表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/210

29.HP100,000で1cm?

 夕食はユリの妹と母親で用意してくれた。食材は、私が物質創製魔法で作り出したんだけどね。

 いつもの野菜だけどさ。

 でも、お陰様で、この日の夜はゆっくり休めた。



 そして翌朝。

「なに、この女!」

「ムカつく!」

「吐き気してきたわ!」


 昨日と全く同じパターン。

 私は、女性達の罵声で目を覚ました。

 ユリと、ユリの妹、ユリの母親の三人だね!

 ステータス画面を確認すると、私のHPは見事に初期値に戻っていた。



 取扱説明書:万が一、HP(ハレンチパワー)を吸収されるなどして、HPの最大値を下げるような事象が生じたとしても、アキ-108号は寝て起きるとHPはデフォルトの値に復帰します。



 つまり、どんなことがあっても睡眠中にHPが初期値に戻ると言う超とんでもない機能なんだよね。

 今の私のHP表示は2,000,000/2,000,000と言う超高値。

 やっぱり私は、ハレンチパワーの無限製造機だってことだよ。



 一旦、私はHPを下限値の50まで下げた。

 すると、ユリ達の表情に落ち着きの色が戻ってきた。

 完全に昨日の朝と同じパターンの繰り返しだね!


「おはようございます」

「おはようございます。でも、さっきの雰囲気は一体?」

「HPが二百万に復帰したんです」

「はっ?」

「昨日は魔王にHPを1,999,950も抜き取られましたけど、私は寝て起きるとHPが初期値の二百万に戻るんです」

「はぁ……」


 信じられないって顔をしているよ。

 なんか、これもデジャブーだね。

 まあ、一般には理解不能な機能だろうね。



 朝食を済ませて一息ついた頃、ミチルさんとパラス、ニオベが来た。

 他はいない。


「あれっ? あの声の大きな男は?」

 ついつい私は、そう声に出していた。


 まあ、来ても邪魔なだけだけどさ。

 なので、正直なところ来ないほうが嬉しいけどね。



 ただ、昨日の雰囲気からすると、今日も来るんじゃないかなって気がしていたんだ。

 それが来ていないので不思議に思っていたんだけど、そうしたらミチルさんが、

「アキちゃんに変に付きまとうとマジで天罰が下って首ちょんぱされるよって言ったら慌てて帰ったよ」

 と説明してくれた。


 やっぱり、あの声の大きな男も近くまで来ていたらしいけど、天罰は怖いみたいだね。

 でも、首ちょんぱって……。趣味の悪い表現だなぁ。

 ラヤの魔法じゃないんだからさ。

 そんなこと起こるわけないのに……。



 と言うわけで、今日も私とミチルさん、ニオベ、パラス、ユリの五人で出発!

 ただ、何気にミチルさんの顔色がよろしくない。

 パラスは顔がイキイキしているけど。


 これは、パラスがミチルさんの精気を根こそぎ吸い取るような行為を昨晩やったな!

 なんて思ったんだけど、ちょっと様子がおかしい。


「ミチルさん。大丈夫?」

「ゴメン。ほら、僕が前世でうつ病にかかった理由の一つが沼尾で……、あいつの教育係だったからさ」


 そうなんだよね。

 実は、ミチルさんは沼尾の教育係を押し付けられていたんだよ。

 その時に、沼尾から逆パワハラを受けていたらしいんだ。

 だから、本当は沼尾の顔を見て精神的に辛かったらしい。


 でも、そんな精神状態でも、昨夜はパラスと、しこたまヤッたんだね。

 そこは、個人の自由と言うことで詮索しないけどね!


「こっちこそゴメンなさい。でも、その恨みを晴らしましょう。多分、沼尾は、もう私からHPを奪うことは出来ないはずです」

「何でそんなことが言えるの?」

「これ以上HPを奪ったら、沼尾は、せっかく手に入れた喜びを放棄することになるからです。今日こそ、アイツをやっつけましょう」

「……分かった」


 でも、やっぱりミチルさんは自信がなさそうだ。

 それだけ、ヒドい逆パワハラだったってことだ。



 私は、

「転移!」

 連続転移魔法を使って、一気に沼尾宅の前まで移動した。



 取扱説明書:アキ-108号は、出張サービス(エロ)を効率よく行えるように転移魔法が使えます。最大移動距離は2キロメートルです。



 取扱説明書:連続転移は50回までです。



 この魔法も便利だよ。

 別にエロ……出張サービスのために使ったことは一度もないけどね!



 私は、

「HP最大放出!」

 一気にHPを最大値まで上げた。


 背後からニオベとパラスとユリが冷たい視線を投げかけてくる。

 これも、完全にいつものパターンだけどね。



 至近距離だと、ニオベ達みたいにすぐに反応してくるけど、家の中にいるデブス三人娘達が嫌悪感を発するには少し時間がかかる。

 それで、この状態で数分間待った。


 でも、凄く長く感じたよ。この数分間。

 背後から、いつ刃物が飛んできてもおかしくない雰囲気だったからね。



 そして、とうとう、

「何なのよ、この気持ち悪い女は!」

 沼尾の家の扉が開き、包丁を持ったデブス娘が私の方を睨みつけてきた。


 その後ろから、

「おいおい、物騒だな。俺に任せろ」

 と言いながら沼尾が出てきた。



 私を目が合うと、そりゃあ驚いた顔をしていたよ。

 私は、昨日、コイツに殺されたはずだったからね。

 胴体真っ二つにされて。


「生きていたのか?」

「お生憎さま。それくらいじゃ死なないのよね!」

「まあ、お前のお陰で昨日はハニー達とのバトルがムチャクチャ充実したけどな!」

「あっそう!」

「今日も根こそぎHPを奪ってやろうか?」

「別にやってもイイわよ。でも、吸収し始めたら途中で止められないんでしょ? だとすると、また昨日と同じ量だけ増えるわよ」

「だから何だって言うんだ?」

「アンタはラフレシアから、HPを吸収すると、ナニがサイズアップする魔法をかけられている」


 つまり、コイツは、他人から吸い取ったHPを、全てナニのサイズに変換していたってわけ。

 だから、本人のHPは上昇しないってことだったんだ。


「何故それを?」

「霊視できるからよ!」


 まあ、厳密には霊視じゃなくてステータス画面を覗いているんだけどね。

 特にHなことに関する部分について。


「マジか、こいつ?」

「それでアンタは、手始めにHPが高いニオベやパラス、ヴァナディス達からHPを抜き取った。島外追放したのは自分の理想から大きくかけ離れていたためだろうけどさ」

「そうだ! でも高HPと言う割に全然サイズに変化は無かったけどな」

「まあね。665じゃ意味なかったんだよね。それで、アンタは島中の人達からもHPを抜き取った。それで1センチのサイズアップを果たした」

「良く知っているな。まさか1センチのサイズアップにHPが十万も必要とは思っていなかったよ。でも、昨日、お前からHPを貰って24センチになった!」


 ってことは、島に来る前は3センチってことだよね?

 まあ、そう言った身体に生まれてきたこと自体は、コイツの責任じゃないからさ。笑っちゃいけないことだし馬鹿にしてもいけない。


 とは言ってもねえ。さすがにニオベもパラスもユリも、何気に哀れんだ顔で魔王のことを見ているよ。

 私のHPが二百万もあるって知っているからさ。

 その前に島民から十万でしょ?

 何気に、ここにいるみんなに詳細をバラしちゃっているよ!

 逆算したら初期値が分かっちゃうもん。



 もし、ここで私のHPを抜き取ったら、コイツは性交不能になる。

 44センチじゃ、女性の方が受け入れられない。

 それだけ異常なサイズになってしまうってことだ。

 私だって、そこまで大きいサイズじゃ使用不可能だからね。



 取扱説明書:アキ-108号は、30センチまで受け入れ可能です。



 取扱説明書:30センチを超える方がご使用される場合は改造が必要です。その際にはサポートセンター(カリセン王国の森の中 魔導士エロス研究所)までご連絡ください。



 それともう一つ。

 コイツがデブス専になった理由。

 それは、人並み以上の女性だと、過去に経験した他の男性と、ナニのサイズを比較されてしまう可能性が高いから……とコイツが勝手に思い込んだから。



 コイツの過去を霊視したら、実際に女性に嘲笑されていたんだよね。

 当然、コイツは傷ついたよ。

 帰国子女に拘ってファーストネームから言うのは、コイツ自身が外国に住んでいたってことを自慢したいからなんだけど、それも、コイツのプライドが高いから。

 故に、サイズ比較された時の傷つき方は尋常じゃなかった。

 プライドがムチャクチャ高いからね。


 しかも、サイズ比較された時にいたのは日本じゃなくてアメリカだった。

 だから余計にヒドく嘲笑された。

 平均サイズからして違う国だもんね。



 こういった背景があったからなんだろうね。

 絶対に比較してこない相手を求めた。

 それで、行き着く先が低HPのデブスだったってわけ。


 もっとも、低HPのデブスだって、全員が処女ってわけじゃないけどね。

 まあ、確率的にはサイズ比較してこない可能性が高いって判断したんだろうけどね。



 でも、それって完全に認識不足だよ!

 見た目に関係なく何人もの男性を経験しているのもいるからね。


 もっとも、このデブス三人組の場合は、偶然にも……と言うか幸運にも、コイツの思った通り未経験者だったから比較対象となる男性がいなかったけどね。



 まあ、一応、同情する部分はあるけど、だからと言って私やミチルさんを追い詰めたコイツには、この世界にいて欲しくない。


「理想のサイズを手に入れたんだったらさぁ。元の世界に戻ってくれないかなぁ?」

「そういうわけには行かないね」

「何でよ?」

「元の世界に戻った途端にリセットされるかもしれないだろ!」

「まあ、たしかにその可能性は否定しきれないか」

「それに、この世界で俺は、魔王として世界征服をしなくちゃならないからな!」

「それが迷惑だって言うの!」

「じゃあ、俺とお前で、サシで戦って、負けた方が出て行く。これでどうだ?」

「なら、もしアンタが私に屈服したら私の勝ち。それが出来なければ私の負け。それならイイわ!」

「制限時間は?」

「24時間」

「イイだろう。まあ、お前のように俺の理想から逸脱するような輩に、俺が屈服するとは思えないけどな」

「どうかしらね?」


 たしかに、コイツは私の超高HPを目の当たりにしても靡いてこない。私がコイツの理想から大きく外れているからなんだろうね。

 そう! この世界の私は超高HPの超美人だから!


 でも、コイツの理想は、飽くまでも後天的。元々は、デブス専じゃない。

 そこに賭けるよ!


「じゃあ、危険だから、その女性達には家の中に入ってもらってて」

「確かにな」


 魔王は、デブス三人娘を家の中に入らせるとドアを閉めた。

 まあ、それが無難だよ。

 危険なバトルを無理に見せる必要はない。

 

 と言うわけで、こっちも戦闘モード。早速、例の戦闘服……布面積が極端に少ない白の水着を着用した姿になった。

 でも、この水着って、どう考えても戦闘から思いっ切りかけ離れているんですけど!

サシの勝負なので、アキvs魔王です。

いったいミチルさんは、何のために来たんでしょう?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ