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第107話 死練

さて、僕の決意?に対して、これからの事を話そう。


「という事でさ、まずはヨードさん達を、一人前の冒険者に育てようと思う。

それが終わったら、僕は第10階層の先に進む。

あ、でもみんなは無理について来なくても良いからね?

多分、真ゴブリンスピリッツよりも大分強い敵が出ると思うし。

みんなを庇う余裕も無くなってしまうだろうからね?」


「ちなみに……

ボロンはどうするんです。

シアンさんはアイツを許すんでしょうか?」


「俺は、シアンさんを裏切った奴を鍛えるのは反対ですが……

もちろん、シアンさんの命令なら従いすけど……」


「ああ、ボロンは……

流石に殺しはしないけどさ、罰は受けてもらおうかなぁ。

彼が変な事をしなければ、サナは無事だったかもしれないしね。

ある意味、主犯格かもしれないね。

それはともかく……」


僕は今後のやり方について説明する。


「えっと、確かに僕もそうでしたけど……

本当にやるんですか?」


「俺も、ちょっとやり過ぎな気がしますが……

でもまぁ、シアンさんの考えなら……

なら、最初の部分は俺とクロロでやりますので、シアンさんは後処理をお願いしても良いですか?」


「別に僕は良いけど……

そんな汚れ仕事を2人にさせていいの?」


「いつかは、僕もベルゼも経験しないといけないし……

シアンさんばかりにやってもらう訳にはいけませんので。

大丈夫、ちゃんと加減はしますから」


「じゃあ、クロロさんとベルゼさんに任せるよ。

ただし、やり過ぎは注意してね。

あんまり酷いと、後処理できない可能性もあるからね?」


こうして、僕達は上層に向かう。

安全地帯には、ヨードさん、ブロモさん、アスタチンさん、サルファさん、ニトロさん、そしてボロンが居た。

ボロンは、僕の顔を見て、まるで幽霊に会ったかの様に驚いている。


「えっ……

シアン君……

生きていたの?

いや、なんでもないって言うか……

第3階層の隠し部屋に入ったって、誰かが言っていたし……」


ボロンは、勝手に独り言を言っているが……

後退りしても、逃げ場はない。

僕は近づいて肩を叩く。


「ボロンさん、僕はちゃんと生きてるよ?

というか、あの程度の雑魚が無限に湧いたって、僕は殺せないよ。

それに、裏で糸を引いていた、ポテ三兄弟は殺したし。

あとはボロン、貴様だけ。


あのさ、実際君は、あいつらの仲間だよね?」


「いや、そんな……

グッ、息が……

苦しい……

助けて……」


ボロンが苦しみ始める。

何故なら、嘘をついたら苦しむ様に洗脳魔法をかけたからね。


「あのさ、嘘をついたら息ができなくなるよ?

さぁ、苦しみから逃れたいなら、正直に話してごらん」


「くっ……

そうです、オイラは……

ふうふう。

オイラは、団長のヨグソトース様に雇われた内偵です。

みんなの状況を、定期的に報告して……

時には邪魔を排除する。

そんな役目をしています」


「つまり、みんなを裏切り、苦しませた張本人って事でいいのかな?

あのさ、少しは心が痛んだりしないの?」


「もちろんオイラだってやりたくは……

グッ、苦しい……


嘘だよ、騙されてきたガキが苦しもうと、何とも思わないさ。

オイラが、オイラだけが助かればいい、そう思って、いるんだよ。

でも、そんなのみんなやってる事だろ?

オイラだって、騙し騙され生きてきた。

別にオイラだけが悪い訳じゃない。

騙され、利用される奴が悪いんだ、何がいけない?」


「そうだなぁ……

何が悪いかって言ったら、僕の実力を見誤った事と、サナに手を出した事、この2つかな?

それとさ、これを聞いたみんなは、ボロンを許せるのかなぁ?」


「少なくとも、フルオロの仇なら、僕は許せないです」


「俺は、直接恨みはありませんが、シアンさんを下に見たのは許せないかな」


「僕達も、仲間の振りをして、騙していたなんて……

許せません」


クロロさん、ベルゼさん、そしてヨードさん達も同じ意見らしい。

ならば、やはり、ボロンには罰を与えなければならない。


僕は、ボロンに痛覚が倍増する闇魔法をかけ、痛み以外が持続的に回復する聖魔法をかけた。

そして、右手で軽く平手を喰らわし、痛んでいる隙に、武器や防具を奪う。


「さぁ、みんな。

気がすむまで、ボロンを殴って良いよ。

ちゃんと死なない様に、しているから遠慮は要らないよ」


「なら、フルオロの仇!」


クロロさんが数発殴って、蹴る。


「テネシンの仇!

よくもみんなを騙したな!」


ヨードさんが転がるボロンを何度も蹴る。

そして、他の人も、気がすむまで、何度も何度も殴り、蹴る。

その度に、ボロンは苦痛を感じ、それでも死ねない。

皆の溜飲が下がった頃合いを見つけ、僕はボロンに話しかける。


「どうだい?

苦しいだろ。

でもね、それ以上の苦しみを、皆が味わって来たんだ。

だから、いくら自分のためって言っても、許される訳がないんだよ?

わかったかい」


「わかりました、もうしませんから……

許してください。

そうだ、団長との交渉役をかって出ます。

だからオイラを、殺さないで!

お願いします、もうシアン君には逆らいませんから!」


「悪いけど、もう遅いかな。

とりあえず、殺しはしないけど、石になって数十年は反省してね」


そう言って、僕はボロンに石化の魔法をかける。

ボロンは石化し、ただの石像となった。

これで、誰かが解くか、数十年後には元に戻る。

それまでは、意識もなく、ただの石像として、ここにいて貰おう。

それが、ボロンに与える罰なのだから。


その様を見て……

皆は無言になる。

まぁ、仕方ないよね……

とりあえず、僕の能力について、ちゃんと話しておこう。


「えっと、多分勘のいい人はわかっていると思うけど、僕は魔法を使える。

しかも全属性のね。

ただ、生まれつき、魔力は全くないから、自分の魔力では使えない。

じゃあどうして魔法が使えるのかって言うと、魔物とか人の魔法から魔力を奪えるから。

その修行の為に、僕は死にかけるほど、いや実際何回かは死ぬ様な試練をこなして来た。


それに、年齢的には冒険者見習いだけど、実際は魔物を1人で狩っている。

このダンジョンへも、修行に来たんじゃなく、別の目的があって来ているし。

ちなみに、君達が目指している真ゴブリンスピリッツ位なら余裕だから、既に何度も狩っているよ?

まぁ、刀を持っているだけで、強さは外のゴブリン程度なんだけどね。


それと、僕の武器はこの短刀なんだけど、血抜き君って言って、まぁ所謂呪いの武器みたいなものだよ。

僕は効かない体質らしいんだけど、他の人は触らない様にね。

あと、左手の手甲も同じく、呪いの防具でだから注意してね。

僕に関してはこんなところかな。


そして、クロロさんとベルゼさんは、僕が助けて修行した。

傷を治し、身体を鍛え、武器を与えた。

まぁクロロさんのアイスブランドは、力を入れ直しただけだけど。

その甲斐あって、今では第8階層でも何とかやっていけるレベルになった。


という事で、他の人達にも同じ修行をして、強くなって貰おうと思う。

こんな感じで、なんか補足はあるかな?」


「僕は、あの時ヨグソトースJr.に挑み、そして一度死にかけた。

だけど、シアンさんが助けてくれた。

ちなみに、みんなが一度元気になったのもシアンさんのおかげなんだ。

だから、僕達はシアンさんに何度も命を救われている。

それに、アイスブランドをこんなに強くしてくれたし、修行もしてくれている。

そんなシアンさんに、僕は忠誠を誓っているし、尊敬もしている。

そして、ハイドロ家の家名を献上した。

つまり、僕の主君になるんだ、ヨードとブロモ、アスタチンはこの意味を良く考えてくれ。

もちろん、みんなは実感が湧かないかもしれないが、シアンさんの修行を受けてみないか?」


「俺も死にかけの所を、シアンさんに救われた。

しかも、この魔刀まで与えてくれた。

ちなみに、皆に渡した魔石も、実際はシアンさんが持ってきたものだから。

少しでも恩を感じているなら、俺やクロロの様に、シアンさんに従うべきだと思う。

というか、嫌な奴は出て行ってもらうつもりだから、覚悟しておいた方がいいぜ?」


「ちょ、まぁ2人はこう言っているけど、無理強いするつもりは無いから。

あくまで、自分で希望する人だけでお願いします。

それで、どうする?」


僕が聞くと、ヨードさん達は暫く話し合いを始める。

そして……


「僕とブロモ、アスタチンの3名は、ハイドロ家の家臣として、シアン様に付き従います。

どんな修行にでも耐えますので、よろしくお願い致します」


「いや、様づけとか止めてくれないかな?

元々は農家の三男なんだし、ベルゼさんやクロロさんにも、さんづけで頼んでいるくらいだからね?


それと、本当にいいの?

クロロさんとベルゼさんは成り行き上仕方なかったけど、君らには選択肢があるんだよ?」


「いえ、僕達はもう、産まれた場所には帰れませんから。

だから、これからの事を考えれば、強くならないと生きれませんし、だからお願いします、シアン様!

じゃなくて、シアンさん」


「ならば、わかったよ。

あと、サルファさんとニトロさんは?」


「僕達も、冒険者になるしかないから……

お願いします」


「うん、じゃあ早速修行を始めるよ?

はい、それじゃ皆さんにはこれから、一回死んでもらいます!

ベルゼさん、クロロさん」


僕の合図で、ベルゼさんとクロロさんが皆の首をよく切れるナイフで掻っ切っていく。

ちなみに、ヨードさん達は魔法で動けなくしたから、逃げる事も、抵抗もできない。

そして……

死ぬギリギリのところを見極めて、ポーションを飲ませる。

これで、失血による死をしっかりと感じただろう。

なんとか回復して、起き上がった皆に僕は言う。


「おめでとう、これでみんなは死から戻り、死の恐怖を克服した。

それはとても凄い事だから、誇ってもいい。

死の恐怖を克服すれば、魔物なんて怖くないしね!

さぁ、それじゃ早速ですが、筋トレから始めるよ〜」


こうして、僕は回復したてでフラフラのヨードさん達を、無理矢理に筋トレをさせて鍛えるのだった。


辛い修行を受けた若者達は、無事に育っていった。

そして、少年はついにあの場所へと向かうのだった。


第108話 その先へ

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