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アメリカンガールズと妄想殺人  作者: ピタピタ子
16/17

変化

私はイーサンを私の部屋に連れた。サラは急いで自分の部屋に行こうとした。

「私達、付き合ったの。」

「だからって私の許可なしに家に連れ込むことないでしょ。」

「ここは元々私の家だよ。それに両親がいないから、部屋に連れ込んでるの。」

「分かってるけど、ゾーイ以外の人が部屋にいるのが落ち着かないの。」

「どうしたの?もしかしてイーサンのこと嫌いなの?」

「まだ何も言ってないんだけど。」

「何でそんなに不機嫌なの?」

「別に不機嫌じゃないけど。もう部屋に行くね。」

サラはそのまま部屋を出てしまった。この状況でイーサンは何も言えなかった。

「あの子が何で家にいるんだ?」

「誰にも言わない?サラも色々大変なの。」

「言うわけないだろ。」

「あの子、元々ホームレスで家が無かったの。」

「両親が養子にしたの?」

「それが出来たら良かったね。両親には秘密にしてるの。あの子が自らうちの家に転がり込んできたの。最初はビックリしたけど、あの子と一緒に過ごせるのが楽しいの。」

「そうか。」

彼は下を向いていた。

「確かに少し癖がある子かもしれないけど、悪い子じゃないんだよ。」

サラが不機嫌でも、内心ではサラがいてくれるだけでそれで良い。

イーサンと手が触れ合う。そして同時に口と口が触れ合う。最初はゆっくりと。ゆっくりベッドに横たわる。抱き合って、全てが触れ合う。

「こういうの初めてなの。」

「良いよ。関係ないよ。君といるだけでも楽しいから。」

こんな時でも彼の優しさが伝わる。

「イーサン。」

身体から伝わる暖かさが私を包む。扉が少しだけ空いていた。誰かの視線を感じる。視線の先を見るとサラだった。サラは無表情で私のことを見る。イーサンは私に夢中でサラに気がついていなかった。私はサラのことは気にせず彼と最後まで楽しんだ。

「凄い幸せ。」

彼の頬に手を当てる。彼は立ち上がり、机から絵をとる。

「これも君が描いた絵?」

「そうよ。」

サラの似顔絵だった。

「彼女そのものだね。」

「学校でいじめられてた時は、よくサラを描いてたの。サラと私は必然の出会いだったの。」

サラの全てを分かりきったわけではない。でも彼女が私を変えた。

「今度、一緒にデッサンしない?」

「良いよ。」

また約束が一つ増えた。

次の日サラの部屋に行った。部屋を開けると、サラはいなくて、荷物も全て無くなっていた。

「ハーパー。サラ、見なかった?」

「今日は一度も見ておりません。」

家中を探し回っても彼女は現れない。

「サラ、どこにいるの?どこに隠れているの?」

中々彼女は見つからない。ハーパーに探すのを手伝ってもらった。

「サラお嬢様。ゾーイお嬢様がお探しです。いるなら、出てきてください。」

「見つかった?」

「まだです。」

クローゼットの奥にもいなかった。私は急いで外に出た。家の周りを探し回った。

「サラ、どこにいるの?」

メールも送ったが、返信がない。電話も何回もかけたが、反応が無かった。 

「サラ、今どこで何してんの?」

荷物が全部無くなったから不安になった。

「急に呼び出してどうしたんだ?」

イーサンが来た。

「サラがいなくなったの。荷物まで無くなってるなんて変だよ。」

「警察に捜索願を出そうか。」

「駄目よ。サラは法律上私とは家族関係にはないの。捜索願を出したら、サラに一生会えなくなる。」

「でもこのまま家に居座らせたら、バレるの時間の問題だろ。だからすぐに捜索願を出そう。」

「警察だけはやめてよ。彼らに見つかった所で彼女が無事とは限らないの。だから見つけるの手伝ってくれる?」

「今回だけな。」

公園にいる子供達に声をかけた。

「ねえ、こんなお姉さん見なかった?」

サラの絵を見せると、子供達は頭をかしげた。

「見なかったよ。」

「ありがとう。」

今度は老夫婦に声をかけた。

「すみません、この女の子見ませんでしたか?」

「見てないな。」

多分、誰も彼女を見てなかった。

「そろそろ俺、用事あるから帰るよ。」

「分かった。ありがとう。」

結局一人で彼女を探した。

「もしもし、サラ今どこにいるの?」

彼女は無言だった。

「どうして何も答えないの?」

そのまま電話はきれた。家に帰ると、母と父がいた。

「おかえり、ゾーイ。」

もうテーブルにはご飯が並んでいた。

「今度、3人で美術館行こうか?」

「ゾーイが好きな印象派の絵よ。」

「分かった。行こうね。」

ご飯を食べた後、チケットを手に取り、そのまま部屋に戻った。サラのことを考えながら、部屋の整理をした。あっと言う間に終った。

机に向かい、ペンを持つ。自然と手が動き出す。サラを中心に、右に私、左にイーサンを描いた。皆微笑んでいた。しかしそこに私の涙が紙ににじむ。だんだんイラスト全体に広がっていく。にじんだせいで3人の表情がどんどん分からなくなっていく。そして絵まで消えようとする感じがした。サラは本当に今頃、どこで何をしているのだろうか?誰にもきっと分からない。誰にも分からないように彼女は姿を消した。そして私は彼女の人形を見て、ゆっくりと撫でる。

彼女の部屋に行くと、机に一枚のノートがあった。さっき見たときは無かったと思うが何故ここにあるのだろうか?そしてそれを拾うと、彼女がここに来てからの記録が書いてあった。しかしそれには日付が書いてなかった。そしてそれを私はメモでまとめながら書こうとした。

「私は、今日ある少女の家に入った。たまたま道端で会ったから、彼女のことが気になった。彼女そのものが欲しいと思った。どんな暮らしをしてる少女なのか気になった。入ると一人のメイドが立っていた。ゾーイの写真を見せて友達で家がなくて困っていることを伝えると、彼女は私のことを疑うことも無く、同居を受け入れた。彼女はかなり真面目なメイドだ。少女と再開する。彼女は動揺していた。こんなホームレス少女が家に上がり込んだら無理もない。

今日はゾーイに妄想殺人を勧めた。最初はかなり動揺していたが、何だかんだ挑戦してくれて嬉しい。彼女のことをもっと知りたい。心が見えているけど、彼女の奥底まで入りたい。だからこそ妄想殺人で心を見たい。

たまたま引き出しを開くと私の絵が描いてあった。絵描き帳はゾーイそのものだった。絵描き帳を持っていだけでゾーイがいるような感じだった。同時にゾーイのクラスメートの男子フランクの家でメイドを装って、盗撮をした。

盗撮したら良いものが撮れた。フランクと彼の母親が性的関係を持っているのがビデオでばっちり収まった。これを使って毎日脅迫状をメールで送るつもりだ。

学校に行ったら母親との関係をバラすとか誰かに私のことを話したら全てクラスメートに広めると脅迫したらついに外に出なくなった。誰も部屋に入れなくなった。

ついにフランクは自ら命を立った。その現場を見て私は警察に通報した。私はパニックになるふりをした。学校でゾーイがそのことを知ると、少し安心してるのがすぐ分かる。人間らしくて凄い興味深い。妄想殺人をしてる時の彼女は本性そのもの。本当は消えてほしくてたまらないのがよく分かる。そんなこと無かったら、実際に私の手で殺してなんかいない。

私は出会い系アプリを携帯に入れて、ある女性と援交している男性を装った。その男性はルーシーが勝手に撮影した人だ。その写真を使って彼女はゾーイが援交しているとデマを流した。その女性の写真がゾーイの携帯にあったので、私のパソコンに送り、履歴を完全に消した。その女性は大学に通っている。それを彼女の友達に援交していることをバラした。私はアプリを通して、実際に彼女に会った。もちろん私はウィッグをした。写真を面白半分でルーシーがバラまいたと彼女にデマを流す。感情的になっていた。そしてもっと彼女を煽った。そしたら数時間後彼女はルーシーを刺殺した。

私は配信アプリでたまたまミラを発見した。どこまで欲深い女なんだと思った。どんな場所でも自分が一番じゃないと気がすまない低レベルの女だ。コメント欄でしつこく、つきまとうような男がいた。毎回ライブ中強制退室させられてるのに、アカウントを変えては入ってくる。私は見るアカウントとは別に、ミラのストーカー男と連絡するアカウントを作り、その男がいない時に言ってる悪口を録音して送りつけた。とにかく同情したフリをした。またミラのなりすましアカウントを作った。流石にバレるかと思ったが案外ちょろかった。

なりすましアカウントでミラの住所を送った。その日に男はミラの家に来て彼女を殺した。そしてアカウントは全て消して証拠を隠滅した。

ゾーイの父の不貞行為がバレるのも私の計算のうちだ。正直一番消滅すればいい奴だと思った。あいつらがいなくなればゾーイも安心して日常を過ごせる。彼女を愛してる。自分のものを傷つけられるのが許せない。そんな反省しない奴らに制裁を加えないといけない。あと一人邪魔者がいた。

今日、イーサンとゾーイが付き合うのを知ってショックだった。イーサンもゾーイも私な立派な所有物なのに。自分の愛してる人が自分の愛してる人と付き合うのが許せない。2人とも私だけに興味を持つものじゃないと駄目。許せない。何としても二人とも自分のものにしたい。

もしゾーイがこのノートを誰かにバラしたら、ゾーイの秘密を全てバラそうと思う。私には心が読めるからどんなにあがいても無駄だ。今、街の外れの森にいる。」

私は記録を読み終わると、スマートフォンを手に取った。そうすると彼女から電話が来た。彼女の指示通りしていの場所に車で行った。3時間くらいして目的地に着く。ある山の崖にいた。

「サラ、いきなり呼び出して何のようなの?」

「イーサンと別れてくれない?」

「何言ってるの?」

「特に言葉を歪曲なんてしてないけど。」

ノートの方を指さした。

「やっぱりノート読んだのね。ノートに書いてないことで良いこと教えるよ。」

「何?」

私は呆然としていた。

「私が路上で複数人に殴られている所覚えてる?ゾーイは何も出来なかったよね。でも大丈夫よ。あの後イーサンが助けてくれたの。あなたが好きなのとイーサンに近づく為に同居をお願いしたの。」

「それをどうして私に?」

「聞きたそうだったから。」

思わず私は後ろに下がった。

「ゾーイは私のものでいれば良いの。好きで仕方ない。」

「私はサラの所有物じゃないの。」

サラが近づいて来る。

「ゾーイもイーサンも私のもの。」

どんどん迫ってくる。私は足が滑り、崖から落ちた。

「ゾーイ。」

私は凄いスピードで落ちた。

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