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63.究極奥義! 大ドンデン?

 それから数週間が経った。

 これまで平和な日常を送っていたわけだけど、この日、

「ズシン!」

 って大きな音が聞こえるのと同時に地面が激しく揺れた。


 店の前にいる人達は、私の店の裏の荒れ地にいる巨大な何かを見上げながら、指をさしていた。


「何だ、あれ?」

「マジかよ!」

「もしかして魔物?」

「いや、噂のメタルゴーレムだ!」

「この間、ロックゴーレムに乗っていた美少女が乗っているぞ!」


 どうやら、カナコが来たっぽい。

 でも、カナコが再び、メタルゴーレムを連れてここに来ることを予想して、私は取扱説明書を隅から隅まで読み直したんだ。

 自分がどんな能力を持っているのかを再確認するためにね。

 だから、絶対に勝つよ!



 私は、店を飛び出すと、

「超高速稼働!」

 メタルゴーレムに向かって一直線に飛び掛かった。


 そして、

「一本鞭!」

 物質創製魔法で鞭を取り出して、それを思いっ切り振り下ろした。


「ピシッ!」

 マトモに鞭がヒットした……んだけど、メタルゴーレムには全然効かない模様。

 まあ、これは想定の範囲内だよ。



 今度は、メタルゴーレムが私に拳を振り下ろして来た。

 これを、

「転移!」

 私は転移魔法で避けた。


 ただ、クレイゴーレムとかロックゴーレムよりもメタルゴーレムの方が、私が転移魔法で移動した後の発見が早い気がするんだけど?


 メタルゴーレムの背後に私は転移したんだけど、すぐに私の方を振り向いて金属の拳を放ってきたよ。

 これって当たったらマズイよね?



 なので、

「超高速稼働!」

 これを私は避けたけど……、メタルゴーレムのヤツは、私の動きを完全に捉えているよ。私が再び姿を現したところに、すかさずパンチを繰り出してくる。


 デカい割に動きも早いよ!

 クレイゴーレムやロックゴーレムよりもワンランク上ってことか。



 じゃあ、見え難いところにと思って、メタルゴーレムの足元に転移したんだけど、そうしたら、すかさずカカトで私のことを蹴ろうとして来たよ。

 コイツ、足にも目があるんだろうか?


 まあ、基本的にレーダー搭載ってとこなんだろう。

 まるでメカニックだね!


 でも、多分、私にとっては、三体のゴーレムの中で一番相性がイイはず!

 だから、きっと何とかなるはず!



 私は、

「転移!」

 再び転移魔法を使って、今度はメタルゴーレムの頭の上に移動した。


 すぐさま、メタルゴーレムの両拳が、両脇から私の方に向かって襲い掛かって来るけど、それが私に当たるまでが勝負!


「必殺! 機械音痴魔法!」



 取扱説明書:機械音痴魔法を発動することで、アキ-108号は、触れた機械類の誤作動や機能停止を意図的に起こせます。これにより、アキ-108号は男性の前で機械音痴の女性を演じることが可能です。



 取扱説明書:また、魔力で動くものでも、全体が金属でできていて見るからに機械っぽいモノに対しても機械音痴魔法は発動します。



 取扱説明書:但し、機械仕掛けでも、大人の玩具だけは誤作動や機能停止を起こすことは出来ません。逆に直します。



 取扱説明書:アキ-108号は魔力で動く大人の玩具です。そのため、アキ-108号自身に機械音痴魔法が降りかかることはありません。



 これを受けて、メタルゴーレムの動きが止まった。

 思った通り、この魔法はメタルゴーレムには有効だったよ。

 ロックゴーレムには効かなかったけどね。



 この魔法は、取扱説明書に書かれている通り、相手が完全な機械じゃなくて魔力で動くモノでも、見た目が機械っぽいモノなら通用するんだよ。


 私自身、すっかり忘れてたよ。

 機械じゃなきゃダメなんじゃないかって、勝手に思い込んでいた。



 でも、この魔法を初めて使った時、相手はマッドサイエンティスト風の男が造った合体ロボットだったけど、結局のところ、あれも魔力で動いていたんじゃないかな?

 この世界の代物だしね。

 なので、あれも完全無欠のロボットじゃなかったはずだと思う。

 ある意味、メタルゴーレムも同じってこと……にしといてね♡


 ロックゴーレムに機械音痴魔法が効かなかったのは、見た目がメカっぽくなかったから。

 ただ、それだけだと思う。



 カナコは、

「どうしたの? 動いて!」

 懸命に指令を出していたけど、メタルゴーレムは全然動く気配が無かった。


 そりゃあそうだよね。

 壊れちゃったんだから。



 ただ、メタルゴーレムは倒せたけど、これで私の戦いが終わったわけじゃない。

 ここからが私の本当の闘いだよ!



 敵はカナコ……じゃないんだな。

 私の真の敵は、カナコを苦しめて来た心の病なんだ。


 私の力じゃ、完全には治せない。

 でも、部分的には和らげることが出来るかも知れない。



 と言うわけで、行くよ!

「究極奥義! 性的大ドンデン魔法!」



 取扱説明書:性的大ドンデン魔法は、性的に悩みのある方やプレイに変化が欲しい人のための魔法です。



 取扱説明書:性的大ドンデン魔法を受けると、SとMが逆転したり、不感症の人の感度が良くなったりと、今までとは正反対の状態を楽しむことが出来るようになります。この変化を十分堪能してください。



 取扱説明書:アキ-108号は、性的大ドンデン魔法により、どの性癖を大ドンデン返しさせるかの選択をすることが可能です。



 取扱説明書:性的に悩みがある方は、性的大ドンデン魔法を使うことで是非悩みを解消してください。ただし、大ドンデン返しが起こるのは内面的ファクターのみです。男女ともにサイズの変化は起こりません。



 ここに、さらに、

「性感マッサージ魔法!」



 取扱説明書:アキ-108号は、高い性感マッサージ技術を持っています。また、リモート機能によりターゲットに触れずに性感マッサージを行うことが可能です。



 取扱説明書:アキ-108号は、女性にも性感マッサージ魔法の施術が可能です。これは女性の感度が上がることで男性が喜ぶことを想定しています。アキ-108号の行為は、基本的に男性が喜べるかどうかが判断ポイントになります。



「ううぅ……、あぁぁ……」

 やった!

 カナコが感じ始めたよ。

 耐え切れずに、その場に座り込んじゃった。



 ただ、私にはこれが限界。

 カナコの男性に対する対人恐怖だけは、私の力じゃ治すことが出来ないんだよ。


 男嫌いから男好きにできるんじゃないかって一瞬思ったんだけど、カナコの場合は男嫌いじゃなくてトラウマなんだよね。

 性癖じゃない。

 だから治せないらしい。



 でも、普通の人間と同じように、カナコは、気持ちの良いことを自然と求めるように変わったはず。

 ちょっと試してみよう。


「性感マッサージ魔法解除!」

「……」


 今まで派手に感じていたのが急に恥ずかしくなったんだろうね。

 カナコは、赤面して俯いちゃったよ。

 ここからの反応が楽しみだな。


「カナコ。もう一回行くよ!」

「えっ?」

「避けられるモノなら避けてみて」

「いっ!」

「性感マッサージ魔法!」

「イヤッ!……あぁぁ……イイッ!」


 うーん。思った通りだ。

 最初はイヤって言っていても、それがイイに変わったよ。

 結局のところ、身体は欲していたってことだ。


 そもそも、まるっきり性感マッサージ魔法を避ける様子もなかったしね。

 心の奥底では、むしろカナコは、喜んで性感マッサージ魔法を受け入れたかったってことだよ、うん!



 取扱説明書:一度でもアキ-108号の性感マッサージ魔法を受けた人間(男女共)は、その快楽欲しさに自ら魔法を受けに来る可能性があります。



 別に避けなくても普通の反応だから。

 受け入れたこと自体は恥ずかしがる必要は無いよ!


 ただ、トラウマが消えない以上、カナコは男性相手に気持ちの良いことを求められないだろうね。

 ってことは、女性を相手に求めて行くようになるってことかな!

 私やヴァナディスの仲間だ!



 なんてことを私は悠長に思っていたんだけど、この時だった。

 突然、空が分厚い雲に覆われて、稲妻が走ったんだ。

 これって、もしかして沼尾の時とパターンが似てない?


「マズいっ!」


 私が、そう思った直後だった。

 悪い予感が当たってしまった。

 カナコ目掛けて落雷が生じたんだ。



 雷は、カナコを直撃した。

 しかも、沼尾の時と全く同じで身体が一気に燃え上がり、骨すら残さずに消し飛んでしまったんだ。

 こんなことをするヤツは、一人しかいない。


「ラフレシア! いるんでしょ!」


 私は声を張り上げて、そう言った。

 でも、ソイツからの返答は一切無かった。

 多分、私と直接顔を合わせるのを避けているんだろう。



 沼尾を消滅させた時も、

『私がお前達に直接手を下せば、リニフローラが私に攻撃を仕掛ける理由を与えてしまうだろう。なので、ここでお前達と戦う意思は私には無い』

 って言っていたもんね。

 別に私も堕天使の濃厚接触者に、望んでなりたいとは思わないけどね。



 それにしても、なんかカナコのことが可哀そうになってきた。

 敵同士だったけどさ。


 でも、別にカナコはマリカみたいな自己中女ってわけじゃないし、元々は悪い娘じゃなかったって思っている。

 きっと平穏に過ごしたかっただけなんじゃなかったのかな?


 それが、地球では一方的に汚されてトラウマを植え付けられて……。

 人生に喜びなんて無かっただろう。



 どう言った形でラフレシアに唆されて、こっちに来たかは分からないけど、結局、こっちでは使い捨てにされて。

 ヤバイ。涙が出てきた。

 私は、その場に膝をつくと、両手を合わせて、ただ、カナコの冥福を祈るだけだった。

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