表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/145

第105話 逆恨みの末期

僕は、ジャンの最後の言葉に、一瞬唖然としてしまった。

しかし、その一瞬はイヌゴブリン達が僕に襲いかかるには……

十分な時間だ!

イヌゴブリン達は、一斉に僕に向かってきて襲いかかり、噛み付こうとする。

いや、遅いかかる、か?

狭い部屋で逃げ場はない。

それでも、なんかムカムカしている僕を、この程度の雑魚に止めれる訳がないだろ?


まず、1匹掴んで、別のイヌゴブリンにぶつける。

思い切り振ったら、3匹くらいがいい感じに吹き飛んだ。

マヌケめ、過密すぎるんだよ。

その勢いで、後ろの3匹もコケる。

残り3匹は、隙間を縫って肉薄してくるが、3匹くらいは敵じゃない。

1匹ずつ、確実に顔面をぶん殴る。

別に、そんな事をする必要は全くないんだけど、ほとんど腹いせみたいな?

あまりに強く殴り過ぎたため、脳漿が飛び散り、ちょっと臭い。

3匹殴り終えると、コケただけの3匹が起き上がり、鋭いその爪を僕に突き立ててくる。

僕は、右脚で手前のイヌゴブリンをヒザ蹴り、右脚を下ろして足刀で左のイヌゴブリンを蹴りつつ、右肘で肘打ちして、ほぼ同時に倒す。

3匹とも、首が捻れ死亡。

最初に掴んだイヌゴブリンも、死んでいるので、後は3匹か。

その3匹も吹き飛んだ衝撃で、まだ倒れたまま。

なので、1匹ずつ足で頭を踏み潰して殺す。


でもまだ……

殺したらない。

そう思ってるいると、イヌゴブリンの死骸はすぐにダンジョンに吸い取られ、魔石だけが残る。

いつもなら、そんなに早くないのに……

しかも、魔石だけ残った事なんて一度もない。

オカシイ、可笑しい?

まぁ、別に解体しなくていいから、便利なんだけどね。

それより何より、死骸が吸い込まれると、すぐにイヌゴブリンがリポップした。

なるほど、だから、魔石が切れるまでは際限なくイヌゴブリンが出る、そんな仕組みか?

コレは……

いいなぁ。

雑魚でも、出続ければそれなりに脅威になる。

まぁ100匹以上倒せば、きっと気も晴れるだろうし。

とにかく、魔石だけ回収して、即座にイヌゴブリン共を駆逐していく、殴るか蹴りで。


そんなこんなで、今が100匹目、流石にクロロさんやベルゼさんならこの辺が限界かも?

僕もメンドくさくなってきたし、そろそろ血抜き君を使い始める。

斬って、斬って、斬って、斬る、そしてkill

ザクリザクリと刺しては、斬る。

そして、200匹、もうかなりメンドくさくなってきた。

ちょっと弱過ぎて、退屈な作業になってきたから。

それでも、相手は待ってはくれないから、とにかく斬る。

身体強化の魔法も入れて、スピードアップしながら斬る。

10匹まとめて斬ると、効率は良いらしい。

魔石を拾う時間も取れるし。

それからすぐに、なんだかんだで400匹。

もう、完全に作業と化している。

正直言って飽きてきた。

まぁ、でもこの部屋の魔石のストックも切れてきたみたいで、イヌゴブリンはあと100匹くらいだろう。


そう思っていたら、10匹分のイヌゴブリンの肉体がぐちゃぐちゃに掛け合わさり、中に100匹分の魔石が入った変な生物、まぁ魔物なんて元から変な生物だけど、そんな感じなのが出てきた。

と言っても、所詮はイヌゴブリンの肉体、そんなには強くない。

それに、チグハグ過ぎて、動きもおかしい。

うーん、なんだろう、400匹も倒される事を想定していなくて、変な作用が働いた、そんな感じ?

それでも、流石は魔石100個分らしい、斬りつけても、すぐに再生してしまう。

これで強ければやり甲斐はあるんだが……

動きが鈍く、つまらない。

死ぬまで斬りつけるだけの相手なら……

僕は、イヌゴブリンの集合体の頭をペスで殴りつけ、気絶させる。

流石に気絶すれば、動けなくなるらしい。

そして、血抜き君に充分に血を吸わせつつ、集合体の再生よりも早く斬り裂いていき、魔石の塊を一気に引き抜く。

これを2、3回繰り返すと、残りの魔石は5個くらいになった。

10匹分のイヌゴブリンに5個の魔石。

やはり、身体が維持できないらしく、腕や脚から崩壊していった。

残ったのは、5匹分のイヌゴブリンの肉体、と言っても腕と腰から下が崩壊して、もうないから、不完全な出来損ないだけど。


僕は、動けないソイツを蹴飛ばして遊び、最終的には全魔力を吸い取って干からびさせる。

こうして、僕が集合体を倒すと、後ろの扉のロックが外れた音がした。

ちなみに、宝箱の中は……

鋼鉄の鎌だった。

しかも、魔力は一切こもっていない、普通のよく切れる鎌だ。


疲れた……

なんだかとっても疲れた。

もうなんか、どうでもいい。

ジャンの事も、ボロンさんの事も、サナの事も……

それはどうでも良くない!

いかんいかん、疲れで大分思考能力が落ちている。

サナの事が一番気になるのだから、それだけは忘れてはいけない。

とりあえず、回復魔法で疲れを癒し、冷静になって考える。

このままでは、ジャンはサナにも牙を剥くかもしれない。

そうなったら、取り返しがつかない事になる。

やはり、ジャンを追わないと。


僕は、急いで上層の安全地帯に向かうと、そこにはジャンとサナがいなかった。

とりあえず、手前にいたニトロさんに事情を聴く。


「えっ?

ジャンはさっき帰ってきて、サナさんを連れて何処かに行ったよ。

その前にポテ三兄弟も居たから、危ないって注意はしたんだけどさ」


ニトロさんのその言葉に、僕は嫌な予感がして蒼ざめる。

第1階層は誰もいない。

第2階層には、人の気配がする。

僕は急いでそこに駆けつけると……


あ、あああ、ああ、あ……

そこにはジャンが死んでいた。

死骸の傍らでは、ジャンの魂が言い訳を叫んでいる、見苦しく。

そして、その後ろでは……


サナが……

僕だってもうそこまで子供じゃない。

夜の森で動物達がしているところや、盗賊達が攫った女性にしているところを見た事だってある。

それを、サナが、無理矢理、ポテに……


あまりの絶望に膝をついてしまう。

身体に力が入らない。

何故だ、何故、何故、何故……

そんな僕の様子を見て、鉤爪の男、確かポテリコだったかは、僕に語りかける。


「なんだ、あのガキか。

人の死体を見るのは初めてか?

ヨグの兄貴は気をつけろって言っていたが、大した事ないな。

まぁ、見られたからには、お前も死んでもらうぜ?

恨むなら、こんなダンジョンにホイホイついてきた、己の愚かさを恨むんだな。

じゃあな、あばよ!」


そう言って、ポテリコは僕に鉤爪を振り下ろす。

そして、僕は……

無意識に、ポテリコの心臓に血抜き君を突き立て、一瞬で干からびさせて殺してしまう。

えっ?

僕はなんで……

なんで楽に殺してしまったのだろうか?

咄嗟とは言え、絶望で力が抜けていたとは言え、こんな奴を楽にしてしまった。

なんだか、僕はそんな自分に怒りを覚え、許せなくなった。

だから、次は、ちゃんとやろうと気合いを入れ直す。

まずは、こちらを気にせずに順番待ちをしているポテロンから。


「なぁ、ポテチ。

早くオイラにもヤらせてくれよ」


「うるさいな、まだ俺が楽しんでいるだろ。

それより、さっきガキの声がしなかったか?」


「さあな、そんなのポテリコが殺したんじゃないか。

それより、オイラもう我慢できねーよ、早くしろ」


2人は、僕に気づかずに呑気にそんな会話をしている。

だから、僕はポテロンにこっそりと近づき、背中の脊髄の辺りに、麻痺の魔法をピンポイントで打ち込む。

これで、全身が動かなくなるはず。

そして、ポテロンは膝から崩れ落ち、パタリと倒れる。

次は、サナを汚しているポテチ。

ただ、一応行為としては知っているが、やった事はないので、無理矢理剥がして良いのかわからない。

だから、僕はポテチの行為が終わった瞬間を狙い、やはり魔法で脊髄を麻痺させる。


ポテチが倒れると、僕はサナに駆け寄り、汚れた全身を濡れた布で綺麗に拭き取り、綺麗な毛布に包んだ。

それでも、サナはショックが大きかったのか、虚ろな目をして、無言だった。

まるで、僕が来るのが遅いと責めているかのように……

僕は催眠魔法でサナを眠らせ、全身に回復魔法をかけ、更に洗脳魔法で嫌な事を忘れさせた。

これで、何もかも忘れて幸せに生きてくれれば……


それは別として、サナを汚したこの3人は許せない。


「さあ、お仕置きの時間だよ?」


僕は無表情でそう言って、どうしようか考える。

最初はポテロンからかな。

とりあえず、ポテロンの鉈を奪い、手足の指の先っぽだけを少し切り落とす。

更に、顔の皮膚を剥がしてみる。

そして、麻痺の魔法を解除すると、ポテロンは血を流しながら、地面を転がる。

最初は絶叫しながら、次第に力が抜けていき、最終的に動かなくなった。

すかさず、僕は麻痺の魔法をかけ、体力だけは回復させてから、目を抉り、耳を削いで、指先を更に少しずつ切り落とす。

それから再び、暫くはポテロンが絶叫しながら転げ回る様を、淡々と眺める。

こんな感じで、10回くらい繰り返すと、流石に失血し過ぎて回復しなくなる。

このままだと、ポテロンは……

死ぬ。

それはつまらないなぁ……


という事で、僕はポテロンを土魔法で壁に埋め、暗黒魔法をイメージして魔法をかける。

ターンアンデット、対象をゾンビやスケルトンにする魔法で、師父からは禁忌と言われた魔法だ。

まぁ、師父はもういないし、このダンジョン内だけなら……

そして、暗黒魔法なんて初めて試したが、結果は上手くいった様だ。

ポテロンは地中に半分埋まって出れないまま、ゾンビと化している。

ちゃんと魂も固定されているから、良い感じだ。


「だ、ダズゲでぐれ、グルジイ。

サムイ、イダイ……

もう、コロジテグレ……」


「ダメだよ、サナの苦しみに比べたら大した事ないんだから。

お前には未来永劫、ここで贖罪の苦しみを味わってもらわないとね」


「ゾンな……

オイラ、何もシデナイのに……」


ちょっとうるさいので、喉の部分だけ聖魔法で浄化し、喋れなくする。

すると、苦痛の表情を浮かべたので、別の場所も適当に浄化しておいた。

これできっと、ポテロンも自分の犯した罪を知り、反省するだろう。

そして、次はポテチだ。

コイツは特別だ、サナにあんな事をしたのだから……

反省?

そんなんで済むわけがない。

ポテロンよりも、もっと苦しんでもらわないと、釣り合いが取れない。


まずは、僕はポテチの指先だけに、ピンポイントで身体強化魔法をかける。

すると、ポテチの指先は一瞬膨らみ、肉塊を飛び散らせて弾け飛ぶ。

ふふっ、やっぱり僕とポテチの相性は悪いみたいだ。

アナとジャルみたいに、身体強化はできない様だ。

次はそうだな……

僕は、ポテチの心臓付近にイヌゴブリンの魔石を埋め込んでみる。

人間に魔石を埋め込んでみると、魔物になるのか?

前からちょっと興味があったんだよね。

そして、魔石を埋め込まれたポテチは、暫くの間、脊髄が麻痺しているにもかかわらず、釣り上げられた魚のように、ビチビチと跳ねていた。

その後、暫くすると動かなくなり、全身が緑色に変色していった。

そう、まるでゴブリンの様に……

更に、暫くすると、ポテチゴブリンは立ち上がる。

麻痺の魔法はまだ効いているのに。


「グワッ!

すごいぞ、力が漲る!

ハハ、グハハ。

俺様は無敵の力を手に入れたぞ!

ウヒャヒャヒャヒャ、これならば……

血が見たい、肉を貪りたい、そこの雌から?

いや、ガキからの方がいいか。

フン、貴様など一捻りで殺してやるぜ!」


そう言って、ポテチゴブリンは、装備している鎌を構え、僕に近づいてくる。

強さとしては……

ゴブリンリーダーくらいか?

本人は魔石の力で強くなった気になっているが、僕からみたらかなり弱い。

でもまぁ、魔物化したならちょうどいい。

僕の罪悪感もちょっと減るしね。

まずは鎌の攻撃を軽く避け、身を躱す。

そして、全身に数回痛打を喰らわせる。


「グボッ、何だ?

俺様はかなり強くなったはずなのに!

何故だ?!

こんなガキに……」


「それは、所詮は君がその程度だった、そういう事なんだよ。

本来なら、サナが本気なら君達は死んでいた。

あの時、僅かにヨグソトースJr.に撃つのを躊躇わなければ……

とっくに君達は死んでいた。

だけど、サナは弓を壊され、そして君達の卑怯な奸計に嵌められ、傷をつけられた。

サナが、どんなに深く傷ついたか、貴様に想像できるか?

だから、僕は君を許さない。

苦しんで、苦しんで、苦しんで、永久に苦しんでほしい。

そう思ったから、君を魔物にしてみたんだよ?

ただ、イヌゴブリン程度のクズ魔石だからね、

さて、お遊びはこれまでだ」


そう言って、僕は魔鋼糸と言う特殊な糸で、ポテチをぐるぐる巻きにする。

まるで焼豚のように……

ポテチの焼豚って、名前だけならちょっと美味しそうだが、見た目はただの魔物だし、食べる気にはならない。

そして更に……


「ヤメろ!

お願いだ!

それだけは、グッ、ガー!

痛い、痛い……」


と、宣うポテチに気にせず、魔笹の竹で作った竹竿を、ポテチの尻の穴から刺していき、腸は突き破り、胃を通し、食道から口まで貫通させていく。

所謂、串刺刑ってやつだ。

まぁ魚なら良くやるけど、実は魔物でも良くやられる事がある。

こうすると、魔物は直ぐに死ねず、動く事も出来ずに泣き叫ぶ姿を見せる事で、魔物避けになるからだ。

それに、魔笹の竹竿を使ったから、魔力が少しずつ伝達され、半永久的にポテチは死なないだろう。

死ぬ事もできずに、永久に身体の内部から全身に痛みを感じ、寝る事も、気絶する事もできない。

まぁ、それでも生温いかもしれないが……

さて、その次は……


少年は、決意する。

今までの反省を活かして。

だが、それは間違った方向ではないのだろうか……


次回 第106話 決意

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ