強く根付いてしまうため、堕胎はできないので、最終的には殺すしか無くなる。


つまり、生き残りは誰もいない。

もちろん依頼者も多分……

ただ、それでも依頼はこなさなければならない。

それが殺し屋ギルドの掟だから。

依頼が完了しなければ、ギルドに帰れない。

次の依頼も受けられない。

それは、僕がこの世界に生き残る術を失うのと同意義だ。

だから僕は、草やGを殺す依頼だって全てこなしてきた。

もちろん、既に対象が死んでいたり、失踪して見つからない場合もあるんだけど、そう言う時は依頼に近い相手を見つけて殺してきた。


と言う事で、面倒だけどオーク狩りを始めるかなぁ。

オークは脂肪が厚く、斬るのが難しいが、動きは比較的重鈍で、ちゃんと斬り裂けば倒せない相手ではない。

ちなみに、僕の得意な武器はナイフだ。

でも本当に得意な殺し方は……


丁度、オーク3匹がこちらにやって来る。

そして、僕を見つけると、舌舐めずりをして近づいて来る。

それを見た僕がナイフを構えると、オークは手にした山刀を振り回し始め……

オークAが振り回した山刀が、何故かオークBを斬り裂き倒してしまう。

そして、オークBが倒れる際にオークCの腹を突き刺してしまい、逆上したオークCがオークAを斬り伏せる。

更に、腹を刺されたオークCは、失血で倒れてしまう。


こうして、何もしないで戦闘は終了した。

これが僕の得意な殺し方。

因果律、ギルドマスターはそんな様な事を言っていたが、どうやら僕はある程度相手の運命を変える事が出来るらしい。

いや、運命を変えるって言うと願望が叶うみたいなイメージがあるが、どちらかと言うと、こうなったらいいな、じゃなく、こうなったら悪いなって言う事だけが相手の運命として訪れる。

ネガティブに特化した運命操作、恐らく死神の血族としての権能だろうけど……

ただ、強い運命を持つ者には効きにくい可能性もあるって言われたけど、今のところそんな人間には出会っていない。

ちなみに、サノバビッチ村の人はみんな運命が強いのじゃないかと疑問に思って聞くと、「所詮、自分を見失った挙句、呪いに支配される程度の奴らはその程度って事だろう」と、ギルドマスターは笑って言っていた。

もちろん、オーク位なら因果律を操作しなくても、僕一人の力で充分に抹殺できるんだけどね。

それでも、楽ができるに越した事はない。


さてさて、一応死んだオークが片耳かどうか調べるが……

両耳あるし、依頼の奴じゃないな。

仕方ないので、金になる魔石だけ奪って放置する。


その後も、村の中を適当にブラつき、適当にオークを倒しながら進んで行く。

おっと、ここが依頼の家か、中は……

2人の女が裸で倒れている。


「大丈夫?」

そんなわけないだろうが、一応僕が訊ねると、歳上の女から返事があった。


「貴女、こんなところにいたら……

危ないわ。

逃げなさい、そしてどこかの街に着いたら騎士団を呼んできて……」


「んー、騎士団はちょっとな……

依頼でオークを殺しに来た殺し屋なんだけど?

ちなみに、片耳のオークってまだ生きてるの?」


「殺し屋さん……

あのオークは村の中心に……

殺し屋さんお願い、ついでに私と、娘も……

人間であるうちに殺してくれないかしら?」


女は自分達を殺す様に依頼して来た。

そう言えば、オークに種付けされると自殺できないんだっけ……


「ん、200ジル」


「その机の中にいくらか入っているから……

好きなだけ、持っていって」


僕はそう言われ、机の中を見てみると、3000ジルほど入っていた。

ただ、僕は殺し屋で、野盗や強盗ではない。

だから、依頼料だけ貰って、2人を痛みすら感じない速さで殺す。

心臓を1突きし、首を一瞬で落とす。

心なしか……

転がる首の顔は穏やかに見えた。


それを見て、僕はサービスで腹の中のオークの胎児も殺しておく。

奴等なら母体が死んでも産まれるからなぁ。


って、そういえば因果律を操作すれば、ひょっとするとだけど、オークだけを殺せるかもしれない。

ちょっと難しくはあるが、多少ならば指向性を限定する事もできるしね。


でもまぁ……

例え胎児だけ殺しても、その後は生き残れないだろうしね。

何よりめんどくさい。

だから……

「ま、いっか」

と、一言残し、僕はその場を後にした。


依頼人が死んでも、そんなの関係ねー

アリスは、ただひたすらに依頼をこなして行く。


第50話 閑話 アリスの過去 殺しのライセンス

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