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第20話 遠距離攻撃の恐怖

2匹目のゴブリンを倒した僕達は、すぐに耳と魔石を回収する……

はずだっだのだが、若いゴブリンは意外と解体が難しく、少し時間がかかってしまった。

そして、さっきのゴブリンの絶叫を聞きつけたのか、魔石の気配が5体近づいてくる。

しまった、解体に気をとられ過ぎたか……


僕達は、急いでヒルの巣窟の手前まで急いで逃げた。

しかし、ゴブリンはこちらに向かって来ている様だ。

魔物は、人間の匂いに敏感だって父さんが言っていたが、ゴブリンもやはり魔物、僕達の匂いを嗅ぎつけたんだろう。


流石に5体は戦えないし……

ん、待てよ?

ひょっとしてこの位置なら、いけるかもしれない!

僕はジャルとアナに作戦を説明する。

そして、ゴブリン5体がギリギリ目視できるレベルまで待ち、血抜き君を抜いて、ゆっくりとヒルの巣窟に入って行く。

ヒル達は僕達が入るのに合わせ、ザーッと逃げて行く。

そして、僕達の前とヒルの巣窟の入り口までに短い道が残る。

僕は血抜き君を持つ手に汗を握る。

この作戦、上手く行くのだろうか?

だが、あいつらを倒すにはこの方法しかない。

それに、僕の後ろにいるジャルとアナはもっと不安だろうし……


そんな事を考えながら、暫く待っていると、ゴブリンがヒルの巣窟の入り口に現れる。

ゴブリン達は、いつもとヒルの巣窟の様子がおかしいのに気づいたのか、慎重にこちらに向かってくる。

僕達は、ゴブリンと一定距離を保ちながら、ジリジリと後退する。


少し進むと、一番後ろにいたゴブリンの1匹がヒルの大群に呑まれた。

それを見て、別の1匹がパニクって逃げようとし、ヒルの大群に呑まれる。

残りは3匹。


3匹のゴブリンは、決死の覚悟でこちらに駆けてくる!

僕達も、ダッシュで蛇行しながら逃げる。

僕達の方が何度も通っている分、アドバンテージはこちらにある。

それに、ゴブリンはこちらのルートが予測できず、思う様にスピードが出ない。

1匹、2匹とヒルの大群に呑み込まれ、ヒルの巣窟を抜けた時に残ったのは、ゴブリン1匹。

しかも、ヒルまみれで死にかけている。


僕達は、完全に動かなくなったのを確認し、ゴブリンに近づく。

ヒルはザーッっと逃げだし、後にはゴブリンの死骸が残っている。

多分だが、血抜き君は抜いたままの方が良いと思うので、解体はジャルとアナにやってもらう。

そして、再びヒルの巣窟に入り、残りのゴブリンから魔石と耳を切り取る。

こうして、僕達は合計7匹のゴブリンを討伐する事に成功したのだった。


その晩の野営では、僕達は大盛り上がりだった。

「初めて、ちゃんとしたゴブリンを狩れたね!

アナも克服できたみたいだし、今回は大成果だったね」


「私はもう大丈夫。

これも、ジャルとブルーのおかげだよ。

ありがとう」

アナが頭を下げる。


「いや、ブルーとアナは大活躍だったけど、僕は何にもしてなくない?

ゴブリンだって倒してないし!」


「蛇を倒したじゃん!」「蛇を倒したわ!」

僕とアナの言いたい事がかぶる。


「えー、僕の初勝利って、蛇?」

と言うジャル。

初めての勝利の余韻か、みんなナチュラルハイな感じで笑いあった。


「そう言えば、あのヒルの作戦ならもっと沢山のゴブリンを狩れるんじゃないのか?」

ジャルが僕に聞いてくる。


「いや、実際のところ、ゴブリンがすぐに襲いかかってきたらヤバかったかもしれない。

多分、戦闘になったら全員ヒルに呑まれてたかもしれないしね。

だから、あれは最後の手段にしよう」


「うんうん、正直ヒルの方が怖いしね、私も賛成」


「そっか、じゃあ次は僕もゴブリンを狩らないとな」

ジャルはそう決意した。


「まあでも、蛇もよろしくね?」

そう言って、またみんなでドッと笑いあった。


その後は、素早く帰り、マルコさんの店に行く。

ちなみに、マルコさんの店で換金すると、討伐ボーナスも含め7000ジルになった。

子供の小遣いにしては、大金過ぎる金額だ。

そして、例によって分配でもめたが、最終的には、僕3000ジル、ジャルとアナが2000ジルずつになった。

ジャルとアナは最初、1000ジルでいいって言ってたから、2000ジルずつ強引に渡したんだけどね……


「そう言えば、2人はこのお金で何か買うの?」


「私は鉄球!」


「僕は野営用のスパイスかな、味付けに幅が欲しいし。

後は、いつかこの村で家を買いたいから、2人でお金を貯めているんだ。

そう言えば、ブルーは何か買ったの?」


「僕はね、ジャーン!

このマントを実は頼んでいたんだ」

そう言って、3枚の皮のマントを取り出す。

背中にはおっきく″スカイハイ″と書いてある。

僕は、ジャルとアナに1枚ずつマントを渡す。


「まだ夏だし、暑くないか?」

「後ろの文字がダサい」

と、ダメ出しされてしまった……


「いや、なんかみんなでお揃いの物があったら良いなって。

これを見れば、スカイハイのメンバーだってわかるでしょ?

だから、前から準備していたんだよ」


「まぁ、冬には使えるし、ブルーありがとうな。

ちょいダサだけど」

「私も嬉しいよ、ありがとう。

ちょーダサだけど」


「もー、僕にセンスは求めないでよ!

とにかく、これからもよろしくね」


新調したマントを皆で着けて、少し歩く。

皆んなの団結力がアップした、そんな気がして、皆んな手を繋いで歩いた。

きっと僕は、この嬉しさを忘れないだろう。


その後は、5日程休んで再びゴブリン討伐に出掛けた。

盆を過ぎたので、これからは少しずつ暑さが和らぐだろう。

もうすぐ秋が来て、収穫の時期になる。

そうすると、畑仕事が忙しくなるので、今の内にゴブリン討伐に出掛けておこう、と言う話になったからだ。


いつも通り、数日かけてヒルの巣窟にたどり着き、僕が血抜き君を抜いてヒルの巣窟を抜けて行く。

気持ち程度だが、ヒルが少なくなった気もするなぁ……

あと、残念ながら、今回はゴブリンの死骸が見つからなかった。


ヒルの巣窟を抜けると、草原が広がっている。

そして、その先にゴブリンの生息する森がある。

前回は森の手前にゴブリンはおらず、かなり奥まで進んで会敵したのだが……

今回は、森と草原の境目の森側にいる様だ。

しかも、2匹いる。


つまり、この前の様な囮作戦は使えない。

とりあえず、様子見に僕が斥候に出る。


ちなみに、この前の教訓を活かし、消臭リッキーと言う消臭剤を買って使ってみた。

なんでもリッキーさん謹製の消臭剤で、魔物に気づかれ難くなるらしい。


これで、ゴブリンの追跡がかわせれば良いのだけど……

そう思いながら、僕は草原を慎重に進んで行く。

そして、ゴブリンがそろそろ見えるかな、と言った距離で……


何か飛んでくる!

僕は咄嗟にマントで打ち払う。


それは、矢だった。

弓ゴブリン、ヤーフルさんは滅多にいないと言っていたが、やはり存在はしているらしい。

木の上に弓ゴブリンが1体、その下で護衛なのかナイフゴブリンが1体いる。


そして、弓ゴブリンは更に次の弓を準備している。

ナイフゴブリンは動かない。


僕は……

逃げた。

結局、ゴブリンは追って来ず、怪我は無かったが、脇目も振らず全速力で走ったため、汗ダクで顔も蒼白だったらしい。

更に、マントに矢が刺さっていたので、顔面蒼白な僕を見てジャルとアナも僕に弓が刺さったと思ったらしい。

その後、「大分焦ったんだからね!」と言われ、僕は2人からかなり怒られたのだった。



1体とはいえ、弓ゴブリンは少年達の脅威だった。

そして、少年達のとった作戦は……


第21話 夜襲

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