3 雉犬算
承前 彼に採っては不能問題 2 査読会
一応山場のつもりで書いたんだが、やっぱり、雉犬変化が一大山場のような気がしてしまう。
「……キヨラカサンダッタノネ」
「そうだが」
「……いやいや、いやごめんってか、いやその」
明後日の方角を見遣っている、珍妙な変化を遂げる顔を暫し見遣る。
「謝る、のは拙いか、いや、まぁ、それでも、趣旨は変わらん、よな?」
「俺に聞くのか」
「……でした。ってか、発破掛けてるとこだったし、それでも、うん、趣旨は変わらん、で、いこう。気ぃ取り直して、いくぞ、それだって――」
「いや、一喝して舌は回ってくれるようになったが、手加減してくれ。頭は未だ回っていない」
「いやいや、頭を巡らす為にもな、いくぞ、続きだ、いやー素晴らしいね? 人類皆兄弟博愛者? ってか、端的穴兄弟愛もやれるとは――」
「止めろ。貶すなら俺だけにしてくれ.頭煮え滾り過ぎて論理が回らない」
「それで考えたなんてよく言えたってもんよ? 論理じゃねーだろーがよ。好きよ嫌いよでお附き合いってやってんなら、問題は其処以外にないだろー? お前さぁ、ちゃんと、彼女が自分のこと好きだってのは解ってる、ってか理屈納得だけじゃなくて感覚的? そういうのもきっちり持ってんだろ? 自虐男莫迦と違って。あんな素敵な娘が俺を好きになるなんて有り得ないやら、もっとふさわしい男がいる筈やらの、自虐自分に酔いしれて相手の気持ち全然見ないって、あれ。なのに何できっちり其処んとこの自虐回避したってのに、今更、自虐してんのって話と違うか?」
「考えてなかっただけなんだ」
「論理で反論? 良いね、やってみそ?」
「そう、だな、論理じゃない。いや、論理でもあるかもしれない。本当に、奥津城さんが、鈍い俺に解るようにしててくれているから」
「好き好きぃって?」
「いや」
いや。
「いや、それはともかく、」
「……言うと。うん、ほんとできた娘だね?」
本気の笑い声が挟まっているんだが。しかし、不満は出ない。寧ろ反対の思いが。声を上げての笑いに紛らせるように、頬笑ましいといった笑みが覗く。奥津城さんの笑顔を思い起こさせる。だから、言い難く、思い難くはなるが。
「お前の言う自虐男の定義と合っているのかいないのかは解らないが、とにかく、確かに、俺は、奥津城さんの、その、気持ちは疑っていない。とても、とてつもなく……有難いものだと思って、有難く受け取らせてもらっている。唯……」
「頑張れー?」
「唯、唯唯有難くて、目映くて、いつもいつも眼が眩んでしまうんだ、奥津城さんがいないときでも、今このときだって、いや、済まない、その、惚気じゃなくて、だな、」
「惚気もおっけー。頑張れ頑張れ」
「いや、言わせてくれると止め時を失ってしまうから、寧ろ揶うなりして止めてくれた方が有難い」
「言うね」
「言ってしまうんだ。浸ってしまうというか、その、とき、か、今というか、他のこととか、考えることができなくなる。だから、漸く、莉音さん、妹さんのことだから、漸く、考えるということができて、如何すれば、いや、決して莉音さんが何というか、いや、本当に、これとても有難いことでは――」
「有難迷惑」
「そんなことは全く無い」
「まぁな、タイミングの問題だよな、お姉ちゃんの方にお前は先に遭っちゃた訳で」
「そういう問題か?」
「意外に押し強そーじゃないよ、奥津城嬢。そっくり姉妹なら、妹嬢も好き好き攻撃するんじゃない?」
押しが強い?
「っても、こんなんは仮定するだけ莫迦らしい命題だ。とにかくってんなら、妹だろうと何だろうと第三――いや、二の女出現で、も、違うか、奥津城嬢の妹だからこそ、お前も恋愛ってのを、奥津城嬢とお前以外の第三者目線で考えることができたって纏め?」
頸では肯定したが。
「少しは違う。いや、全然か、奥津城さんのことだけってのは以前と何ら変わっていない。妹さんを、と、この先と、考えて、漸く時間軸を加えることができるようになった」
そう、結婚という、雰囲気というものだって、思考というものの視野にだって入っていたというのに、全く思いも寄らなかった。全く、何というていたらく振りなのか。
「堅いって。惚気ろって」
「いやだから、止め時失するから」
「それがお前の旨味ってもんでしょ?」
旨い?
「聞き苦しいというものじゃないんだな?」
「いやいやいや、もー、爆笑もので苦しいぐらいよ?」
つまり、何方だ?
「戻して良いって採って構わないんだな?」
「良い良いおっけー」
「つまり、莉音さん、妹さんのことを考えて、先程お前が言ったのと同じ結論に至った」
「俺何言った?」
「自発的に気持ちが変わるのを待つ、と」
「自発は付けた覚えはないが、まぁ、離婚画策夫婦の一方なら別れさせ屋に眼を向けさせるなんて他発的? 手段も採れるんだろうが、穏当でいくなら待つの一手?」
「具体は解らないでも、随分と許容できない手段もあるんだな」
「世の中には? 俺も含めて誰もお前に推奨しないから、無いで考えたら? 時間短縮狙いでもな、探偵雇うだけ、脅迫者自分で生み出すだけってなもんだし、絶対止めとけって、お前以外でも、俺も推奨しない、って逸れた。妹さんが熱冷ます以外に無いとは、お前も考えた訳だ」
肯定。
「それで漸く気付いたんだ。妹さんが、なら、奥津城さんだって、同じじゃないかって」
「同じ、とは?」
「……俺を、その、好き、でなく、なる、ことだって、有り得る未来だろう? 別によく似ているからじゃない。いや、全くではないが、似ているといっても……嫌悪といったものは懐かないでくれるかという期待は持っていたんだ。それに、きっと奥津城さんを、お姉さんを尊重とか尊敬とか、しているだろうと奥津城さんの話から窺えていたし、既に妹さんに俺のことを色々と話していたと聞いていたこともある上に、何というか、自分のことで考えると奇妙な論理ではあるんだが、お姉さんが家に連れてくる、大事にしている家族に可怪しな人間を会わせる筈が無いという確信というか、無論、奥津城さんならではの、俺の、その、好いように見てくれる、その眼で以て俺のことを話してくれていただろうから、かなり、なんというか、上乗せとか色を付けてとか言うだろう? あぁいった、何というか、実際の俺以上に良い人間として、妹さんが俺を見るんじゃないかという虞に気付けていなかった俺の失態を棚に上げておいて、事後になって、それも、何処か当然のように、妹さんの気持ちが変わるのを待つしかないと……思って、漸く、人の、奥津城さんの気持ちだって、変、わ、って、いく、ことだ、て、」
酒を含みながらも(俺の深刻さに呑まれない振りかもしれないことでもあり)、吟味してくれていたのだろう、纏まりが悪い上に、途切らせてしまった今となっても、俺の裡の何かを量るような視線を向けてくる。
「成程な、自虐とは全く異なるベクトルとは言わないけど、そっち行っちゃった訳だ」
「そっち?」
「臆病」
断言に肯定を返すと、笑われた。
「否定しろって」
「無理だ。殊に、奥津城さんのこととなると、自分が奈何に臆病になっているか自覚せ然るを得ないというか、いや、もしかしたら反対なのか、幾らでも慎重になっても足りない気にもなるし、それでも結局附き合っていきたいという思いが勝る余りに……自分が奈何に不用意な人間かと気付か然るを得ないというか」
「あー、回っちゃってんね」
いや、酔いは全く。やたらと意外と言われ続けてきた所為か、自分がザルとの自覚はたっぷり持っている。
「それじゃあ、そんな迷子の迷子のぐるぐる回り仔犬ちゃんに、こっわーいお告げを一言授けてあげよう」
確かこの節回しは仔猫ちゃんだった気がするが、ぐるぐる回りで俺も犬が連想されている。しかし、仔猫であれ仔犬であれ、自分の尻尾をぐるぐる回って追い掛けているところは頬笑ましいところがあるに違いが無いが、自分の悩み振りは唯昏い。
「奥津城嬢は孰れ死ぬ」
一瞬で、最前の昏さが目映く映った。今は唯、唯唯、昏いというのを越えた昏さがあると思い知る。いや、きっと未だ、未だ未だ底はあるのだ。
「……言うに事欠くにしたとしても」
「えー、こんなに外れナシの予言なんてないよ? も、予言じゃなくて、神様の有難ぁーい預言クラス?」
「不可知論者が何を言う」
「不可知論者だから言えるんじゃない? どっかの神様信者なら、人間は不死の存在であるとか言い切っちゃったりするじゃないよ」
「……一理ある。あるがしかし、何も、今、でなくとも、選りにも選って奥津城さんを例に挙げることは無い」
「選りにも選った挙げ句の果てってもんだね。孰れ至って然る可き未来なら、同じ不可知論者仲間なら、こっちの物理変化アリって現実未来に思考を費やす可きってものじゃないよ? 今お前を好きでも孰れ好きじゃなくなる? そりゃ、たっぷりありそーだね? けどな、お前が確実に死んで、奥津城嬢も確実に死んでって、前に、そーなるっては絶対には言えないだろーがよ。お前、犬は飼ったことないって言ってたが、他のは? 所謂ペット類飼ったことは?」
急に何だと思ったが、思考の楽さに負けた。
「小さいときに、ザリガニやメダカ、だったか? ともかく小魚だな、子供が捕まえられる類のを水槽で少しばかり飼っていたことはあるが」
ザリガニの方は、餌を与えていたのに共喰いさせてしまったことは、よく覚えているのに、小魚は、いついなくなってしまったのだったか。
「うーむ、分けると魚類愛好家から叱られそーだが、多産戦略種でなく、できれば、もうちょい、毛色というか、毛皮有りってのでは?」
「母がアレルギーを持っていたから」
「あぁ、そういや聞いたっけ」
動物アレルギーではなかったが。きっと、それも、引越し理由にあったのだろう。そして、引越しというか、環境変えで好転した。広い家屋に加え、母自身の生活の変化が効いたのだろう。
「俺自身もついこの間迄寮に入っていたということもある。でも、いや、そうだな、俺というのじゃないが、今は、親が結局飼っている、と言って良いかもしれない」
「ど田舎に早期リタイヤしたっていう?」
「早期じゃないが」
遅くできた子供というもので、父親ならはっきり祖父孫年代でいける。
「最初は雉だったんだが」
「キジ?」
「怪我した雉を保護したと聞いて、帰省、とは言わないか、ともかく親の家に行くのを愉しみにしていたんだが、実際正月に行ったときには犬に変わっていた。雉を餌にしようとして家の中迄入り込んできたらしいが、雉の方が強かった、と。それで、それならもう怪我も充分に癒えただろうと、雉の方は自然に返して、雉に負ける犬に野生は厳しいだろうと、犬の方を飼うことにしたというのが顛末だ」
「何処の野生の王国よ」
「日本の市町村だ。結構でかいんだがな、あいつ。見掛けだけでも、年寄り所帯には有難い番犬に……育てると言っている」
別に俺という育てる子供がいなくなっての淋しさ等の理由でなく、未来に期して今現在は、と察する他無い理由というのは、まぁ、俺に採っても有難い理由である。
「大型犬の仔かー、どっちも羨ましーわ」
「雑種だろうとしか判明していないが。何方?」
「でかいのの仔はなぁ、もー可愛い以外の声が出ないっても、やんちゃがすっげぇの。土田舎広いよーって話だったろ? 駆け回れるだろーな、で、どっちも羨ましいわって話で、もーなー、ちっこいくせして一丁前に足はでかくなるぞーって足で、そのアンバランスがまた堪らんつーか、っと、済まん、俺も惚気が止まらなくなる質だったわ。纏めると、叱られ仲間が、俺も育って立派になったように、実に立派になりましたとさ、って話で、あの野郎、俺より先にブリーダーさんから見合い話受けて、もう何児だかの父爺でさ。御感想は?」
「そういえば、前に写真見せてもらったな」
これは帰省で正しいのだろう、帰省帰りに、うちの家族と見せてもらったことがあった。自分のスタイルが崩壊するので、話題に挙げてくれるなとのことだったが、彼方から持ち出してくる分は良かったのだろう。残念なことをしていた。
「見る? 見ちゃう見ちゃうよなそりゃ見るな?」
素早くスマホを取り出し。おおお、動画だ動画だ、動いている、ちっこいのが。
「増えた?」
「そーよ。うちもねー、一人が精一杯っつか、自慢する? するぞ、うれっこで、一人だって、融通効かせてもらわなきゃ無理だったーって大威張り。爺様孫よとは解ってないんだろうが、仲好しさん。正直、お前が躾けるんかーい、ってつっこみたいんだけど、流石俺の弟って、褒め言葉しか出てこないのよー」
名残惜しそうに、そっとスマホを懐に仕舞い、それから、最前の言葉を繰り返した。
「確かに可愛いと賞賛の言葉しか出なくなるな、と」
些か蛇足を付けてしまえば、不思議にも。ブリーダーの元でというのなら、懼らくは、立派な犬種であり、それで祖父孫とくれば、相似した姿に育つのだろうが、姿形はとにかくとして、あの雰囲気に態度に、仔犬の方が成るとは、不可解にも思えてしまう。
「そりゃね、犬は人より断然成長が早い。奴も疾っくの昔に立派な大人よ。俺より先に成人しやがって」
朗らか声の儘ではあったが。
「で、きっと、さ」
「済まん」
「謝罪の時と違うな。俺だって、何度もお前の父親のことリタイヤリタイヤ言ってるが?」
それは、違う。
「父が、この前言っていた」
普段は、母親としか連絡を取っていない(が、母の口から父の状況は伝わってくる)。
「雉のときは、怪我が癒える迄との前提だったが、犬の方は……万が一のことがあるから、と」
寿命という観点でいえば、母なら断然に余裕があるが、田舎といえば田舎な訳で、万が一のことが起きたならば、母一人ではきついだろうから、犬込みで考えておいてくれ、と、母がいないときにこそりと告げてきた。
「あいつの世話も引き受けて欲しいと父が、事後承諾で悪いがと、そう言ってきた」
「流石お前のパパさんな? まぁ、そういうこと。自然の摂理というものよ? んで、うちの家族は、亦新たに家族を迎えましたというメデタイおはなしよ? って、これだと、死んでるみたいだな。未だ未だ健在、ドッグランいけば、仔犬躾忘れて自分が走り回る。つーか、老い考えるなら、うちの親の方だわ。うち帰るたんびに、俺散歩役。っつーか、俺、あいつら走らせる為にうち帰るって話だねー」
言葉が巧く出てこない内にも、明るく話し続けてくれるが。
「まーねー、かっわいー雛飼ったら、立派鶏冠生え鶏にびびって捨てましたやら、成長して寿命ある生き物飼ってるって自覚しないで飼う奴もいる。逆にヨウム飼いたいけど、寿命の長さに責任持てんって諦めるのもいる。ペットロスに罹っちまったのに、また飼えば良いだけってとんきちなアドバイスするのだっている。人様々違ってるが良いって話なら、種越えの生き物のバラエティさったらナイわーってぐらいにバッラバラ。寿命もね? だから、飼わないって選択する奴だっている、でも、それでも、だからこそ? 一緒に生きようってのも出捲る訳よ」
格別反感など抱いてなかったが、最前臆病と言われたことに実に納得がいった。明るく、軽いとさえ言って良いぐらいの声音であるのに、表情も語りにふさわしいものなのに、実に強く観えた。目映く、実に鮮やかに。そう、時に、いや、眼を開けば何処にでも、鮮やかな光景を映すことは叶うのだ。
「犬猫でなくたって同じだろうよ、っては、まぁ、俺の意見でしかないってことでもあるが、人だってさ、孰れ死に別れんだよ。それが嫌だからって誰とも人付き合いしないで生きてくって選択だってアリっちゃあアリだが、お前、そういう選択するか? 序でに、お前の友人やってる俺としちゃ、とっても哀しい思いをしちゃってる訳よ? そっかぁー、お前は、俺っておっともだちぐらいなら、死に別れ全然平気だから、お友達でいてくれるんだなぁっと――」
「そんなことはない」
「ありがとね? ってことで如何よ。奥津城嬢恋人はペット友人共とは訳が違うって、そういう反論も受け付けますが?」
「そんな、こと、は……」
希望が、出て、くれてしまった。
「百パー死に別れより蓋然性は低いにしたって、確かに奥津城嬢がお前に愛想尽かす未来はあるけどな、俺だったら、って、んなこと考えたことも無かったけど、はっきりそれ何ってことにしかなんねーよ。お前だったらってのを付け加えるなら、期間限定、時間に限りあるからこそ、精一杯? 全身全霊込めて、奥津城嬢を愛し尽くすって、そーゆー結論の方がお似合いと俺は観るが、奈何?」
警鐘は未だ鳴っている。可能性を論じるならば、そう、友人だから、俺の希望に添ったことを口にしてくれたということだってある。懼らくは、非などいくらでも見出せるに違いが無いのに、反論を挙げられないのは、思考が逃げている所為に違い無い。
「俺が、俺はそうだとしても、奥津城さんは、」
「ひっどい男ね? 好き好き言ってる娘に、別れようって?」
言えるか。
それでも、無い反論口を探していると、笑われた。良い笑顔である。
「長々悩むだけ莫迦。結論なんてそれしかねーよ。本心奥津城嬢の為に別れなきゃなんて考え尽くして覚悟したって、お前、無理だろ? お前を好きな奥津城嬢なら、素振りに出すだけで充分たっぷり傷心する。そんな真似できるかよ。お前から別れ切り出されても傷なんか付かない段になってから考えろって。もしかしたら、死に別れる前に持ちだされることはあるかもしれないしな。嫌いになりました別れましょうって言われて頷くことぐらいはできるだろ? その覚悟だけ持ってりゃ充分だろが」
頷いて、しまった。
「良いのか」
「恋愛に善悪持ち出されてもね?」
「持ち出すものと思うが」
「持ち出しての結論にしとけって」
「……良いのか」
「良いにしなって」
「……良いのか、別れないで良いのか」
「……御馳走様?」
「奢るとは先に言ったが」
「まあな、先に聞いたけど」
笑顔が微妙に変化していた、と思う。グラスを一旦於いてから、卓上のおしぼりを放ってきた。
「ほんと御馳走様? 全くな、お前、それでよく別れるなんて言えたな」
だって、別れるなんて、したくもあるもんか。
お読みくださり有難うございます。
束の間且あなたの貴重なお時間の、暇潰しにでも成れたら幸いです。
承後 彼に採っては不能問題 4 愛情勾配問題