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音羽&皐月4 三つの秘密

「じゃあ、いいかな?」


「「エニタイムOKよ!」」


「結ばれたよ。自分でステータスを確認してみて」


「ホントだ」


「NDAって載ってる」


「私達二人がパーティ組んだことも記載されてる」


「ああ、それパーティ名載せられるらしいよ」


「ええ? あの大げさなやつ?」


「俊足の鋼とか春雷の絆とかちょっと恥ずかしいやつ?」


「うーん、まあそうだね」


「ええ、何しよう」


「迷うー」


「あまおうパフェとか」


「なにそれ、あまおうとパフェってこと?」


「いい感じじゃない?」


「さけ茶漬け梅茶漬けとか」


「えー」「ブー。芸人さんみたい」


「カフェラテ・カフェオレ、カプチーノ・ボンゴレ、陽翠と紅亜ひすいとくれあ、ポム・メーラ……」


「ポム・メーラって?」


「フランス語とイタリア語でりんご」


「トムとジェリーみたい」


「響き、可愛いね」


「固定じゃないし、いつでも変えられるからとりあえずつけてみたら?」


「じゃあ、ポム・メーラ?」


「陽翠と紅亜も捨てがたい。なんだか、Vtuberみたい。キラキラ名よね。私たちの名前ってさ、ちょっと古風でしょ? キラキラネームは憧れなんだよね」


「じゃあ、じゃんけん。最初はグー、じゃんけん」


「「ポン!」」


「あー、私の勝ちー!」


「私がポムでいいかな? こだわりないけど」


「いいわよ。じゃあ、音羽がポムで私はメーラ」


「ポム音羽とメーラ皐月ってことでいいかな?」


「「いいとも!」」


「懐かしい掛け声ありがと。じゃあ、確認ね」


「「わぁ、本当にポム・メーラって名前がついてる」」


「まあ、月替りぐらいで名前変えたらいいし」


「他に可愛い名前があったらそれでもいいしね」


「そうそう」



「じゃあさ、まず僕の一番の秘密から」


「「なになに?」」


「僕の守護神を紹介します! じゃあ、先生、どうぞ」


『ポワン』「にゃあ」


「えー、何、この可愛すぎる猫ちゃん! 長毛三毛猫、ノルウェージャン?」


「てか、どこから出てきたの?」


「この猫、僕の守護神でジークっていうんだ」


「守護神?」


「そうだよ。もうね、僕が七歳ぐらいからずっとそばにいてくれている。迷宮もいっしょに活動してるんだ


「こんなに品が良くて可愛い猫ちゃん初めてみたかも」


「ホント」


「ねえ、うずうずしてきた」


「私も」


「お願い! 猫吸い!」


「私も!」


「は? ど、どうぞ?」


「失礼しまーす! すーはーすーはー」


「ちょっと、私も」


「ブワ? 横にずれるから」


「ありがとう! 失礼しまーす! すーはーすーはー」


 うーむ。

 美少女JC二人に猫吸いされるジーク。

 うらやましくなんてないぞ!


 …………


「落ち着いた?」


「あ、あ、お見苦しいところを」

「お見せしましたー」


「いいんだよ。ジークはね、隠蔽スキルをもっているんだ」


「隠蔽?」


「忍者みたいに隠れることができるんだよ」


「うそ、普通の猫ちゃんなんでしょ?」


「かなり特別な猫。うーん、どう説明したらいいか。ジークはね、魔猫みたいなものなんだよ」


「「魔猫?」」


「人間だってさ、迷宮活動してると魔道具で魔法使いになれたりするでしょ? 猫も同じようなものってわけ」


「え、凄い」「なんだか、衝撃」


「だからさ、すっごく賢いし。じゃあ、ジーク。自己紹介してみる?」


『(はじめましてにゃ)』


「え? はじめましてにゃ?」


「なんだか、頭の中で?」


『(今、しゃべったのはボクなんだにゃ)』


「は?」


「え?」


「ジークはさ、人の言葉が喋られるんだよ。念話ってやつでね」


「「えー!」」


「ただの猫ちゃんじゃないんだ」


「衝撃すぎる……」


「しかも念話って。テレパシーってのでしょ?」


「うん。ジークはね、人間よりずっと賢いんだよ。僕にとってはお師匠様なんだ。ずっと僕を指導してくれている」


「にゃんこ先生みたいな?」


「ああ、そんな感じ(笑)」


『(ボクはアヤカシじゃないにゃ……)』


「「え?」」


「ああ、ジークはね、もっとグレードの高い存在だって文句言ってるだけ」


「そうなの?」


「まあ、かなり高いよ。ジークが言うには天魔なんだって」


「「天魔?」」


「天界から来たって言ってる」


「天界? ごめん。そこまでいくと……」


「迷宮みたいな不思議空間があるから天界もあるかもしれないけど……」


「まあ、そのぐらいグレードが高いってことで」


「でも、さっき、思いっきり猫吸いしちゃった」


「物凄く、いい香りした」


「うん。毛並みの手触りも最高だった」


『(よきにはからえにゃ)』


「ああ、ジーク的にも好評だったみたいだよ、僕も猫吸はいつもやってるし」


「じゃあ、これからもやっていいのね?」


『(無問題にゃ。ただ、大切なことを教えるにゃ)』


「「え、何?」」


『(ことあるごとにチュ○ルをボクに献上することにゃ)』


「「は?」」


「あ、いや、聞かなくていいから。こいつ、チュ○ル大好きなんだ」


「いいわよ、チュ○ル。何味が好きなの?」


『(とりささみバラエティとまぐろ・ささみバラエティと海鮮バラエティにゃ)』


「ふふふ、まあ、全種類ってことね? 病院食みたいなの除いて」


『(よきにはからえにゃ。あと、甘いものも好きにゃ)』


「あ、適当に流しておいて。じゃあ、二番めの紹介。次も凄いから」


「次も?」


「迷宮はさ、まず防御から入るのが本筋だと思うんだ」


「うんうん。ごもっとも」「だよね」


「でね、君たちに護衛をつけようと思うわけ」


「護衛?」「まさか、女騎士? くっころの?」


「へへへ。じゃあ、登場。僕の従魔たち」


「「「ボワン」」」


「キャー! 何、この子たち! 可愛すぎる! あざとすぎる!」


「左から、シマくん。モモちゃん。オコ」


「可愛すぎるのはいいんだけど。この子達って、シマエナガ、エゾモモンガ、オコジョだよね?」


「あれ、皐月さん。よく知ってるね」


「北海道三大可愛い動物選手権をしたら、ベスト三に入る子たちだよね。でも、従魔?」


「ああ、シマエナガ、エゾモモンガ、オコジョに変身しているだけで、実際は召喚獣で迷宮で捕まえた従魔なんだ」


 ※本当は天魔。

  天界でのジークの従魔。


「召喚獣? 従魔?」


「もともとは大きな魔獣なんだけど」


 迷宮三十階では大活躍した。


「ああ、従魔って聞いたことある。上位パーティとかで召喚獣として使ってるとか」


「そうだね。具体的には僕も知らないけど。とにかく、僕には三体の従魔がいるってこと」


「で、このあざと可愛い子たちが私達を守ってくれるの?」


「ああ。防御結界を君たちに張ってもらう。攻撃スキルはそれぞれあるんだけど、当面は封印」


「凄い子ってことね?」


「とにかく、こんな可愛い子を私達の専属に?」


「シマエナガに似たシマくんは皐月さんに。エゾモモンガに似たモモちゃんは音羽さんに。二体とも空を飛ぶことができるから、上空で周囲の観察もできるから。オコは僕の専属だね」


「「はー」」


「あと、三体とも本物のほうは飼育禁止だからね、見つかると騒動になる。だから、普段は君たちの影に潜らせているし、外に出ていても隠蔽魔法で姿を隠すことになる」


「えー、可愛い姿が見えないの?」


「残念すぎるー」


「でもさ、名前だけど、シマくん、モモちゃんはギリわかるとしても、オコはないんじゃない?」


「ちょっと可哀想よね」


「好きな名前つけてもいいよ」


「わー、考えておくわ!」


「もっと可愛い名前にね!」


「でもさ、この子たち、迷宮で捕まえたんでしょ?」


「ああ、それはいつか説明するよ。


「この子たち、話せるの? ジークくんみたいに」


「いや、それはムリ。でも意思の疎通はできるよ。ご飯もいらない。排泄もしない。ただ、お菓子とかは好き」


「あ、楽しみ!」「すぐ、家に帰りたい!」


『(こいつらもチュ○ル好きだぞ)』


「チュ○ルだけ?」


『(甘いものも好きにゃ)』


「わかったわ」


「あー、あまり甘やかさないで。でね、三番めの秘密」


「「ワクワク」」


「でね、ジークはね、魔導具師でもあるんだ」


「え、魔導具師? 魔道具を作る職人さん?」


「そうだよ」


「日本っていうか、世界的にも貴重な魔導具師?」


「ああ。まあ、猫だし、誰かに知られるわけにはいかないけど」


「ピコピコハンマーも自作ってこと?」


「うん」


「凄すぎる」


「ちょっと引いた」


「でさ、三階以降の攻撃方法としては魔道具を使ってもらう。一人につき二つ。土魔法アースバレットと風魔法風刃を放つ魔道具だよ」


「え? 手袋?」


「いいでしょ。両手にはめて手のひらをかざして念をこめれば魔法が発動するんだ」


「えええー、いきなり私達、魔法使いになるの?」


「魔導師ポムとメーラ?」


「ああ、魔導師ポムとメーラ? 私達プリ○ュア?」


「変身ポーズ、研究しなくっちゃ!」


「美少女戦士っていう線もあるわ。おしおきポーズも練習しよ?」


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