津村
「そうか。斉藤と古川は地球人ハイランダーの中の突然変異というわけだ」
「その通りだ。理解できたようだなゴリラ」
「だがな、いくら肉体改造しようとも所詮は地球人よ。ゴリラハイランダーの中でも全知全能の神を超越したこの俺に勝てる道理などない」
その時、無の空間に穴が開いて、そこから男がこの場に乱入してきた。その男の頭はトカゲであったので、トカゲハイランダーと思われる。
「お前!何故ここに」
ゴリラの言葉にトカゲはそっけなく応じた。
「俺だけじゃない。今日はあの方も来ている」
トカゲに続いて穴から姿を見せたのは、白のシャツに黒のジーンズという軽装の奴だった。
しかし、服装とは裏腹にソイツから放たれる禍々しいオーラを斉藤と古川は感じ取った。何者なのだコイツは。
古川がソイツの思考を読み取ろうとしたが、無駄だった。ソイツは古川の思考読み取りを防ぐくらいの技術は持っているようだった。
ソイツの姿を見るなりゴリラの表情が一変して脂汗を額ににじませた。ゴリラが恐れる程とは一体。
ソイツが口を開き始めた。
「小川夏樹。最近姿を見せぬとおもっていたが、いつまで油を売っておる」
あわててゴリラは無の空間で膝をつき、ソイツに謝した。
「申し訳ございませぬ!奴ら2人との戦いがあまりにも面白く・・・この小川夏樹、一生の不覚であります!!」
「まぁ、良い。しかし今までの歴史を振り返って見たところ、この斉藤と古川は中々興味深い存在だったぞ」
こいつ・・・!過去の歴史を全て閲覧する事が出来るのか・・・!とするとゴリラよりも遥かに上の存在か。と古川は恐れおののいた。
ソイツがニヤリと笑った。
「ふふふっ、今俺の事を恐れたな。動揺したな。そんなに俺が怖いのか」
古川は察した。コイツは心の中を自由に読んでやがる。斉藤と古川には思考を読ませぬようにジャミングしているはずだが。
「進化に行き遅れた地球人の中でもお前たちのような存在は興味深いな。どうだ俺たちの仲間にならぬか?」
「その前にお前達は何者なんだ?業魔の手のものか?」
ソイツは語り始めた。
「教えてやろう。俺は業魔総司令、津村だ」
ソイツは津村と言うらしい。
「このゴリラは我ら業魔幹部会の一員である。他にも数人のメンバーを我々業魔は保有している」
なんてこった・・・!ゴリラの他にもまだ戦力をもっているのか。
津村が尋ねてきた。
「斉藤と古川は神を信じるかい?」
古川が答える。
「この世界の仕組みついてはもう理解している。複数の神が管理する無限世界だろ?」
「そこまで君らは把握していたとはな。そして神を脅かす存在が現れぬ限り、神は直接下位世界に干渉したりしないんだ」
「どういう意味だ?」
「俺がその神だからだ。神とはいえ下の方に位置する神だがな。お前ら15人というイレギュラーを抹殺するためにこの世界に舞い降りたのだ」
なんてこったと古川は思った。ここまで自分たちは追い込まれつつあったのか。下っ端の神なら斉藤と古川でも倒せるレベルだろう。
しかし、今目の前にいる津村は位の高い神のようだ。戦っても勝てる見込みはない。
「君らの事を初めからなかった存在にしようかと思ったけれど、かなり精度の高いプロテクトを歴史に組んでるようだね」
「お前ら神なんだから俺たちのプロテクトを簡単に壊せないものなのか?」
「残念ながら俺のような神ではお前のプロテクトを簡単に解除できない。お前たちの能力は最早下位の神を軽く凌駕するのだ」
「じゃあ何故お前のような神が俺達を消しに来たのだ?」
「上位神は世界の平定に忙しいのだ。俺のような中堅神が適役だと上から命令があったのだ。俺だと勝率8割で15人共滅っせられるとな」
なんて奴らだ・・!津村は俺たちを消すつもりでいるのか・・・!
「では行くぞ・・・!」
津村が飛びかかってきた。




