馬がいる・・・。
小腹がすいて「おやつの時間かな?」なんて街中を歩いているとき、ふと何か奇妙なものを見た気がして振り返ると。
・・・馬がいた。
いや、正確には馬の頭の被り物をした人間だが。
その馬(?)は喫茶店のカフェテラスで、知人と思われる女性二人と楽しそう(?)に談笑しているように思われた。
周りを見てみると、やはり気になるのであろう。ちらちらと馬(?)を盗み見ているひとが結構いた。
いや当然か・・・?
なぜに馬。
この一言に尽きる。その状態でどうやってテーブルにある紅茶を飲むのか気にはなるが、それよりもどうしてか馬の頭に目が行く。
立ち去るにも立ち去れないという何とも言えない状況に追い込まれたが、その時間は唐突に終わりを告げた。
3人(?)はティータイムを終えたらしく、カフェテラスから立ち去ろうとしていた。
こちらからは特に何もせず、何も起こらずに終わったことにほっとしたが、やはり馬に目が行く。
その場で解散のようで3人(?)は別れ、馬の頭の人は、手を頭にかけた。
見ていた周りの人々の心が、「その馬を脱ぐのか」という一つにまとまった。
一瞬、息を飲む。
そして、馬の頭が外され、中から出てきたのは。
色違いの馬の頭だった。
馬に始まり馬に終わる。