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77.閑話2

 バーベキュー大会の後、ナヴィアとアイカはニコラスの転移魔法でディスプロシ島へと戻ったわけだけど、私もこれに同行した。

 ナヴィアとアイカ、ニコラスを貸してくれたお礼と結果報告をマナミにしなきゃならないもんね。

 そして、島に着くと、私は早速、温泉施設の前まで転移魔法で移動した。



 私が受付の娘に、

「マナミいる?」

 って聞くと、

「今日は、いますよ!」

 とのこと。

 やっぱり、マナミは温泉が好きだね。



 私は超VIP待遇でね。

 無料で入浴させてもらえる身なんだ。


 でも、今日は完全に私用で来たんだし、一応、入浴料を払おうとしたんだけど、そうしたら受付の娘が、

「私が怒られるからダメです!」

 って言って拒否ってきた。

 なので、申し訳ないけど今日もタダで入らせてもらうことにしたよ。



 欲情……じゃなかった、浴場に入ると、早速マナミを発見!


「マナミ!」

「あら、アキ。もう終わったの?」

「うん。ナヴィアとアイカとニコラスを貸してくれてありがとう。助かったよ」

「別に、それくらいのことは、どうってこと無いけど。それにしても早かったね」

「まあ、ミチルさんが倒してくれちゃったんだけどね」

「さすがに正体がドラゴンだもんね」

「でも、これで戦争を回避できたよ。ラフレシアが召喚したのが催眠術師でさ。それでホハハの国家主席を操って戦争を始めようとしていたのよ」

「そうだったんだ」

「それと、私そっくりな転移者もノエにいてさ」

「ホント?」

「うん。でも、私と違ってミチルさんの血を被っていなかったからね」

「えっ? なにそれ?」


 そう言えば、このことはマナミにも、まだ言っていなかったっけ?

 既に私の守備力は、デフォルト状態じゃないんだよね。


「実は、ミチルさんの……要は龍の血を被って防御力が上がっているのよ」

「そうだったんだ。なんか、ジークフリードの話みたいだね」

「うん」

「だとすると、もう絶対に私はアキと戦えないね。こっちが火炎魔法とか雷魔法の使い手を雇ってアキを攻撃しても倒せないってことでしょ?」

「まあ……そうなるかな? もっとも戦う気は無いけどさ」

「それにしても龍の血か。たしか、地球でもコモドドラゴンの血液成分には強力な抗菌ペプチドが含まれているなんて話があったっけ」

「そうなんだ」

「うん。それで、伝説のような効果が発表されたって、一部では盛り上がったみたい」

「ふーん。でも、この温泉って、本当に私達の住んでいた街の温泉そのものよね」

「まあ、前にも言ったと思うけど、それを参考にしたからね」

「田舎か……。お母さん、元気かな」


 私がこう言った直後、マナミの顔が急に暗くなった。

 どうしたんだろう?


「もしかして、お母さんに何かあったの?」

「えっ? アキのお母さんの『オ〇ニー変わった』かどうかは、さすがに知らないけど?」

「えっ?」

「えっ?」



 取扱説明書:アキ-108号は、聞いた単語と語呂が近いHな単語しか思い浮かばないことが多々あります。



 取扱説明書:マナミ-365号は、以下同分。しかも、かなり強引です。



「もう、マナミったら。『オ〇ニー変わった!』じゃなくて『何かあった?』だってば!」

「なんだぁ。聞き間違えちゃったよ! 地球にいた頃も迎賓館を下品姦って聞き間違えたことあるし」

「あのね!」


 まったくマナミったら、下品姦って……。 

 こっちの世界に来てからならまだしも、前世でそれはマズイよ。

 まあ、上品姦って言うのは考え難いけどさ。


 ただ、『何かあった?』が『オ〇ニー変わった!』って、相当強引な勘違いだよね?

 完全に製作者……エロスの悪意を感じるよ。


「他にも聞き間違いじゃないけど、変なことを想像したりね。農薬混入事件ってあったじゃない?」

「食品関係の?」

「そう。それに使われていた農薬がマラチオンだったじゃない?」

「たしかに、男性器と、それを咥える行為を足したみたいな名前だね!」

「でしょ?」

「でも、それは置いといてさ。何かあったの? もしかして、私のお母さんのこと?」

「鋭いわね。実は、今まで言っていなかったけど、アキが亡くなった翌日に、アキのお母さんが交通事故に遭って……」

「えっ?」

「即死だった」

「そんな……」

「でも、ラフレシア情報だと、十代後半の身体でシルリアって異世界に特例転生させてもらってポーション作りをしているらしいよ」

「そ……そうなんだ。でも、なんか、お母さんらしいや」

「そうね。隣町の製薬会社で創薬研究やっていたからね」

「主席研究員だったしね」


 実はさ、私は母一人子一人の家庭でね。

 最後の最後で、お母さんには色々迷惑かけちゃって申し訳ないなって思っていたんだよ。


 私が自殺して、しかも巻き添えで青年一人を殺しちゃってさ。

 お母さんは、巻き添えで死んだ側の遺族への謝罪とか、色々あったんじゃないかって思ってね。



 そりゃあ、青年を巻き込んだのは私の意志じゃなくて天界側の意志だから、天界側が上手に取り計らってくれるって思っていたけど、まさか、お母さんまで同時期に死んでいたとは思ってもみなかったよ。


 互いに別々の世界に転生しちゃったし、私は基本的に死なない身体だから、半永久的にこの世界で生き続けるんだろうし。


 お母さんには、多分、もう二度と会えないんだろうけど……。

 でも、元気でやってくれているとイイな。

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― 新着の感想 ―
[一言] >「そう。それに使われていた農薬がマラチオンだったじゃない?」 >「たしかに、男性器と、それを咥える行為を足したみたいな名前だね!」  難度の高い聞き違いだあ……。  むしろ マーラ様とオ…
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