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第34話 宿敵

あの夢を見たからだろうか?

僕はなんだか無性にゴブリンのボスを倒さなければいけない気になってしまう。

いやまぁ、最初から殺す気だけどさ……

夢で見たボスが正夢なら、多分僕との相性は悪い。


筋肉質で背が高め、首には金属の輪をつけている。

ただまぁ夢だしな……

実際のボスと違っていたら、対策が無駄になるし、想定より強いとかなりヤバイのだけど。

でも、他に情報が無いので、夢の相手を想定して対策するくらいしかできない。


それに、その場の状況に応じて立ち向かうしか無い。

今までだってそうだし、これからも変わらない。

そう思えば、気分は軽くなる。

勝てば良いし、殺せば問題ない。

こちらが死ななければいいのだ!


うーん、最近ノリがオカシイ……

疲れているのかもしれない。

ゴブリンのボスを倒せたら、当分ハンターを休むのもいいかな。

どっちみち、この近くにゴブリン以外の魔物はいないって言われているし、そのゴブリンを殲滅したら、ハンターとしての仕事がなくなる。

つまり失業?

うーん、ハンターとしては増えるまで待って殺すのが正解なんだろうけど……

なんか、僕としてはそれは違う気がしてできない。


そんな事を考えながら、マルコさんの店に魔石の換金と、必要品の買い出しに行く。

僕は狩ってきたゴブリンの耳と魔石をジャラジャラとカウンターに出す。


「相変わらず凄い量だね〜

流石スカイハイのパーティーだね。

いやあ、僕もジャル様とアナ様の勇姿、一度は見てみたいものだよ」


これは僕が1人で狩ったんだよ?

なんて言っても信じてはもらえないだろう。

だから、敢えて僕はマルコさんに話を合わせる。


「あの2人がいればゴブリンなんて目じゃないしね。

ただ、いくらジャルとアナがいても、ゴブリンの住処は安全じゃないから、マルコさんは行かない方がいいと思うよ?」


「ブルーみたいな子供でもついて行ってるのにかい?

まぁ、私はハンターの資格がないから行かないよ。

あれ?そう言えば、昨日ジャル様を見たような……」


「それはともかく、また煙玉が欲しいんだけど?

そうそう、前から思っていたんだけど、この煙玉って何が入っているの?」


「これかい?

なんでも、煙の魔法符が入っているらしいね。

だから、無味無臭でむせたりしないし、一定時間で消えるらしいよ?」


「そうなんだ!?

それは初めて知った、だから高めなんだ……」


「まぁ逃走の必需品だしね。

とは言え、魔法の道具としては安い方なんだけどね」


そんな会話をしながら、僕は煙玉4個と、携帯食、軽くて丈夫な細いロープをマルコさんの店で買った。

ちなみに、煙玉は1個200ジルするのでなかなか高いのだが……

使い捨てとは言え魔法の道具なら仕方がない。

例えお金に余裕が無くても必ずいるものだし。

そう言えば、最初の1個目は父さんに貰ったんだっけ……

あれから何回か使ったけど、今は結構収入があるので普通に買える。

しかも、最近は逃走じゃなく、戦闘用に使用してるしね。


そんな感じで準備を済ませ、夕方には寝始めて深夜に起きる。

そして、前回と同じく、最小限の荷物でゴブリン討伐に出かける。

ヒルの巣窟への到着は朝、朝ご飯を食べたら再び寝ておく。


昼過ぎにヒルの巣窟で起きる。

いや、ダジャレじゃないよ?

遅めの昼ご飯を食べ、ゴブリンの洞窟へと向かう。

草原と森にはゴブリンはいない。

2匹が罠にはまって死んでいたくらいだ。

その他は、いつも通り洞窟を守っている。


数は……

19匹、2匹増えてるな。

と言っても、普通のゴブリンが増えただけで、準リーダー級ではない。

とりあえず、夜になるまで隠れて待つ。

深夜を回ると、ほとんどのゴブリンが寝ている。

奴ら冬とかも外で寝てるのか?


まぁ、それはそれとして、夜陰に紛れて1匹ずつ狩っていく。

できるだけ音を立てず、コッソリと、コッソリと……

流石に5匹殺したところで気付かれた!

それでも、帰り道にいた寝起きの3匹を殺し、即座に逃げる。


それからはゴブリン達は寝ずに起きていたので、僕はヒルの巣窟に戻り、寝る。

そして、また昼過ぎに戻ると、徹夜明けかゴブリン達は眠そうな顔をして欠伸をしている。

僕が顔を出してみると、怒り狂って3匹がこちらに向かってくる。

眠気で動きの鈍いゴブリンなんて、話にもならない。

こちらから迎え撃ち、速攻で片付ける。

残りは8匹!


残りはどうするのかと見ていると、何やらゴブリン達で内輪揉めを始めた。

ゴブリンリーダーが雑魚ゴブリンを殴りつけ、雑魚ゴブリンが気絶して動けなくなる。

それに対して怒った他のゴブリンが、ゴブリンリーダーに斬りつける。

7対1じゃ袋叩きだ。

そして、ゴブリンリーダーが死ぬと、他のゴブリンは逃げ出した!

逃せば村に行くかもしれない。

僕は焦ってゴブリン達を追い、1匹ずつ殺していく。

1匹だけ逃したが……

村の方とは別だし、諦めた。

散開されると流石に辛い。


さて、これで外のゴブリンは全滅したわけだけど……

洞窟の中には、恐らくボスとマザーであろう強い魔石の感覚、それと無数の小さな魔石の感覚がある。

って言うか、全部倒してもボスが出てこないって、何をしているんだろう?

流石に洞窟の中に入るのは少し躊躇われる。

とりあえずは、魔石等を回収していくか。


そんな感じで、作業をしていると、小さなゴブリンが洞窟から出てきて、辺りを見回していた。

そして、僕を見つけると慌てて洞窟に戻っていった。

暫くすると、強い魔石の気配が動き始めた。

こちらに向かってくる!

多分、ボスだろう。


それは、ゴブリンにしては身長が高く、僕よりも背が高い。

筋肉質で、身体にはいくつか防具をつけており、首には金属の輪をはめている。

あの夢で見たボスゴブリン、マッチョと同じ、いや若干痩せている気もするが、なんか目がギラギラして怖い。


そして……

槍を持っている!

ヤバイな、槍なんて初めてだし、ナイフや手斧ではリーチが短いから不利だ。

しかも、ボスゴブリンは筋肉質で力が強いだろうから、棍として振り回してもかなりの威力だろう。

幸い動きは鈍いみたいだけど……


まぁでも、僕だってただ待っていたわけではない。

トラバサミを仕掛けておいたんだが、チッ避けられた。

とりあえず、距離をとって様子を見る。


ボスゴブリンはこちらをしっかり見据え、一直線に突っ込んでくる!

それ程速くはない。

だが、あの槍を振り払われると厄介だ。

なので、ギリギリまで引きつける。

刺さる!

服が破けるギリギリの瞬間に屈んで避ける。

そして、懐に入り込み、血抜き君で一閃!

だが浅い。

そのまま後ろに突き抜けて振り返る。


ボスゴブリンは更に怒りを滲ませ、狂ったように叫びながら突っ込んでくる!

手斧がカタカタと震える。

まるで俺にやらせろよと言っているかの様に。


ならば……

僕は手斧を両手で持って、ボスゴブリンの槍先を正確に見定める。

そして、その刃に上から手斧を思いっきり振り下ろす!

ボスゴブリンの槍先は勢い余って地面に突き刺さる。

僕は、その槍の上を走り……

ボスゴブリンの首を金属の輪の隙間を狙って斬り裂く。


流石に致命傷にはならなかったが、

傷口を押さえ、叫んでいる。

強者程痛みに弱い。

あれだけ鍛えているのも、痛いのが怖いからかもしれない。


流石に片手で槍は振れないらしく、ボスゴブリンは槍を捨てて爪で襲いかかってきた。

とは言え、痛みで全く集中できてない。

軽く避けて、脇腹を斬り裂く。

確かに筋肉は多いが、力を入れていなければそこまで硬くはないので、容易に斬り裂く事が出来た。


再びボスゴブリンは痛みにのたうち回る。

内臓がはみ出ると、必死になって元に戻そうとしている。

ちなみに、雑魚ゴブリンですら、内臓がはみ出たくらいなら気にせず襲ってくるんだが……

どうもコイツはダメだな。

すぐに近寄って、今度こそ首を落とす。

「トドメだ!」

手斧はなんの抵抗もなく、ボスゴブリンの首を斬り落とした。


ついに、宿敵を倒した。

いや、僕にとっては宿敵でもなんでもないんだけどね。

だけど、手斧とバンダナの持ち主は喜んでいる気がする。

うーん、どっちのゴブリンも僕が倒したんだけど……

まぁねぇ、仕方ないさ。


そして、次は洞窟だ。


ついにボスを倒した少年は、洞窟の制圧を目指す。

最初からマザーの魔石が狙いだったから……

そして、洞窟の奥に潜むモノを倒しに向かう。


次回 第35話 マザー討伐

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