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2話 空の一撃


  観戦席


「わかった。それじゃあいくよ。と、それじゃああの人形を動かしてね」

空に神と呼ばれた男は観戦席のマイクの電源を落とし、後ろにいる自分の部下である女性に命令した。

「・・・本当によろしいのですか?」

「当たり前じゃないか」

「・・・わかりました」

女性はそう言うと、自分の手に持っていた水晶に魔力を流した。

「これで、鉄人形(ゴーレム)は稼動を開始しました」

「そうか、ありがとう」

男はそう言うと、その女性の隣でモニターを見ている少女に話しかけた。

「後悔してるのかい?」

「・・・少しだけ・・・」

少女は小さく答えた。

「彼を巻き込んでしまったことにかい」

「いえ、それもありますが、一番は自分の不甲斐なさに・・・」

「そうかい・・・・」

男はそう呟くと、モニターに目を戻した。



闘技場


空は男の掛け声がかかると同時に、自分の後ろに跳躍して、鉄人形から距離をとった。

「さて、距離はとったからあとは様子見だな」

空がそう言ったのと同時に、鉄人形はギリギリと音をたてながらその場に立ち上がった。

「おお、立った。でも、動きは鈍いだろ・・・・」

鉄人形は立ち上がった瞬間には、空の目の前現れ、その巨大な拳を振り上げていた。

「チッ・・・・」

空は短く舌打すると、左に飛んだ。

その次の瞬間には、空の立っていた場所には鉄人形の巨大な拳があった。

「思っていたより、何倍も早い。ふん、面白いじゃん」

空は崩れていた、体制を立て直すと顔に楽しそうな笑みを浮かべた。

鉄人形は、空のほうに振り向いた瞬間、後ろにぶっ飛ばされた。空の拳によって。


その試合を観戦席から見ていた、男以外の二人はその光景に驚愕した。

「人間が一撃で鉄人形(ゴーレム)をぶっ飛ばすなんて・・・・」

「あの人形の重さは確か100t以上の重さがあるはずなのに・・・どうして」

男は二人の驚いた顔とモニターの映像を見て笑いながら答えた。

「あれが、海野 空って人間の実力の一部さ。でも、驚くのはまだまだこれからだよ。エール、もっと鉄人形(ゴーレム)の能力を強化して」

男はエールと呼んだ部下の女性に命令した。

「ですが、これ以上強化すれば暴走してしまいますよ、フィール様」

エールは自分に命令した男、フィールにそう答えた。

「構わないよ。じゃないと、空君が退屈しちゃうじゃないか」

「・・・わかりました。ですが、もしもの時は・・・」

「分かってるって、僕が止めるから安心しなよ」

フィールはそう答えた。




闘技場


空は動かなくなった鉄人形を近くで観察していた。

「うーん、この人形本当に何でできているんだか・・・・。殴ったところは凹んでなければ、傷一つついてないし・・・。しかも、見た目より絶対何十倍かは重たいし・・・。でも、案外あっけないな」

そう言うと、空は人形に背を向けスピーカーがある方に歩いていった。

「まあ、これで俺の勝・・・・グハッ」

空は後ろから何か大きな衝撃を受けそのまま壁に衝突し、地面に崩れた。

空は、地面にうつ伏せになりながらも自分に攻撃してきたものを見つめた。

それは、先ほど倒したと思っていた鉄人形だった。

「イテテ、あいつまだ動くのかよ。ま、当たり前かわざわざ神様が用意してくれたゲームだ。そう簡単に終わったらつまらないもんな」

空はゆっくりと起き上がり拳を構えた。

「いいぜ、こっから少しだけ本気を出してやるよ」

そう言った瞬間、空は右足に力を込め、思いきり踏み込み弾丸のような速度で鉄人形の懐に突っ込み、その速度のまま蹴り飛ばした。

しかし、鉄人形はその攻撃を腕をクロスさせそのまま受け止めた。

「やるじゃん、でも、これならどうだ」

空は、蹴りを止められた体制のまま、バク宙し、地面に着地すると同時に再び鉄人形に飛び掛り、何十発もの拳の連打を喰らわせた。

鉄人形もさすがにこの攻撃は防ぎきれず空の最後に一撃により、クロスさせていた左腕が砕け、右の腕はいくつかの亀裂が入った。

「よし、腕一本壊した。あとは、もうちょいか」

空は、そう呟くとバクステップで距離を開けた。

鉄人形は砕けた左腕を右手で掴み、左腕があった場所にもって行きそのまま、砕けた部分を押し付けた。すると砕けた左腕は一瞬で溶けて再び左腕の形に形成された。

「ハァ~~。嘘だろ、自己修復機能もあるのかよ」

さすがの空もこの光景には少しばかり驚愕した。

鉄人形は次に修復された左腕で右腕も折り先ほど左腕を修復したのと同じ方法で右腕も修復した。

「しかたない、とっておきを出すか」

空はそう言うと、今度は跳躍して鉄人形から距離をとった。

そして、右の腕を構えた。

すると、その右腕から青いオーラのような光が空の体中から集まり始めた。



観戦席

「あれは、青の属性の魔道炎(まどうえん)ですか?」

エールはモニターを見つめながら、フィールに質問した。

「おしいね。確かにあれは青属性だけど魔道炎じゃなくて天道炎(てんどうえん)だよ」

フィールの話を聴いていた二人の顔の色が変わった。

「そんな馬鹿な・・・・」

「人類が天道炎を使えるわけがありません」

エールと少女はフィールに講義した。

「でもね・・・」

フィールは楽しそうに答えた。

「実際に彼は使えるんだよ。それに彼のこの一撃はきっとこれからのことに役に立つと思うよ。ほら、みてごらん」

フィールがそう言ったのと同時にモニターの画面は青い光に包まれた。


どうも、夜乃です。

更新遅くてすいません。

今回は、バトルパートがメインですが、作者の力不足で分かりづらいですね。

まあ、そこはご了承ください。

今回は、新しい単語も出てきたのでそれについての説明をします。

まず、魔道炎(まどうえん)です。

これは、魔法が発達した世界の住民すべてが所持しており、この炎の色、と大きさにより得意な魔法や威力、そして魔法の使用回数が変わってきます。

あとは、武器にこの炎をともすことにより追加効果を得ることができます。

色は全5種類、赤、青、緑、白、黒です。

それぞれの色についての能力は次回の話で説明が入る予定です。


次に天道炎(てんどうえん)です。

これが空の所持している能力です。

詳しい説明は、これも次のお話で明かされます。

最後に、更新は不定期ですので気長にお待ちください。

それでは・・・

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