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3話 冒険に出る前の説明はとても重要ですよ 前編


観戦席

モニターから青い光が消えそこに写ったのは右の拳を前に突き出している空の姿だけだった。

「どうやら終わったようだな」

フィールはそう言うと、スピーカーの電源を入れた。


闘技場

「やりすぎたかな・・・・」

空は自分の技の威力を目の当たりにして冷や汗を流していた。

なぜなら、空の放った技は地面を深く抉り、目の前にあった壁ごと鉄人形を消し飛ばしたからだ。

「う~ん、さすがにこの技はまずいな。下手すれば地図を書き直さなくちゃいけなくなるくらいの威力だし」

空は1人この技について考えていると急に目の前が真っ白になった。



観戦席

空は目を開けると、そこには自分が神と呼んで知る男と女性が二人(1人は少女)がいた。

「お疲れ様~。すごかったね」

「サンキュー、神様。で後ろの二人が今回の観戦者か」

「うん、そうだよ。で、今回君が戦った人形を操作・・・いや、人形に力を与えていたのが背の高い女性だよ。彼女は僕の部下で名前はエール。そして、こっちの少女は君の戦いを観戦しに来た神様の1人、名前はリラ。あ、ちなみに僕の名前はフィールだ」

男、フィールは二人の女性の簡単な説明をした。

「ふ~ん。で、俺は勝ったわけだが、ちゃんと約束は守られるんだよな」

空はフィールに質問した。

「当たり前じゃないか、約束を守ることは神様だから当たり前・・・」

「本当か?・・・」

空はフィールの発言を途中でさえぎり質問した。

「・・・どうして、そんなことを聞くんだい」

「簡単なことさ、早く本題を話さないと俺は、お前たちの描いたシナリオとは別に動くぞ」

「・・・どういうことかな?」

フィールは冷や汗を軽く浮かべながら少々引きつった笑顔で質問した。

「俺をここに呼んだのは、俺にこれから俺が行く世界を救ってほしいから呼んだんだろ。そして、そこにいる少女がたぶんこれから行く世界の創造主様じゃないのか?」

フィール・エール・リラの三人の顔色が変わった。

「どうやら正解らしいな」

「いつからわかっていたんだい」

「途中から、あんたが他の観戦者がいるって言ったあたりかな・・・」

「・・・なるほど、ほんとに君はおもしろいね」

「よく言われたよ、昔にな」

「ほんとは君が異世界に行ってから話して無理やり協力してもらうつもりだったんだけど、仕方ない。とりあえず場所を変えようか」

フィールはそう言うと指を鳴らした。

すると目の前が真っ白に変わった。


空の視界が戻ると、そこは屋敷などにある書斎のような部屋だった。

「ここはどこだ?」

空はフィールに質問した。

「ここは僕の仕事部屋さ。ま、とりあえず好きなところに座りなよ。エールはお茶でも持ってきて」

「わかりました」



エールがお茶を持ってきてから数分後


「さて、少し落ち着いてきたところだし、そろそろ空君の質問に答えていこうかな」

「わかった。じゃあ、まず俺が行く世界についての説明をしてくれ」

「わかったよ。それじゃあリラちゃん頼むよ」

「分かりました」

リラはそう言うと、空のほうに体を向けた。

「初めまして、私はアウラルという世界を管理している神リラといいます。さきほどの戦いは見事な勝利でした」

「どうも。ま、それは置いといて、俺があなたの世界に行く理由を教えてほしいんだけど」

「わかりました。私の世界アウラルは主に魔法や錬金術が発達した世界です。そのため、あなたの世界で発達した科学の力は存在しない世界です。ですが、道具に関しては化学の代用として魔法が用いられています」

「なるほど、科学の代わりが魔法なのか」

「はい、そうです」

「それじゃあ、一つ質問なんだがいいか」

「どうぞ」

「俺がもし、アウラルって世界で俺の世界の技術、科学を広めたらどうなるんだ?そのまま、科学も使えるようになるのか?」

空は不思議そうな顔でたずねた。

「残念ですが、それはできません。なぜなら、その世界では科学の力はすべて無効化されるからです」

「なぜ?」

「簡単に言えば、世界の理に沿っていないものはその力を発揮でないのです」

「なるほど、つまり俺たちの世界では魔法は無力化され、あんたの世界では科学が無力化されるってわけか」

「ですが、無力化されるといっても、複雑な機械類などが主にです。なので、粉塵爆発などの簡単な現象なら起こすことができます」

「・・・いったいどこまっでがありなのか、いまの発言で分からなくなったんだけど」

「まあ、それは試してみてからお楽しみということで・・・」

「・・・・まあ、いいか。次に魔法の仕組みについて教えてくれないか」

「わかりました。まず、魔法というのは魔道炎という媒体を使い発生させるものです」

「魔道炎?」

空は首をかしげた。

「魔道炎というのは生き物すべてが持っており、その大きさにより魔法の使用量が決まります。簡単に例えるなら、ゲームなどで言うMPマジックポイントですね。そしてその炎の色事に得意な魔法も決まります。まず、炎・地属性が得意な赤、水・氷属性の得意な青、雷・風属性の得意な緑、光属性の得意な白、闇属性の得意な黒の5種類があります」

「なるほどね」

「そして、この魔道炎は魔法以外にも錬金術を使うときなどに用いられます」

「へー。て、錬金術も使えるのかよ」

「言ってませんでしたっけ?」

「はい、初耳です」

「それはすみません。他にもいろいろな使い方があります」

「ふーん。理解したよ。じゃあ、俺は何属性なんだ。やっぱり青なのか」

「あなたの力は魔道炎とは違います」

「え、違うのか」

空は意外そうな顔をした。

「はい、その力は・・・・・天道炎です」

「天道炎?」

こうして、俺は自分の力について知ることになったのだ。

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