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第24話 再会

本格的に雪が降る前に、僕とアナはカンクの町へと向かう。

ただ、カシ村から少し外れたルートで……

やはり、あの事があったから、通りたくない気持ちが強いからだ。

まぁ、野営は慣れているから問題はないんだけどね。

前よりも、速く、無駄なく僕達は進んで行く。


カシ村を抜け、数日後にまたもや馬車が盗賊に襲われているのを見つけた。

盗賊は10人くらい。

対して馬車のガードは何人か倒されて、残り2人だ!

しかも、かなり傷を負っているのか、動きが鈍い。


「アナ、助けよう!」

そう言って僕は盾を構える。


「もちろんよ、ジャル。

私が弓で倒すから、近づいて来たらガードをよろしくね」

そう言って、アナは弓を引き、木の矢を射る。


アナの放った矢は、次々と盗賊達の喉、目、脚の付け根等の防具がない部分に突き刺さっていく。

遠距離からでも、1人、2人、3人……と、盗賊達は倒れていく。

逃げた2人は別として、結局8人の盗賊をアナ1人で倒してしまった。


ちなみに、アナはしれっと、

「ゴブリンに比べると手答えがないわね。

武器も防具もあるのに紙みたいだわ」

と言っていた。


そして、僕達が馬車に駆け寄ると、倒れていたのは……


ジルコニウム何とか?というパーティーのセルバさん達だった。

「セルバさん!

しっかりして下さい。

今手当をしますから」

僕ほセルバさんに声をかけるが……


「君は……

また助けられたな。


だ、だが俺はもうダメだ。


助からん。


だから、馬車の中のマルロさんを助けてやってくれ。


頼む」

と、息も切れ切れで僕に頼んできた。

なので、僕は、

「わかりました。

必ずマルロさんは助けますから」

と答えると、

「すまんな……」

そう言ってセルバさんは息を引き取った。


すぐさま僕達は馬車の中に乗り込み、怪我をしたマルロさんを見つける。

切り傷はいくつかあるが、致命傷ではない。

これなら助けられる!


僕は回復魔法でマルロさんの傷を癒し、アナは気つけ薬と薬草を取り出して飲ませる。

多少失血が酷く、顔はやや青ざめているが、死ぬ事はないだろう。


マルロさんの状態がある程度落ち着いたので、僕達は状況を確認する。

ジルコニウム何とか?のパーティーメンバーは、セルバさんを含め、全員が亡くなった。

御者の人も死んでいる。

一方、盗賊達は僕達がきた時には死んでいた3人を含め10人が死亡。

ただ、1人だけ瀕死だが生きていた。

というか、脚だけを狙われて生かされていたのかもしれない。

その1人にアナは問い質す。

「正直に言いなさい。

残りの仲間は何人いるの?」


「俺は知らない。

ただ、金で雇われただけなんだ。

頼むよ、助けてくれよ?」


「そう、なら指を一本落とすわよ?」

そう言って、アナは盗賊の指を一本切り落とす。

盗賊は絶叫しながら、のたうち回る。


「ほ、本当に知らないんだ!

逃げた奴らも、俺と同じで金で雇われただけだし。

頼む、殺さないでくれ!」


「そう、ならもう一本、指を落とすわよ?」

アナは更に盗賊の指を切り落とす。

こうして、盗賊の喋った情報をまとめると、どうやら盗賊のリーダーはマルロさんの商隊に恨みがあり、街のゴロツキを金で雇ったらしい。

そして、5人のガードに対して13人で囲み、じわじわとセルバさん達を殺していった、そういう事の様だ。

ちなみに、盗賊のリーダーはアナの放った矢で早々に死んだらしく、反撃が少なかったのもそのせいらしい。


それと、最後に残った盗賊は、アナに手足の指を全て切り落とされ、死なない程度に回復魔法を僕がかけた上で、顔の皮膚を剥がされた。

盗賊は、途中から殺してくれと泣き噦るが、アナは御構い無しだった。

最終的に足にロープを括り付け、反対側を馬車に結びつけ、町まで引き回したが、彼は途中で死ねた様だ。

まぁ望み通りだったかはわからないが……


あと、出発前には回復したマルロさんに確認してもらい、セルバさん達ジルコニウムウォールのメンバーの遺体は回収した。

盗賊達の死骸は、リーダーっぽい奴だけ回収し、あとは武器防具と貴重品を奪って死骸は放置した。

また別の盗賊に使われても厄介だしね。

馬車は、御者が亡くなっているので僕達がゆっくり馬を引きながら進む。

そのため、時間が思ったよりもかかってしまったが、幸い別の盗賊には会わなかったので助かった。


町に着くと、マルロさんからは報奨金として10000ジルを貰った。

あと、ウイングブーツと言う軽くて丈夫な靴と、アラバ村産の良質な魔石を3個貰った。

ってこの魔石……

僕達が狩ったゴブリンの魔石だよな?

まぁそんな事はどうでもいいんだけどね。


「しかし、君達が通りがかってくれて本当に助かったよ。

君達が居なかったら私は死んでいただろうし、本当にありがとう。

ちなみに、君達はこの後どうするんだい?」


「僕達はこの町でやる事があるので、暫くは滞在しますよ。

えっと、それと多分当分はマルロさんのガードにはなれないと思うので……」


「いやいや、私も専属ガードを失ったし、外商は廃業せざるを得ないよ。

まぁ、小さな店で細々とやるから大丈夫だよ。

それより、泊まる場所は決めてるかい?

まだなら、西地区の八華亭に行ってみるといいよ。

私の紹介と言えば安く泊まれるから」


「ありがとうございます、マルロさん。

じゃあ、セルバさん達の事は残念ですが、頑張って下さい」


「ああ、彼らは私が丁重に弔うから、安心しておくれ。

君達も元気でね」


そう言って、僕達はマルロさんと別れ、八華亭へと向かった。

八華亭は……

普段僕達が泊まらない様な豪華な宿だった

僕達が意を決して中に入ると、柔らかい笑顔の女将さんがいらっしゃいと迎えてくれた。


「君達がマルロさんを助けたって子供達だよね?

その歳で盗賊を倒したなんて凄いねぇ」

どうやらマルロさんから事前に話を聞いていた様だ。

僕はほんのちょっとホッとして、女将さんに尋ねる。


「それで、僕達は1ヶ月位泊まりたいんですが、いくらくらいかかりますか?

正直、こんな豪華な宿は初めてなんで……」


「普通なら、食事なし、部屋のみで1日50ジルだけど、マルロさんの紹介だし、盗賊を倒した英雄さんだからねぇ。

朝夕食事あり、共同風呂の使用ができて、2人用の部屋で1日30ジルでどうだい?

1ヶ月で900ジルだけど盗賊退治の報奨金があれば余裕だと思うけど」


「その金額なら全然大丈夫です!

なんなら1年でも泊まれるくらいだし。

って言うか、こんな豪華な宿なのにそんなに安いんですか?」


「豪華、豪華って言うけど、この町では4番目くらいやし、王都に行ったら貧乏宿なんだけどね。

まぁ、君ら位の歳なら仕方ないかな。

それに、案外損はしないのが商売人だから心配はいらんよ。

じゃあ、君達の部屋は2階の菊の間になるから、食事は座敷に用意しますので」

そう言って、女将さんは僕達を部屋に案内してくれた。

夕飯はとても美味しく、満足のいく量だった。

孤児院や、アラバ村の集会所に比べれば、夢のような居心地だ。


僕達は旅の疲れもあり、ゆっくり寝て、翌朝。

アナに連れられてとある路地裏に……

そこにいたのは、聖騎士だった。


「予定通りに着いた様だな、これが頼まれていた犯人候補のリストだ」

そう言って、聖騎士はアナに紙を手渡す。


「ありがとうございます、でもこれ以上は手出し無用でお願いします」

アナはそう答える。


「大丈夫だ、我々は関与しない。

ただのお前達だけの復讐だろ?」

聖騎士は意味深な事を言って、すぐに立ち去ってしまった。


「これで神父様達の仇を討てるわ!」

アナはそう言って、紙を握り締めた。

そう、この旅は銀翼十字団の放火魔殺人鬼に復讐する事。

聖十字教団とは関係なく、僕達の復讐として。


聖騎士から渡された紙に書いてあった候補は3人。

いずれも炎の魔法が使えるらしい。

正直、最初は僕としては気が乗らなかったのだが……

多分アナには必要なんだろう。

だから、僕達2人で、ここに来た。

アナのために?

いや、僕も心の中では恨んでいるのかもしれないな。

そう思いながら、僕達はこの3人の調査を始めるのだった。


少年と少女は炎の魔術士を探す。

彼らの育ての親を殺した仇討ちのために。

しかし、それは意外な人物だった……


第25話 炎の魔術士

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