表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

転生前夜

不定期更新です。

「突然ですが貴方は死にました。」


「は?」


ヤッホー!私の名前は喪武山燃蕪子(もぶやまもぶこ)。何処にでも居る普通のOL!推しにずっと萌え萌えしていた私だけど…ある日トラックに撥ねられちゃった〜!え〜私どうなっちゃうの〜⁇





____などとまぁ現在逃避していても仕方がないだろう。自称神の名乗る比較的人間を模したナニカがそこには居た。真っ白な空間の中で正常な判断と思考が出来ている私はもう既に死んでいるのだ。私としては別に死んで後悔は無いが、もしもトラックに撥ねられた人間がその生を謳歌している人間ならばきっと今頃自称神を名乗る人間に罵詈雑言を浴びせるのだろう。自身の死を受け入れられる人間なぞよっぽど絶望しているか狂っているかの違いがあるだけだ。…良かった私は絶望していて。推しが死んだ回が先週放送されたばかりだからか私はこの一週間悲しみと愛おしさに絶望していたのだ。と言うかこの理論でいけばニ次創作の異世界転生者は狂っているか絶望しているかの二択になってしまうな…よしこの話は止めにしよう。


(とりあえず現状整理だ。)


「あの…死んだってどう言う事ですか?それにかみって…神って事ですか?」


「あぁ、そのままの意味です。貴方はトラックに撥ねられて死んだのです。かみはあの神で間違いないですよ。」


「…私はどうなるんですか?このまま地獄にでも行くんでしょうか?」


「あっ…その実は…余りお伝えし難い話なんですけど〜。」


神は言葉を濁らせ視線を泳がせる。…なんだ?


「…すみません。実はこちらの手違いで死んだんです。」


…まぁそんな事だろうとは思ったが。二次創作でもよくある神の手違いで死んだからお詫びにチートあげるねと言うやつだ。別にチートなんぞ必要無い…むしろ迷惑だ。私は疲れたのだ。推しが居ない世界になど意味は無い。滅んでくれ。いっそのことそのチートを使い人工的に推しを創り出そうかな…賛成だ私。


「…なので、お詫びに三つだけ貴方の願いを何でも叶えてあげましょう!…そうですねー貴方の場合なら推しが居る異世界に転生出来るとか!」


なぬ?


「それを早く言え‼︎…推しに会えるの?」


「ってうわ…うるっさ。はい!会えますよ?」


んぎゃひぃぃぃ‼︎おっおおお推しに会えるだとぉ!どどどどうしよう。推しに会えるなんてめっちゃ嬉しいんだけど⁇って言うかどうしよう化粧とかくずれてないかな?手は洗った?猫を被って永久保存する準備はok?…あわわぁ…スゥ____(天に召される音)


「ちょちょちょっと!勝手に逝かないで下さい。」


はぁ…はぁ…やばい心臓発作起きそう。会ったら確実に死ぬ‼︎精神的にも肉体的にも。ひぃぃ〜推しに会えるよぉ〜はっぴぃだよぉ〜。…落ち着けまだ慌てる時じゃない。ひっひっふーひっひっふー…ヨシ!


「…ふぅ。もう大丈夫よ。…あぁ違う、もう大丈夫です。」


「…本当ですか?まぁいいや。とりあえずちゃちゃっと願い決めて下さいね。」


さて、願いを決めるか。まず推しが居る世界に転生する事は大前提だ。そこで重要な事が複数ある。まずは転生する時期。もし仮に転生して、それが推しが既に死んでいたり先に自分が死ぬような時期では駄目だ。推しには必ず会いたい…どんな手を使っても。次に身分だ、あの乙女ゲームは身分による差別が激しい。推しは街のチンピラだったから出来れば貴族とかではなく平民ぐらいが丁度良いだろう。次に場所、金さえあればどうにかなりそうだが正直言えば転生してすぐに会いたい。無茶だとは分かるが国も違えば言語も文化も違うだろう。乙女ゲームの中は基本日本語だったがその設定が日本語かどうかは分からないしな。そして最後余り重要じゃないけど一応確かめておきたい。そう性別だ、出来れば女性のままがいい。


「えっと…色々確認したい事があるのですが…。とりあえず一つ目の願いとして『推しに会いたい』です。」


「りょうかいしました。他には?」


「あ、いや。推しに会いたいんですけど、具体的に教えて欲しいです。」


もしこれで推しに会えるとしても一瞬だけとか嫌だし。


「ん、そうですねえ。とりあえず推しが居る世界に転生させて、人間として会わせてあげますよ。」


随分と物分かりのいいな…。


「神ですから。貴方の考えている事なんて分かりますよ。」


何だと?では私は少なからず、この自称神に考えが読まれていたという事か。…神とやらはプライバシーと言う物を知らないのか?などと考えたがこの思考も神に読まれているともすれば神は自称ではなく本物として頷けられる。


「で?他に願いは?」


「えっと…じゃあ言語が通じるようにして下さい。」


思考が読まれているとしたら聞く必要なんて無いように感じられるが。


「はいはい。言語ね?じゃあ比較的日本語に近いものにするから…はい、オッケー。」


「最後は…身分を安定したものにして下さい。なるべく推しにすぐ会えるように。」


「身分…っと。こんなもんで大丈夫かな?変更とか無い?」


ひとまずこれで大丈夫だろう。


「はい。」


「んじゃ転生ね。いってら〜。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ