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アメリカンガールズと妄想殺人  作者: ピタピタ子
4/17

実行

休日カバンが壊れていたので、自分なりに頑張って直していた。外に出てもいじめるクラスメート達に会うから、こうして家の中にいる方が安全だ。ついでにサラの人形をフェルトで作ってカバンにつけた。サラがノックして部屋に入った。

「ゾーイ、何その人形?可愛い。裁縫出来るのね。」

「出来る程じゃないよ。壊れたカバン直すついでに作ったの。」

「その女の子誰なの?」

「私だけの秘密。」

「教えてよ。」

サラに押し倒されて、私達はふざけあった。久しぶりにこんなに笑った。

次の日、学校に行きに家を出るとハーパーとサラが玄関まで見送ってくれた。

学校についてロッカーに必要なものを取り出した。ロッカーの前にルーシーとミラとその取り巻きが来た。

ミラは私のカバンをつかんできた。

「これ何?自分で直したの?全然直せてなくない?」

「カバン捨てるのもったいないと思ったから、自分で直したの。」

「全然センスないじゃん。もしかして直して貰えるお金も貰ってないの。」

「自分で出来ることは自分でやりたいの。」 

「格好つけてんのね。言っとくけど、あんたが言うそれ格好良くも何もないから。もうちょっと自分の立場わきまえたら?」

「おい、答えろよ。分かってるのか?」

「返してくれる?」

「返すわけないだろ。」

カバンのチャックを開けて、中身を色んな所にばら撒いた。

「このリップクリームしてもあんたの顔が良くなるわけないから捨てるね。」

「そんな。」

私のリップクリームを遠くに投げ捨てた。彼女達は私をおいて、教室に行ってしまった。落ちた持ち物を全部拾おうとしたが、何人か私の手をわざと踏んで来ては何も無かったかのように教室に行ってしまう。

「私も拾うわ。くだらない奴らだね。」

何故か家にいるはずのサラが突然私の前に現れた。彼女は一緒になって手伝ってくれた。

「サラ、わざわざ学校に来てくれてありがとう。」

そう言うと、彼女はいなくなっていた。

教室に入るとフランクがわざと足を引っかけて、皆の前で報告してきた。

「どうしたんだ?そんな所で転んで。」

「ダサすぎなんだけど。」

周りの皆は私の姿を動画にしていた。周りは皆見下した表情で笑っていた。

授業中、サラの人形をずっと見ていた。先生に当てられると、現実世界に引き戻される。サラの人形から目が離せなかった。きっとサラと私の出会いは偶然じゃない。必然なんだと思った。

家に帰ると、サラがゲームをしていた。

「ただいま。」

「お嬢様、おかえりなさいませ。これからおやつの準備をしますね。」

「良いよ。おやつくらい自分で用意するから。」

「私の仕事ですから、お気になさらず。」

ハーパーは相変わらず真面目で、少し頑固なタイプだ。

「サラ、そのゲームどうしたの?」

「私が元々持ってるものよ。」

私はゲームとかしないので何をしているのかさっぱり分からない。

「そう。部屋で勉強してるわ。」

宿題をしてると、サラが部屋で居眠りしていた。私は彼女にブランケットをかけた。外にいてもやることがないからずっと家で「」宿題と勉強をしていた。

「ゾーイ、植物園行くの?私も行く。」

彼女は寝言を言ってた。サラが来てから勉強がいつもよりはがどる感じがした。勉強しててもいじめられてることを思い出すことがまだあるけど、サラが来てからほんの少しだけ安心感を感じた。

「勉強終わった?」

サラは起き上がった。

「うん。何とかね。」

「それより、妄想殺人一緒にしようよ。」

「一回だけだよ。」

「分かったわ。いじめの主犯格は誰なの?」

「クラスの男子一人と女子二人。他にも取り巻きがたくさんいるの。」

「殺すなら、カバンを燃やした奴もじゃない?まあいいわ。ターゲットが絞れたなら、殺害方法を考えなきゃね。」

「いっきにまとめて殺すの?」

「それじゃあ面白くないわ、一人一人じっくり殺したほうが達成感があるわ。」

彼女はハーパーを呼んだ。

「ねえ、アルファベットのパズル持ってきた。」

「お持ちください。」

ハーパーは私達の前にアルファベットのパズルを持って行き、すぐに部屋から出た。そんなの小さい頃、買った覚えも無かった。何でサラは家にそんなものがあるのを知ってるのか疑問に思った。

「それうちの家の?」

「さあ、分からないわ。今回の妄想に必要なの。まず私達は向かい合って座るのよ。」

「分かった。」

言われる通りに座った。

「それで次は?」

「最初の殺しのターゲットにする人の名前をパズルで書いて。」

パズルをとった。特に思いつきそうになかったので、フランクの名前を書いた。

「フランクね。」

「いじめの主犯格の一人なの。わざとぶつかったり、私のこと転ばしたり、物壊しては晒し者にすること多かった。」 

「大体どんなやつか分かったわ。文字の上に手を置いて。」

手を置くと、さらにサラが自分の手を重ねて置いた。

「目をつぶって。これから殺人を実行するわよ。」


私達は妄想の世界に入る。フランクは後ろを向いて歩いていて、他の高校の男子生徒を取り巻きを連れて殴っていた。そんな彼に石を思いきり投げた。

「痛っ。今、誰だ俺に石を投げたのは?」 

男子生徒はそのすきに走って逃げてしまった。さっきまでいなかったサラが隣にやって来る。

「今よ。」

サラの合図で、まずは取り巻き連中をナイフで襲撃しようとしたが、中々刺さなかった。フランクの後ろからナイフを刺そうとして、頭に銃口をくっつけた。

「これ以上動くなら、お前の命はない。今から私の言うことを聞け。」

フランクを人質にとった。フランクの取り巻きはやり返そうとした。

「動くな。お前らもだ。ここから動いたら、こいつの命はない。分かったか?」

私はフランクの取り巻き連中も脅した。

「ゾーイ、何の真似だ?お前、何調子にのったこと言ってるの?お前に俺を撃てるわけないだろ。」

フランクがその言葉を発した瞬間、引き金を引いて、フランクは一瞬のうちに死んでしまった。

サラに現実世界に引き戻される。


「ゾーイ、まだまだね。このゲームの楽しさはじっくり時間かけて殺すことよ。」

「そんなの聞いてないよ。」

「またやり直しね。」

サラはすぐにパズルを片す。

「割とありきたりな、アメリカ映画の展開ね。」

意外に妄想にのめり込めたが、サラからしたらまだまだだった。

今度は私がサラの部屋に訪れた。たった1週間で部屋はサラのカラーに染った。サラは部屋を上手く整頓して、所々おしゃれな所があった。一つも散らかっている所が無かった。

「サラの部屋は私の部屋より整ってるよ。どうしてそんなにキレイに出来るの?」

「部屋は自分の鏡でもあるの。部屋が汚かったら、自分を映すことも出来ないわ。」

「そうじゃなくて、キレイにする方法とかあるの?」

「私から教えることはないわ。」

サラの部屋はあまりにも整っていて、どこか抜けている部分が見えない感じだった。

「どんどんいらない物は捨てるの。必要なものだけここに置いていくの。欲しいものは何が何でも手に入れるわ。」

彼女はパソコンで作業をしながら、答えた。彼女はイヤホンをした。突然彼女はにやけた。

「何笑ってるの?」

「これ見て。」

批判系ユーチューバーの動画を見て笑っていた。ずっとパソコンをいじっているもんだから私は自分部屋で一人で音楽を聞いた。

「ゾーイ、もう終わったよ。」

彼女はイヤホンの片方で音楽を聞いた。

「びっくりしたわ。」

「あまり動画見るの好きじゃないのね。」

「何見たら良いか分からないし、クラスメートとも私だけそんな話したことないの。」

彼女を置いて部屋を出た。

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