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ライラの見えない世界  作者: LOLA BLANCO
6/13

慎太郎先輩は恋のライバル?

4人は研究部のドアの前にいた。


ライラが一歩前に進んで、ノックした。


コンコン・・


・・・・・・


コンコン・・


・・・・・・


バババババンバンバンバン!!!


バババババンバンバンバン!!!


ババババババババァァーーーーーン!!!


悠・樹・亜里沙(ちょ、ちょっとー!)


このまま行くとドアを破壊しそうなライラ。

ガラガラガラー!ドアが開いた。


「なんだよー!うっさいなー!勝手にドア開けて入れよー!」


芸術家のような少し長めの天パのヘアスタイルに、

小さな銀縁のメガネの先輩らしい学生が出てきた。

独特な雰囲気で、モデルのようなスタイルにハッとさせられる。

色白だけど、下級生にないワイルドさがあった。

ロボット研究部の先輩とは、到底思えない。


「しんちゃん!」


ライラが叫んだ。


「あー、ライラ!」


先輩が嬉しそうに、ライラをぎゅーっと抱きしめて、ほっぺにキスをした。

亜里沙はハッとして、悠を見た。

全身をわなわなと震わせている。

樹が困ったなと言いたげに、チラッと亜里沙を見て腕を組んだ。


「まぁ、入れよ。」


「お前ら、新入生?この部活に入るの?」


「はい!」


亜里沙が一番に答えた。この展開にワクワクが止まらないようだ。

先輩は6年生の情報科で、佐伯慎太郎と言った。

樹が悠の肩を落ち着けと、ポンポンしている。


「じゃあ、この用紙に記入して」


先輩がクリップボードに挟んであった申し込み用紙を渡してきた。


「それにしても、ライラが人を連れてくるとは思わなかったな。」


メガネの位置を直しながら、ゆっくりと奥のドアに向かって行く。


「みんな、友だちなの」


ライラが答えた。


「え?ライラ、友だちできたの?」


ドアのノブに手をかけていた先輩が驚いた様子で振り向いた。

そして、私たち1人1人を見てニコリとした。


「ふーん、そうかぁ、良かったね」


「うん」


「部長、入部する子たちが来てるよー」


先輩がドアを開けて、部屋の中に声をかけている。


「ライラ、あの先輩とはどういう関係?」


高まる興味を抑えきれず、

亜里沙は先輩に聞こえないよう、小さな声で聞いた。

悠が聞き耳を立てている。


「うーん・・・」


たまりかねた様子で、悠が間に割り込んできた。


「瀬戸さん、あの先輩のこと好きなの?」


亜里沙はそれを聞いてクスクスと笑っている。

そこへ漫談のような口調で、部長が現れた。


「やあやあ、皆さん。ようこそ、ロボット研究部へ。私が太田部長です。」


クセが強い。


「慎太郎くん、部活のスケジュールや今後の活動を説明してあげて。他の先輩たちは、今日は来ないからね。」


「部長、俺はちょっと忙しいんで、部長が説明してください。」


こちらを見ることもなく、面倒くさそうにしている。


「何を言っているんですか。慎太郎くん!さっき寝てたじゃないですか。」


部長はブツブツ言いながらも、私たちに近付いて、私たちを見ると驚いたように目を丸くした。


「おい!ちょっと待ってください。君たち、本当にロボ研に来たの?慎太郎くんに続き、顔面偏差値高すぎですよ。私の立場がないじゃない・・・」


部長の話を遮るように、悠が勢いよく近付いてきた。


「太田部長!部長はこの瀬戸さんを知ってますか。」


悠からの唐突な質問に、部長は驚いている。


「い、いや、初めてですが、どうかしました?」


「じゃあ、挨拶はいいですね!」


悠がちょっと怒ったように言うと、部長は眉をひそめて、

樹や亜里沙に「どういうこと?」と声を出さずに聞いている。


「へーーー」


慎太郎は面白そうに笑みを浮かべた。


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