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61.ロックゴーレム巨大化?

 その日の夜も、

「ルルルルルルー」

 昨夜と同じ歌声が聞こえて来た。


 でも、昨日と違うのは、この歌声には催眠効果が無いってことだ。

 なので、ヴァナディスもパラスもミチルさんも寝落ちしていない。

 勿論、ケイコもマナミも大丈夫。


 と言っても、マナミの場合は私と同じで人間じゃないから、もともと催眠効果は効かないはずだけどね。



 突然、私達の目の前に白い人型の発光体が現れた。

 ソフィアが来たんだ。


「約束通り来ました」

「ありがとうございます。この二人が、開発担当のケイコとマナミです」


 ただ、二人を前にしてソフィアの表情が曇ったよ。

 何でだろ?


 するとソフィアが、

「二人からは邪なオーラが見え隠れしています。信用できるのでしょうか?」

 と私に聞いて来たよ。


 やっぱり、ケイコとマナミが当初から予想していた反応を示したってことか。

 白魔術師だから悪魔的なモノを嫌うってことなんだろう。

 二人共、安全な人物であることを私から説明しないと。


「多分、邪悪なオーラって言うのは、二人が堕天使ラフレシアの手によって異世界から連れて来られたからではないでしょうか?」

「ラフレシア?」

「はい。でも、二人共、暴力的とか破壊的な形で世界を征服しようなんて考えていません。むしろ、ケイコなんかは、キチンと経済が回って人々が住みやすい世の中を支配下に置かなければ意味が無いって言っているくらいです」

「それって、本当に悪魔の手先なの?」


 ソフィアの疑問は、もっともだと思うよ。

 普通は、もっと短絡的な形で世界征服を企むイメージがあると思うからさ。


 一先ず、これにケイコが答えてくれた。

「ラフレシアからは永遠の命を授かりましたけど、だったら永続する世界を構築しなければ支配したところで無意味でしょう? すぐに破滅する世界を支配するってバカみたいじゃないですか」


 本人の口から聞いて、ソフィアは改めて驚いていたようだ。

 当然だと思う。

 私も、初めてケイコの考えを知った時にはムチャクチャ驚いたから。


「悪魔の手先らしからぬ発想ですね。私はソフィアと言います。昨日の話は、色々とアキさんから聞いているとは思いますが……」

「はい。まさか異世界に通じる穴が出来て、そこから、この世界には無いはずの病原体が紛れ込んでくるとは思っておりませんでした。万が一、そんなことが起こって、この島の動物に感染したら大変ですからね」

「そうです。例えば鳥に感染したら、その鳥が他の島や大陸に渡ることは十分考えられます。そして、さらに人に感染することも……」

「モノによってはパンデミック状態になりかねませんからね。それは絶対に避けるべきでしょう」

「普通、悪魔の手先なら、パンデミックを引き起こす方に走ると思うのですが……」

「それで人々の生産性が上がるのならパンデミックを引き起こす方に走りますけど、この世界でそれをやったところで、生産性は下がる一方でしょ?」


 これが、ラフレシアに召喚された者の台詞だからね。

 どう考えてもおかしいんだけど……、でも、こういった考えを持っているケイコだから私は賛同しているってことだ。

 ソフィアも、それが理解できたことと思う。


「まあ、そうですね」

「できれば、この島を中継点として使うのを避けるべきなのでしょうけど、どうしても私達の魔力の限界もあって、この島を中継点にさせていただきたいのです」

「特殊ゲートでの移動距離の問題ですね?」

「そうです。勿論、昨日、アキから提案された通りの方法に従った対応をさせていただきたいと考えております。なので、この島は、単なる中継地点としてのみ使うことを約束いたします」

「分かりました。その条件で利用を許可します」

「ただ、ディスプロシ島のスタッフだけは、管理上、外に出ることはあると思います。小屋の手入れとかもあるでしょうし」

「分かっております。必要以上に建造物を作らないのと、不要な外出をしないことを守っていただければ許可します」

「ありがとうございます」


 たしかに、スタッフだけは諸々の理由で外に出られないと困る。

 でも、このことは昨日、私からは話していなかったことだ。

 そこまで私の考えが及んでいなかったからね。

 とは言え、受け入れてもらえたようで良かったよ。


「ただし、地脈の影響を受けない場所と言うことで、小屋の設置場所は限定させていただきます」

「それもアキから伺っています。それで、具体的にはどちらならOKでしょうか?」

「ここは、東側の海岸になりますが、西側の海岸から少し上がったところに洞窟があります。その近辺に設置してください」

「分かりました」

「では、設置後に改めて確認させていただきます。では……」


 そう言うと、ソフィアはその場から消えた。

 一先ず、無事に話がまとまったみたいで良かったよ。


「アキ。今回は面倒をかけたわね」

 こう言ってきたのはマナミ。


「本当にソフィアは二人のことを警戒していたね」

「向こうは白魔術師だからね。ラフレシア一味を排除する立場だろうし。でも、アキのお陰で話は順調に進みそう」

「役に立てて何よりだよ」

「今日は、この後はどうする? 帰る? それともディスプロシ島に寄る?」

「一旦、帰ることにするよ。カナコが何時動き出すか分からないし」

「そうね。その問題もあったわね。じゃあ、ケイコ。お願いできる」

「了解」


 と言うわけで、私達はケイコの転移魔法でビナタの町まで送り届けてもらった。

 妙にヴァナディスが警戒していたけどね。ケイコが私に手を出すんじゃないかって思っていたんだろう。



 ただ、ケイコは私達を送り届けると、

「じゃあ、また何かあった時はお願いね。今回は本当にありがとう」

 とだけ言うと、すぐに転移魔法でディスプロシ島へと戻って行った。


 まあ、ケイコはマナミとベッタリくっついている状態だし、もう、私を狙うなんてことは無いと思うよ。


 それにしても、ミチルさんは今回も空気だったような……。

 目立たないレッドドラゴンって?

 まあ、イイか。無事に事が運んだんだし。



 それから数日が過ぎた。

 この日は、特に何も変わらない日常を送っていたはずなんだけど……。

 私の店には、普通にお客さん達が来て、私やヴァナディス、パラスで接客して、いつもと変わらない平和な日のはずだったんだけど……。


 突然、

「ドスン!」

 と大きな音がして地面が揺れた。


 店の前にいる人々が、店の裏の荒れ地の方を見て指をさしながら、不安と恐怖の表情を浮かべていた。


「何だ、あれ?」

「もしかして魔獣?」

「いや、ロックゴーレムだ!」


 もしかして、カナコが来た?

 私は、慌てて店を出ると、みんなが見ている方を振り向いた。


 すると、そこには先日見たのと同じロックゴーレムの姿があった。しかも、その右肩の上にはカナコが座っていたよ。


「アキ! この町を破壊されたくなかったら、勝負しなさい!」

「その荒れ地で戦うつもり?」

「そうよ。勝負してくれるなら、町の破壊は勘弁してあげる」


 さすがに、この町の近くでの戦闘は避けたかったんだけどね。

 何故って言うまでも無いよ。町に被害者が出る可能性が高いからに決まっている。

 でも、これじゃ戦わないわけには行かない。



 私は、

「町には手を出さないで! 約束よ!」

 と言うと、超高速稼働で荒れ地へと移動した。


 当然、私の衣服は空気摩擦で一瞬にして燃え上がり、いつもの戦闘服姿に……。

 要するに布面積が非常に少ない白のビキニね。ミチルさんの魔力で燃えないようになっているヤツ。

 どう考えても、通常の物理的攻撃に対する防御力はゼロとしか思えないんだけど?



 町の方からは、

「おおぉ!」

「いいねぇ」

「やっぱり、アキちゃんは、その恰好が似合ってる!」

 エロオヤジ達からの歓喜の声が上がっていたよ。

 だいたい、こうなるのは分かっていたけどね。



 このロックゴーレムは、胸の辺りにある『根源』に岩や石が引き寄せられて形作られていることまでは、前回の戦いで分かった。

 あとは、どうやって『根源』を取り出すかと、取り出した後にどうやって『根源』を破壊するかなんだけど……。


 さて、どうしよう?

 鞭も蝋燭も効かないし……って、当然だよね。

 機械音痴魔法も効かないし。



 だったら、

「出ろ!」

 私は物質創製魔法で打ち上げ花火を出した。

 そして、

「発射!」

 ロックゴーレムの胸部を目掛けて花火を撃ち放った。


 これをロックゴーレムは両手でガード。

 しかも、両腕に花火が当たった跡が付いただけで、特にダメージは無い模様。



 ならば、

「発射!」

 悪いけど、今度は、ロックゴーレムの右肩に乗っているカナコを目掛けて花火を撃ち放った。


 カナコの命令でロックゴーレムは動いているわけだからね。

 司令塔を倒せばイイだろうって考えだ。



 すると、

「転移!」

 カナコは地上に瞬間移動した。


 でも、これって私にとってチャンスなんだよね。

 私は、すかさず超高速稼働でカナコの背後に回ると、彼女を捕まえて羽交い絞めにした。



「業火!」

 カナコが全身から炎を放って来た。

 私を焼き尽くそうって魂胆だろう。


 でも、私の身体はミチルさんの龍の血を浴びて防御力が大幅に増強されているんだよね。

 これくらいじゃ私の身体を燃やすことはできない。



 続いてカナコは、

「電撃!」

 全身から高圧電流を放って来たんだけど、これも今の私には通じない。


 デフォルトの私なら、さっきの火炎魔法でも耐えられないだろうし、この高圧電流を受けたら発火する。

 でも、龍の血のパワーは凄いんだよ。

 これくらいじゃヤラれることは無い。



 ところが、

「爆破!」

 今度は、カナコは私と彼女の間の極僅かなスペースにエネルギーを放ち、それを暴発させた。


 さすがに、この爆風で、私は大きく弾き飛ばされた。

 勿論、カナコ自身も吹き飛ばされたけどね。


 もはや、死なば諸共みたいな感じだよ。もしかすると、カナコは死ぬことを恐れていないのかも知れない。



 倒れた私を目掛けて、真上からロックゴーレムの足の裏が迫ってきた。

 踏み潰す気だよ、これ!


 私は、

「転移!」

 ギリギリで、これを回避した。


 そして、再び超高速稼働でカナコの背後に回ると、

「女王様モード&一本鞭!」

 物質創製魔法で鞭を取り出し、私は、それをカナコ目掛けて振り下ろした。

 勿論、女王様オーラバリバリでね!


「ピシッ! パシッ! ペシッ!」

 鞭はカナコの身体にヒット!


 でも、

「痛いじゃない!」

 気持ち良さなんて感じないみたいだ。


 やっぱり不感症だからかな?

 それどころか、女王様パワーに対する敵対心が強烈だよ。



 ならば、これで忘れた喜びを取り戻させてあげよう。

「性感マッサージ魔法!」


 でも、

「吐き気がするわよ!」

 全然、効果なし。


 むしろ、嫌悪感を与えて攻撃力をアップさせるだけっぽい。

 その証拠に、ロックゴーレムが周りの石や岩を大量に引き付けて、倍の大きさに進化したよ。

 しかも、拳を叩き付けるが如く、私に向けて振り下ろして来た。


 一先ず、

「転移!」

 なんとか瞬間移動で避けたけど、これを倒す手立てってあるのかな?

 思うんだけど、これって、もしかしてマジでヤバいんじゃない?

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