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34.三人目が来た!

 美女(ヴァナディス)を目の前に朝から食が弾む。

 毎日、超ハイレベルな美女で目の保養ができるんだぞ!

 野郎共、うらやましいだろ!


「ご馳走様」

「お粗末様でした。で、アキさんに一つ聞きたいことがあるんだけど?」

「どうかしたの?」

「もし、ラフレシアが送ってくる次の刺客が私だったらどうする?」

「さすがに、それは無いでしょ。もし、そうなら既に焼き殺されているもんね」

「でも、ラフレシアならアキさんを殺すには惜しいって思うんじゃない? だったら配下に迎えるために策を講じるとかね」


 なるほどね。そういう考え方もあるか。

 でも、それだとヴァナディスだけに限ったことじゃない。

 それこそミチルさんだってパラスだって該当するし、リンドラー公爵夫人とか王族とか、このビナタの町の住人達まで可能性が出てくる。

 疑い出したらキリが無い。

 だったら答えは一つ!


「もしそうなら……。そうだな、ヴァナディスは悪の手先になって、誰かを殺したりするの?」

「そういう設定じゃあないね。飽くまでも配下に引き入れるためのスカウトマンみたいなものだから」

「だったら何も変わらないんじゃないかな?」

「えっ?」

「今まで通り生活を続けるんじゃない?」

「そうなの?」


 これは、彼女にとって想定外の答えだったのかな?

 ちょっと驚いているっぽい。


「だって、その場合、ヴァナディスは魔王とか、その前に戦ったラヤみたいな悪事をするわけじゃないでしょ?」

「ええ、まあ」

「だったら、私や町のみんなとかに危害を加えない限り、今まで通りだと思う」

「私を殺したりとかしないの?」

「そうしたら美味しいご飯が食べられなくなるじゃん」

「あのね……」

「それに、そもそも人を殺したいなんて思っていないからね」


 そう言いながらも、コッチに転生してくる直前に、天界の都合とは言え私は一人、男性を殺しちゃっているけどね。

 でも、後味悪いし、理由はともかく、もう、そう言うことはしたくないんだよ。


「たしかに、私も人殺しは積極的に行いたいとは思わないもんね」

「でしょ?」

「でも、あれから半年経つじゃない? その間、アキさんは夜中にうなされることが結構あるし、アキさんの心が持たない気がして」

「でも、毎晩ってわけじゃ無いからさ。今のところ」

「それはそうだけど……」

「じゃあ、今日も頑張ろうね。うちは売上イコール儲けだからさ」


 売り物は魔法で出しているわけだからね。

 どうやって仕入れているか、第三者視点では、相当不自然なはずなんだけど……。

 それを敢えて突っ込んでこないビナタの人達に感謝しなきゃいけないね。


「ズルい商売よね」

「でも、夜の商売にしていないだけマシでしょ?」

「それ以前に、物質創製魔法でお金を出していないだけマシね」

「まあ、出せるんだけどね」

「マジで?」

「うん」


 私は、

「上玉性……」

 物質魔法で大金を出そうとした。『上玉性奴隷を買うお金』って言えば金貨500枚くらいは出せることが分かっているからね。


 でも、

「やめて!」

 と言いながらヴァナディスが私の口を手で押さえてきた。

「今、それをやったら堕落しちゃうから。私の老後まで待って」


 ええと……。

 それってさあ。最終的には、いらないわけじゃないんだよね?

 まあ、今はキチンと働いて、歳をとって働けなくなったら、これに頼るかもしれないってことだよね?

 でも、それって、ずっと私と同居するってこと?



 取扱説明書:アキ-108号は、精神を集中すると、見ただけで相手のHの履歴を霊視できます。いつ頃に何人とやっているかを全て見抜きます。



 取扱説明書:どんなプレイをしたかも分かります。



 ヴァナディスは、将来的に誰かと結婚する気はあるのかな?

 どうも、男性と付き合ったことが一回もないみたいなんだよね。あんなに美人なのに。

 こっちに来てからも、男性客からデートに誘われること多数だけど、絶対に誘いに乗らない。鉄壁の美女とさえ言われているよ。



 取扱説明書:アキ-108号は、集中すると見ただけで相手の性癖を把握できます。



 かと言って、同性愛者ってわけでもなさそうだし……。

 不思議な娘だ。



「おはようございます!」

 パラスが来た。

 彼女も私の店を手伝ってくれている。

 最初は、私とヴァナディスと一緒にいるのを凄く嫌がっていたんだけどね。

 でも、今では普通に接してくれている。


 パラスにもヴァナディスにも、勿論、給料は払っているよ。

 現物支給じゃなくて、ちゃんとお金でね。

 元手タダの商売だから、結構な利益を出しているしね。

 二人には、なかなかイイ給料を払っているよ。



 そうそう。国から私に出た報奨金の件だけどね。

 ほら、レッドドラゴンの超巨大エメラルドの件とかラヤ撃退の件とかがあったでしょ?

 結局、年金の件はダメになったんだ。

 死なないんじゃ無限に国からお金を搾取されるってことになったっぽい。


 搾取って言い方が酷いよなぁ。

 でも、まあ、一時金として結構な額を払ってくれたよ。



 そう言えば、パラスのHP……ハレンチパワーは、以前は最大値が48だったけど、最近一気に跳ね上がったんだよね。

 今は最大値が72もある。

 なんか、48から72って、頑張って偏差値を上げたみたい!

 きっとミチルさんと毎晩、凄いことになっているんだろうな。


 でも、HPが上がったからだろうね。

 私やヴァナディスと普通に接してくれるようになったのは。



 それは、さて置き、今日も店の方は順調。

 至って平和な日常だ。

 今のところ……午前中は!


 お昼ちょい過ぎにミチルさんが店に来た。

 ただ、パラスに会いに来たんじゃなくて私に用があったわけだけどね。


「アキちゃんさあ。うつの薬をもらえるかな?」

「ダポキセチン?」

「そう」


 たしかに前世でミチルさんは、うつ病を発症したけど、今は問題ない。

 なので、ダポキセチンを買うのは、抗うつ薬としてではなく、別の効能効果が目的だね!

 つまりパラスとの性生活のためってことだ!


 パラスは、今日も綺麗で生き生きしている。

 それだけ充実した性生活を送れているってことなんだろうね。

 何せ、HP48からHP72に変貌したんだもんね。

 ニオベが見たら、びっくりするよ!

『何があったの?』

 ってね。

 まあ、そりゃあ、ナニがあったんだけどさ。


 いや、むしろ、

『裏切り者!』

 って言うかもね。


「それとさ、アキちゃん。PDE5阻害薬って無いの? 地球でED治療薬に使われているヤツだけど」

「あれは、作れるけど敢えて扱っていないんです」

「でも、あれを出したら売れるんじゃない?」

「売れると思いますけど、あれを売ったら街中の男性達が股間に肉の凶器を装備しちゃうじゃないですか? そうしたら、私もヴァナディスも貞操を守り切れる自信が無いんですけど!」

「多分、アキちゃんやヴァナディスを敵に回そうって男は、この街にはいないと思うけどね。まあ、内緒にしておくから特別に売ってもらえないかな? 実は、僕って淡泊な方だからさ」


 はぁ?

 淡泊なレッドドラゴンって意味が分からないんですけど?


 この世界のレッドドラゴンは性別無しってことになっているから淡泊なのかもしれないけどさ。

 でも、ドラゴンのイメージからしたら精力有り余っている感じがするけどね。


 それとも、もしかしてパラスの方がレッドドラゴンの全精力を搾取しても、まだ足りないとか?

 そんなに凄い娘だったの?

 思わず私は、パラスの方を見て凝視……じゃなくて霊視してしまった。


「……」

 前に霊視した時よりもグレードアップしている。

 尋常じゃないね。



 普通、ドラゴンが人化したのと美女のペアなら、どう考えてもドラゴンが襲う側で美人が襲われる側じゃない?

 だけど、この二人の場合は完全に逆だよ。

 むしろパラスの方がミチルさんの服をはぎ取ってムリヤリ……。

 凄い求め方だよ。

 これじゃ、レッドドラゴンでも持たないかも……。


 仕方が無いね。

 たしかに薬が必要になるよ。


「分かりました」

 私は、物質創製魔法でタダラフィルの錠剤を作ると、それをミチルさんに渡した。


「空腹時の方が、吸収がイイです。それと、二日に一錠のタイプです」

「ありがとう」

「でも、絶対に他言しないでくださいね!」

「分かっているよ。あと、今日、ここに来たのは大事なことを報告するためなんだ」

「タダラフィルよりも大事なこと?」

「当然」


 パラスとの性生活よりも大事なことって、それって、やっぱり一つしかないよね?

 ラフレシア関係か!


「もしかして?」

「うん。実は、リニフローラ様付きの御使いの一人が、昨夜、異世界転移魔法の波動をキャッチしたらしいんだ」

「やっぱり」

「ただ、転移された人物の性別や年齢、送り込まれた場所もまだ不明だって」

「そうなんだ……。つまり、次の刺客が来たってことね」

「刺客って、ちょっと違うと思うけど。まあ、転移された理由はラヤとか沼尾と同じだろうね。基本的に、この世界に災いを起こす側」

「そうね」


 とうとう動き出したね、ラフレシア!

 随分、待たされた気はするけど、でも、ラフレシアのほうでも、転移者を選定するのに時間をかけたってことかもね。


 書類審査とかあるのかな?

 面接は無いと思うけど……。



 正直、三人目の転移者が来たこと自体は悪い知らせだけど、でも、私にとっては悪いことだらけじゃない。

 少なくとも、

『今まで味方だったのが実は最初から敵でした!』

 って展開だけは無いってことだ!


 つまり、ミチルさんもヴァナディスもラフレシアとは関係ないってこと。

 もう、夜中にうなされないで済みそうだ!

 それだけでも助かった気がするよ。


「それで、パラスにこのことは?」

「まだ話していない。ついさっき、啓示があったんだ」

「じゃあ、一旦、お店を休憩にしようか?」

「いや、パラスとヴァナディスには、時間がある時にアキちゃんから話してくれればイイよ。じゃあ」


 ミチルさんは、そう言うと仕事に戻っていった。最近、魔物討伐を仕事にしているらしいんだ。

 まあ、正体が超魔物だからね。

 どう考えても、普通の魔物に負けるわけがないだろうしさ。きっと、今のミチルさんにとっては天職かも知れないね。

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