ゴリラ、別人説浮上
「古川とやら、その策というのを聞かせてもらおうかな」
「ふふふっ、いいぜ。だがな・・・」
「だが?」
「この策はまだ使わない」
「なに?」
「それは最終手段だからだ。俺もあまり使いたくないんだ」
「ふん、つまらん。ならば死ね!」
ゴリラは両手を広げて念じ始めた。
「これより時間を超加速させる!生物の時間だけを加速させるのだ!貴様ら2人は寿命でくたばるがいい!!!」
古川は自分の手が崩れ始めたのを確認した。たった数秒で肉体の限界時間を突破したのか。
「いくら肉体を崩壊させようと無駄だぞゴリラ。いくらでも代わりの体は用意できるからな」
「そうはさせん。加速も加速している。貴様が肉体を作ってもすぐに崩壊させてやる」
古川と斉藤の肉体が崩れ落ちた。意識体だけになった2人。ゴリラ自身には効果がないのか?あるいはゴリラの肉体は除外してあるか。
「別に肉体は単なる入れ物。意識体だけとはいえ俺という存在がある事に変わりはない」
「甘いぞ古川。そこで俺はこのアイテムを使う」
ゴリラはある道具を瞬時に産み出した。ゴリラにはある程度の道具を創造する能力が芽生えているのだ。
「こいつは質量を持たない物を吸収して永遠封印する掃除機さ。これでお前達2人は抵抗できなくなる」
ニタリとゴリラが笑った。気持ち悪い笑みだ。
「封印してやる!質量を持たぬ全ての物を吸い込むが良い!!マシン起動!!」
斉藤と古川は謎の掃除機に吸い込まれた。
「ふふふっ、意識体だけのお前らは生物にしか干渉できない。よってこの掃除機は破壊できまい」
アハハハッと勝利の高笑いするゴリラ。だがすぐに異変に気づく。
「な、なんだ?俺の体の動きがおかしいぞ・・・!」
異変に気付いたかと思いきや、掃除機の口から斉藤と古川が噴出された。
「なにぃぃぃ!!!ありえん!!!!そんなばかな!!!!!!!!!!」
「斉藤の奴が時間を逆行させたのさ。俺たちが吸い込まれる前までね」
「うぬぅ!ならばもう一度吸い込んでやる!」
「無駄さァ!!今度は俺が機械を腐食させる空間を作った!この空間ではお前ご自慢の掃除機ももう寿命でオシャカだ」
「ぬぅ!全ての物が崩壊する世界か。それもまた面白い!意識体だけのお前らだが俺には見えているぞ。すぐに殺してやる」
「ゴリラ、お前忘れているようだな。自分が置かれている立場を」
「何を言う」
「お前は連続する時間軸の中で今しか存在していないんだろ。逆行させた今、そこにいるお前は誰なんだ?」
「!!!!」
ゴリラは考える。確かに自分は過去未来全ての自分との関係性を断ち切った。
そして、今という時間を斉藤によって強引に変更された。果たして俺はどうなったのか!
「能力は失っていまい。この俺が過去に戻ったからって。一度取得した能力までは失いまい!」
「失ってはいないだろう。しかし、お前はもう俺たちと戦っていたお前じゃないんだ」
「!!!!」
「もう戦わなくていいだろう」
そんな・・・!俺は・・・・!別人なのか・・・っ!




