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銀河を救う者

思いつきで書いているので投げ出す可能性有り

かつて栄華を極めた人類種も遠い未来では絶滅していた。

「この世」では今、ハイランダーと呼ばれる生物が宇宙を支配していた。

ハイランダーはかつて宇宙で存在していた種族が現在の環境に適応進化した姿の総称である。

そのため、人型、獣型などハイランダーの姿は様々だ。



惑星カアは戦闘型種族「業魔」に支配されていた。業魔は様々な種族のハイランダーの中で戦闘に特化した荒くれ者の集まりだ。

業魔は次元間移動能力で様々な次元を渡り歩き、そこにある星を滅ぼすか、支配下に置いていたのだ。

業魔の勢力拡大はとどまるところを知らない。この世のどこにも安息の地はなかった。

その惑星カアの宇宙空港に奴隷ハイランダーを乗せた奴隷商船が到着した。

いくら厳しい宇宙環境に対応できたハイランダーとはいえ、ハイランダーの中でも力のないハイランダーは重労働を強いられているのだ。

惑星カアの奴隷居住区に3年住む地球人ハイランダーのベダは新たなルームメイト2人を迎える事になった。本日、惑星カアに売られてきた斉藤と古川だ。

「これまで俺一人で寂しかったんだ。大いに歓迎するよ」

「こちらこそよろしく頼む」

ベダは不審に思った。斉藤と古川の2人はここに到着するなり、労働者が自由に歩けられる所を入念に調査し始めたからだ。

居住区は周りに何もない砂漠のど真ん中に置かれていたのだが、奴隷居住区の周りには終始、見張りの業魔が目を光らせていた。

それが4日は続き、ベダは気になってしょうがなく、ある日尋ねる事にした。

「君ら2人はいつも何をそんなに歩き回っているのだ?」

仕事が終わると就寝時刻まで何か嗅ぎ回ってるようじゃないか。あまり変な行動をとっていると奴らに目をつけられるぞ、とベダは忠告した。

それに古川が答えた。

「ベダに迷惑はかけない。俺たちには目的があるんだ」

「目的?」

「惑星カアの解放さ」

「無茶だ!」

ベダは声を荒げた。ベダは今までに業魔と戦おうとして散っていた同胞の事を知っている。奴らの強さは身にしみている。

「ベダ、君が思っている程、俺たちは弱くない。下級の業魔なら直接手をくださずとも消しされるさ」

「何・・・だと?」

「問題はここの大将さ。ここのボスの力が分からず攻撃に移れなかったがな。見張りの奴らの心を読んでみたら大した事ないな」

こいつらは一体何者なんだ?とベダがそう思った瞬間!空間が歪んだかと思うとそこから腕が伸びてきてベダを歪みの中に連れ去った。

「しまったっ!奴らだ。行くぞ斉藤!」

斉藤はコクリと頷くと古川と共に寮から飛び出した。

「やってきたな侵入者!」

視線の先に奴が立っていた。惑星カアを牛耳る業魔だ!!

「見張りの奴らが変な奴がいると言うんでね。労働者の一人一人の思考を読んでみると、お前たちというヒットマンがいたとはな」

古川が一歩前に進み出てこう言った。

「業魔相手にこう言うのもナンセンスかもしれんが、一応聞いておく。降参しろ」

「馬鹿か!全銀河で最強を誇る業魔が降参だとぉ?ふざけるな!貴様ら2人とも消し飛ばしてくれる!」

カアを牛耳る業魔の指先から光が放たれたかと思うと斉藤と古川の姿は消えていた。

「な・・・何をしたんだ・・・?」

恐る恐る、カアを牛耳る業魔に捕らえられた状態でベダが聞く。

「ふふふっ、知れたことよ。この俺が奴ら2人を平行世界へ送ってやったのよ。俺は空間を自在に操れるからな。奴らが戻ってくることはない」

勝ち誇って高笑いをしたカアを牛耳る業魔だったが、彼の目の前で空間が裂けて、斉藤と古川の2人が姿を現した。

「ば、馬鹿な!貴様らも空間を移動する能力があるのか!」

「空間に関する能力など、俺たちに通用しない。俺たちはお前らの先を行っているからだ」

古川の言うとおり、斉藤と古川はカアを牛耳る業魔が決して勝てない程の力を秘めていのだ。これ以上の戦いは無益だ。

「そうか。追放能力が無意味ならば、これならどうだ!」

牛耳る業魔の手のひらからソフトボールくらいの大きさの光弾が発射された。それをまともに喰らったが2人は無傷だった。

「な・・・何てデタラメな体質してんだ・・・!」

「俺たちはお前とは違う空間にいる。俺たちはお前の目の前にいるようで目の前にいない。俺たちのいる空間にお前の攻撃が到達する事はない」

「・・・・フッ。空間がどうだこうだと言うが、この惑星自体破壊されればそれも関係ないだろ!全員皆殺しだああああ!」

敵の業魔が力み始めたかと思うと、斉藤と古川はエネルギーが奴に集中していく事を感じた。奴に攻撃させては危険である、と感じた。

「斉藤!」

古川に呼ばれた斉藤が無言で頷くと時間の流れに干渉して時の流れを停止させた。

全てが行動を止めて固着した世界。敵の業魔も時を止められた事にすら気がついていない。

斉藤は業魔の心臓にパンチして絶命させた。斉藤の意思によって再び時は刻み始めた。

死んだ業魔はロバートと言う。もうそれもどうでも良い事だが。

何が起こったのか分からないベダは2人に尋ねた。

「お前らは何者なんだ」

古川が答える。

「俺たちは業魔を根絶するために動いている。業魔が消え去らない限り、この銀河に平和は訪れないからな」

「それで何故この星に来た?」

「あのロバートという業魔は業魔幹部の1人だ。業魔の12人の幹部を全て殺せば、自然と業魔組織は分解するだろう。いや、たとえそうじゃなくても俺たちは業魔を滅ぼす」

「だが待ってくれ。業魔はあれくらいじゃ死んじゃいない。業魔の幹部は自己再生できるんだぞ」

「安心してくれ。その修復細胞も斉藤がパンチした時に全て消滅させた。そして念のために蘇生されぬように時空プロテクトもかけた。ロバートはもう復活しない」

「そう・・なのか・・・」

「まぁ、再生するとしたら過去かな。時空プロテクトを今かけたが、それより以前の時間軸からなら再生されるかもな。しかし、細胞がないから自力では再生できん」

「分かった。とにかく助かったよ。ありがとう」

「礼はいい。それよりベダ、他の奴らと業魔に合わぬようにどこか辺境の地まで逃げてくれ。そこまでは業魔は攻撃してこんだろ」

「あぁ、ありがとう!」

ベダが見送る中、斉藤と古川は地表から宇宙までひとっ飛びしていった。

ベダは思った。奴らこそがこの銀河に平和をもたらす者だと。

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