アピールポイント:まあその、モテますよ
担当官が訊ねた。
「えー、青年さんは
『自分ではよく分からないものの、女性にモテモテで、相手に困った事はあまりない』
との事。他社との提携業務部門にご興味は?」
青年はきょとんとした顔で、つい言葉を漏らした。
「お酒飲めませんけれど出来ますか?」
担当官の表情が凍った。
「なっ……そのままお待ち下さい」
別室で社内会議勃発。
ややあって―
「本日はお疲れ様でした。結果は……」
青年はお祈りをされた。
【未解決編】
後日、青年は緊張しながら面接先へ駄目元で電話をかけた。今後の就活のヒントになる何かを掴みたかったのだ。
しかし、悲しいかな、青年は訊ねてしまった。
「せめて落とされた理由を伺えませんか!?」
「内密に出来ますか? この会話も録音していますが」
「出来ます」
こちらも録音中だが、仕方ない。青年は録音スイッチをオフにした。担当官が言う。
「えー、我が社は、
『仲良くなるには飲みしかない』
という、時代錯誤も良い所ですが、現状その手が一番通用している社でして、むしろ急性アル中での頓死は英雄扱いどんと来い。ですので、酒毒で土気色の肌をしていない爽やか無自覚系モテ男子の採用は難しいかと……では、失礼致します」
「Oh……」