古書街で
冬の木枯らしが吹いて
空から雪のひとひらが舞う日に
ある古書街の絵本専門店で
二冊の本を買った
一つは聖夜に因んだフランスの古いお話で
一つは 鳥 という題名につられて
頁をめくって読んでいくと
なぜか
白い鳥の群れとともに
紺碧の太平洋を超えて
フランスまで飛んでいきそうな
そんな気分になりました
また別の
寒さが身を切るような
北風の冷たい日には
かじかむ手をさすりながら
本屋さんにどうにか入り込んで
アンデルセンみたいな
優しい童話を買った
手元には素敵な装丁の絵本が
花のように並んでいて
幸せな気持ちが戻ってきました
部屋を暖かくして
紅茶をポットで淹れたら
人魚姫と月をお客さまに呼んで
午後のお茶会を開こうかしら
シルバーに白いクロス
焼きたてのお菓子の甘い香りを待つ時間
お日さまの匂いのする部屋で
ぽかぽかしながら
季節の花の咲くお庭を眺めながら
くつろぎのひととき
そんなことを思った
冬の日でした