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アメリカンガールズと妄想殺人  作者: ピタピタ子
14/17

作戦5

学校に行くと、またシンディーのグループに声をかけられる。一緒にいてもいつも仲間外れにされる。全然楽しくなんかない。ここにサラでもいれば良いのに。

「ねえ、聞いた。ミラのこと刺した男、ミラのライブでよくアカウント変えてはつきまとっていた男だって。1回、ミラに会ったみたいだけどミラはきっと覚えてない感じよね。」

「そもそもミラの奴、ライブやっていたんだ。知らなかったわ。そこまでして目立ちたいんだね。あういう女ってプライド高いよね。」

「自分が一番とか思っていそうね。」

シンディー達はミラのことをまた悪く言っていた。私が死んだら、今度は私が悪く言われる番なのだろう。護身用のナイフに自分の姿がかすかに映る。私は彼女達をおいてトイレに行った。

「ゾーイ待っていたよ。」

サラが目の前に現れる。

「何だか居心地悪いからここに来た。」

トイレの鏡を見ながら話す。

「あんな人達、ゾーイの友達じゃないよ。」

ナイフをポケットから取り出す。

「そんなのポケットにいれちゃ駄目。」

「自分のためよ。」

「ゾーイ、そんなことしたら一生幸せにはなれない。一生損しなきゃいけないんだ。」

サラの言われる通りナイフをしまう。後ろを振り向くとサラはいつの間にかいなくなっていた。

廊下を歩くと、イーサンに遭遇した。

「ゾーイ、おはよう。今度二人で映画行かないか?」

「もう一人の男の子はいいの?」

「良いんだ。二人でゆっくり話したいんだ。」

「分かったわ。」

すぐに彼と約束した。

家に帰ると部屋にはサラがいた。

「まだターゲットが残っているようね。」

「うん。いつものように妄想殺人しよう。」

サラはアルファベットのパズルを並べた。シンディーの名前がそこにはあった。二人の手が重なり合う。


妄想の世界に入る。学校でシンディーに話しかける。

「ねえ、今日の帰り高級鞄専門店に行かない?見るだけだから。」

「写真映えしそうなものが多そうね。ゾーイが私を誘うなんて珍しい。付き合ってあげるわ。」

意外と簡単に誘えた。放課後学校の前で待ち合わせをした。

「皆で行くわよ。」

シンディーは他のメンバーも連れて行った。店内に入ると誰もいなかった。

「何ここ?誰か店員いないの?」

「この時間はいつも誰もいないの。そんなこともあって万引きの被害にあいやすいんだけどね。そうだ、2階はもっと種類あるから見てみてよ。」

シンディー達は言われる通り、2階にあがった。その間にお店を鍵で閉めて施錠した。本物の鍵は自分のポケットにしまった。闇市場で手に入れたものを仕掛けた。拳銃などをあちこちに置く。そして私は2階にあがる。

「皆、良いの見つかった?」

「こんな私ピッタリわね。」

「似合ってるわ。シンディーがそれインスタ載せたら、めっちゃいいね貰えそうね。」

「当たり前でしょ。人気者なんだから。」

妄想の中でも皆の性格は変わらない。

「どうせ店員いないし、一つくらい持って帰っても問題無いでしょ。」

「監視カメラないよ。私も持って帰ろうかしら。」

「一番のお気に入り見つかると良いね。」

私は笑いながら彼女達を見た。

「何か音しない?」

外の様子をガラス越しで見ると、外で銃を乱射している男がだんだんお店に向かって近づいて来る。足音がどんどん大きくなる。

「変なの来たわ。今すぐ、ドア閉めてくる。」

「ゾーイ、早くしてよ!」

シンディーが私に向かって怒鳴る。元々ドアは閉めてあったが、閉めるふりをした。

「ねえ、あれどこかで見たことない?」

「確かに。」

よく見るとジェームズだった。

「ここらへん、徘徊してるホームレスよ。」

「よりによってお店が狙われるなんて。全て誘ったあんたのせいじゃないの!責任持ってホームレスを一人で追い払いなさいよ。」

ずっとお店の前に立っていた。私以外の女子達は皆顔が真っ青だった。

「何もたもたしてんのよ。あの3人が死んでもあんたの立場は変わらないのよ。早くしなさいよ。」

「ほら行けよ。」

女子達全員に責められた。泣くふりをして1階に行こうとしたがジェームズはすぐに警察により捕まった。

「皆、安心して。もう男はいなくなったよ。」

皆、安心しきった。

「バッグ使って、ファションショーしない?ゾーイは除外ね。あんたは何着ても無駄だから。」

皆、バッグを持っては自分が一番すごいかと語るかのように見せつけてきた。電話が鳴り響く。

「あんた携帯鳴っててうるさいわ。早く出て。」

「今出るから。」

私が電話番号を見ると登録してない番号だった。もちろん番号が分からなくても私は誰と話してるかはもう分かってる。

「そんな、嘘でしょ!?早く脱出しないと。」

「ゾーイのやつどうしたんだ?何か電話越しでずっと騒いでるね。」

電話は5分くらい続く。私は皆に電話の内容を話す。

「皆、落ち着いて聞いて。今このお店の中に時限爆弾があるみたいなの。お店を襲撃しようとした男がこのお店の店主にすごい恨みがあるみたいで、店主を殺すために時限爆弾を設置したの。どこにあるかも分からないわ。」

「何でそれをゾーイに電話したの?普通恨みがあるなら店主を脅すと思うけど。」

「その男、私の友達と仲良いの。よく話すことがあったけどあんなことすると思わなかった。とにかく私達も店主の肩を持ってると思われてるの。」

「そんなうちらは関係ないのに。」

「今は言い争いをしてる場合じゃないよ。とにかくここを出よう。」

私はドアの方に近づいた。

「あれ?鍵を無くしたわ。」

私は鍵を失くしたふりをした。

「ゾーイ何やってのよ。」

「あれ、鍵落としたんじゃない?これよ!」

ピンクの鍵をシンディーが拾う。

「良かった。私達助かった。」

鍵を開けても扉は開かなかった。彼女達は閉じ込められてしまった。

「ごめん、鍵を失くしたと思わなかった。私が責任持って探すわ。」

そんなことは言ったものの、他の女子達も鍵と時限爆弾を探し回った。

「見つけたわ。」

「鍵見つかったの?」

「時限爆弾よ。」

元々時限爆弾は2階に設置していた。

「そんなの見つけてどうすんだよ。」

「鍵は私が悪かったから一人で探す。皆は時限爆弾を何とかして止めて。」

「何でうちらがこんなこと考えないとならないの?」

「もう5分で爆発するよ。」

私は急いで1階に降りた。彼女達が行き来出来ないように階段に灯油をまいて火をつけた。鍵を開けて、外に出て。外は鍵で施錠した。

彼女達が追いかけるようにドアに向かう。私はサラと合流して、お店を後にした。そしてシンディーの携帯に彼氏のジョンと裸でベットで寝ている写真を送った。死に際でショックで動揺していた。

「サラ、あの時限爆弾表示より2分早く爆発するの。」

「中々やることが容赦がないのね。そう言う所、嫌いじゃないわ。」

「サラに言われたくないわ。」

時間が過ぎて、あっと言う間に爆発してしまった。彼女達は準備する時間もなく、すぐにバラバラになった。爆発した瓦礫からシンディーのバッグを見つけた。ボロボロだった。さらにそれを何度も勢いよく踏みつけて、最後は火をつけて、灰にした。そしてジョンに会いに行く。

「シンディーのこと助けられなかったの。」

ジョンに泣きつく。

「君のせいじゃない。悲観的にならないで。」

「私達のせいよ。」

適当な演技をして、その場を去った。灰は袋に入れて、上からシンディーの写真を貼り付けた。その後私はシンディーになりすまして、彼女の家の中に入り、洗濯物の中に混ぜて、洗濯機に全部入れた。写真はどんどん変形していき、灰が洗濯機じゅうに蔓延した。それを放置して私は家を出る。私の妄想は終わる。

サラはいなくなっていた。

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