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ライラの見えない世界  作者: LOLA BLANCO
9/13

悠の闇(村田樹編)

朝目が覚めて、すぐ昨日のことを思い出して、ため息をついた。


(今日は、たいへんな一日になりそうだな・・・)


何しろ昨日、悠にライラの家にいるとDMを送ってから、怒涛のDM攻撃があり、とにかく明日話すと言って眠ったけど、どうもあの様子じゃあ、待ちきれず駅で待ってる気がする。


案の定、悠はソワソワしながら、駅で待ってた。

てか、亜里沙まで・・・

ふぅ・・・


「樹!」「樹くん!」


2人がズンズンと音がするように、近寄ってきた。


「ああ、歩きながら話すよ。」


2人は頷いて、俺の両端についた。

これじゃあ、連行されてる容疑者じゃねえか(苦笑)


「あのさぁ、誤解してるようだけど、ライラ、うちの家の近くだったから、家の前まで送ったんだよ。そしたら、急に鼻血出して倒れて・・」


「え!!!?」

2人が俺の両腕を掴んだ。


「瀬戸さん、大丈夫?!!」

「ライラは大丈夫なの?!」


いや、こうなるから、DMでは話せないと思ってさ。

両方から、耳のそばで大声で追及されるし。


(耳いてー!腕、もげそー(笑))


「ちょっといてー。離して!ライラは大丈夫だから・・・」


両手をバンバンと上下に振って、

2人の腕を振り払った。


「聞けよ!と・に・か・く!それでインターフォン鳴らしたんだよ。そしたら、ほら、例のマリアさんが出てきて、中に連れて入ってさ。マリアさんが言うには、ライラは子どもの頃から、

たくさんの人と関わるといつもこうなんだって。・・で、ライラ、グーグー眠ってるし、あとは任せて帰ったってわけ。」


2人は納得したような、しないような、しかめっ面で歩いてる。

いやあ、こうなると思ったなぁ(笑)

俺、予知能力あるのか(笑)


しばらくして、悠がもごもごし始めた。


「それで・・・中に入れる時、ライラをどう持って入った?」


「は?」


ガシッ

悠が俺の腕を引っ張った。


(いてー!)


「だから、お前!ライラをお姫様抱っこしたのかよ!」


「お姫様抱っこって(笑)しょーがねーだろ!倒れてるんだし。」


それを聞いた途端、俺の腕を勢いよく離して、悠が走り去った。


「なんなんだよー(笑)」


「悔しーんだね・・・」


亜里沙が笑いながら言った。


「ライラのことになると、見境ねーな(笑)小学生か!(笑)」


俺たちは悠に遅れて、学校に着いた。

掲示板を見て、教室に向かう途中、ボイラー室の向こうに、先に行ったはずの悠がいるのを見つけた。

悠が何かを見つけたようで、青白い顔をして後ずさりしている。


「どうした?」


(そんなにお姫様抱っこがショックだったのかよー・・)


俺たちは近付いて、視線の先を確かめた。

金髪とメガネの男子が抱き合っているように見える。

俺の角度からは、顔はよく見えない。

とつぜん、いたずらに突風が駆け抜けた。

2人がその風をかわすように、体をひねったとき、メガネ男子が俺たちに気付いて慌てて離れようとした。

金髪男子が、その体を強く抱き寄せて離さない。

その瞬間だった。


「うぎゃああああああ!」


耳を思いっきり噛みちぎったように見える。

メガネ男子が耳を抑えて座り込んだ。

金髪のやつがこっちを見て、ゆっくりと口を開ける。

見てくれと言わんばかりに笑みを浮かべながら・・


口の中が血だらけだ・・・


「きゃあ!」


亜里沙が驚いて、声を上げた。


ブリーチした髪の色、少し長くなった髪を耳にかけている。

その耳にはピアスと、あの頃とは全く違う風貌になっていた。

渋谷功だった。


(あいつぅ・・・なんでここに・・・)


「はぁ、はぁ、はぁ」


悠の声は過呼吸のように苦しそうに息をしていた。

背負っていたリュックのショルダーベルトをぎゅっと掴んで震えている。


「お、お前・・・」


悠の闇がそこにいた。

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