新しい世界
白い光が視界を覆い、体が宙に浮いて行くのを感じる。
目を閉じて、異世界に転生するのを待つ。
しばらくして、目を開けると、そこには現代よりも、幾分か退化したような、西洋の街並みが広がっていた。
ぐるぐると周りを見渡してみると、色々な情報が流れ込んでくる。
文字は、カタカナと漢字を混ぜたような感じで読めなかったが、意味が頭の中に流れ込んでくる。
これが神様からの贈り物だろうか
また現世では見られなかったようなものがたくさんあった。
耳が人間より長く先端が違っており、綺麗な容姿をしている人や、少し身長は低いが、がっちりとしており、ハンマーを持っている人もいる。
さらに小さく透明な羽が生えており、人間の肩の上に乗り楽しそうに会話しているものがいたり、肌の色が黒や茶色で角が生えており、明らかに人間ではないものもいた。
しかし、俺と同じ人間と楽しげに会話しているのでこの異世界では不自然では無いのだろう。
とりあえずこの世界の事を知らないといけない。
そんな時は異世界アニメの王道冒険者ギルドに行くのが正解だろう。
受付の人に聞けば、大抵の疑問は解決されるだろう。
さらに、冒険者としてギルドに登録して、冒険者活動をすれば、生活するのに困らないほどのお金は手に入るだろう。
さて、そうと決まれば冒険者ギルドに向かおうと思ったのだが、致命的な事に気づく。
冒険者ギルドってどこにあるんだろ…
根本的な事を忘れていた、取り敢えず誰かに聞くか…
そんな事を考えていると、ある看板が目に入った。
『万屋虎ノ門』と書いてある。
聞き込みにはちょうどいいか
早速扉のドアを開ける。
カランカランとドアについているベルが響く。
身の中はそこまで広くは無いが、棚や場所をうまく活用し、色々なものがたくさん置かれている。
そうすると店番だろうか強面でまさにものづくりの職人だとこちらに語りかけてくるような服装をしている。
「よう、あんちゃん。見ねぇ顔だな。旅のもんか?」
「旅…そんな感じだ」
見た目に反して、おっちゃんは、意外と明るい雰囲気をしている。
「あぁ少し尋ねたい事があるんだがいいか?」
「おう、俺の店はどんな客も大歓迎だ」
「そうか、そりゃ助かる。それで質問なんだが、この街に、冒険者ギルド、もしくはそれに属する機関はあるか?」
「ああ、あるとも、この店を出て、左に行ってまっすぐ行くと、教会みたいなデカい施設がある。そこが冒険者ギルドだ」
「意外とすぐ行けるな…ありがとう。この恩はいつか」
「おう。ところであんちゃん。登録料持ってるか?」
「そっ、そんなもんがいるのか!?いくらくらいだ?」
登録料!?確かに冒険者ギルドも機関だ。登録料くらい取っていても不思議では無い。
かなりあたふたしているとおっちゃんが口を開く。
「やっぱり持ってねぇか、ほれこれをやる」
皮の袋の中にじゃらじゃらとしたものが入ったものを投げ渡される。
察するにお金が入っているだろう。
「さ、流石にそこまでしてもらうわけには」
「良いってことよ、その代わり冒険者で稼いだ金で沢山うちで買い物してくれよ」
ニカッっと白い歯を見せてグッドマークを作る。
「もちろん。また聞きたい事があったら来るよ」
またこの店に来よう。そう誓いドアのベルを鳴らした。
お読みくださりありがとうございます。




