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ライラの見えない世界  作者: LOLA BLANCO
7/13

クロメの存在

結局、部長から説明を受けた後、

今日は解散となった。


「しんちゃん、帰る?」


ライラが聞いている。


「今日は、やり残したことあるから、またね。ライラ」


慎太郎は優しく微笑んだ。


「分かった」


悠は聞きたくないのか、

ゴソゴソとカバンを開けたり閉めたりしていた。


帰りは、みんなメトロだった。


駅までの道、悠はライラに質問攻めだった。

亜里沙も興味津々で、悠の反対側のライラの横を歩いた。

樹はニヤニヤしながら、後ろを歩いてる。


「あのさ、佐伯先輩とはどういう関係?」


「マリアの子ども。」


「マリア?!マリアって誰?」


「私と暮らしてる」


「え?外人?」


「スペイン人」


「ってことは!佐伯先輩とも暮らしてるの?」


「しんちゃんは一人暮らし」


「ぶわはははは!腹いてー! 」


樹が吹き出して笑い出した。


「お前ら、一問一答かよ!」


ライラの方が空気を読んだようで、説明し始めた。


「私のパパはスペイン人で、マリアはパパの妹。だから、しんちゃんとは従兄なの。」


「なーんだ!そっかぁ。わあはははは!」


野崎くんの高笑いが響く。


くっ、くっ、くっ、くっ

樹と亜里沙は笑いを堪えてる。


駅に着いた。

路線が違っていたので、悠と亜里沙、樹とライラでここで分かれた。


「バイバイ!また明日!」


「明日なー!」


悠は何度も振り返っている。

亜里沙が「明日も会えるでしょ」と言っている。


樹とライラは話しているうちに家が近所だったことが判明した。

樹は薄暗くなってきたので、ライラを家まで送ることにした。


「あのさ、何ていうか、お前変わってるから、何か困ったことがあったら言ってくれよ。友だちになったんだしな。」


(俺ってつくづく世話好きだな・・・(笑))


(まあ、ライラは悩みなんかなさそうだけど・・(笑))


「樹・・・」


「え?・・・なんかあんの?」


「うん・・・今日クロメがいた。近く、何か起こると思う。」


「何だよ、クロメって」


「あ、うち、ここ・・・」


ライラが指を指した南フランス風な家と、佐伯という表札を確認した後、

「ここ?」と振り返るとライラが青白い顔をして鼻血を出していた。


「おい、お前!大丈夫か!?」


「うん・・・」 バタンッ


ライラが倒れるところを、慌てて樹が支えた。


「おい!大丈夫じゃねーじゃねーかよ!」

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