アピールポイント:多方面への売り込み(その1)
担当官が訊ねた。
「えー、青年さんは
『幅広い業界と我が社の架け橋になりたい』
との事。映画鑑賞がご趣味とありますが、海外からも注目を浴びている国内漫画やアニメ、ゲームなどのコンテンツにご興味は?」
青年はきょとんとした顔で、つい言葉を漏らした。
「それらは子供らの為のものですよね?」
担当官の表情が凍った。
「なっ……そのままお待ち下さい」
別室で社内会議勃発。
ややあって―
「本日はお疲れ様でした。結果は……」
青年はお祈りをされた。
【未解決編】
後日、青年は緊張しながら面接先へ駄目元で電話をかけた。今後の就活のヒントになる何かを掴みたかったのだ。
しかし、悲しいかな、青年は訊ねてしまった。
「せめて落とされた理由を伺えませんか!?」
「内密に出来ますか? この会話も録音していますが」
「出来ます」
こちらも録音中だが、仕方ない。青年は録音スイッチをオフにした。担当官が言う。
「えー、我が社ではあなたの様な人材は大歓迎です。しかし、現在、海外の人々の興味は、面接の際に挙げた国内のそういうコンテンツに熱く向けられています。ですので、映画鑑賞は嬉しい要素ですが、他のコンテンツに対して、現状の認識では、採用は難しいかと……では、失礼致します」
「Oh……」